現代社会と法

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 現代社会と法
科目番号 0073 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書『スタンダード法学』(芦書房)、3年次の政治経済の資料集を持参すること
担当教員 児玉 恵理

到達目標

①社会における法の役割と意義を自らの言葉で説明することができる。
②法(憲法・民法・刑法・労働法・会社法など)の趣旨や内容を適切に理解することができる
③時事問題を法的な観点から考察し、社会のあり方を考えることができる
④論述の構造を理解し、自分の主張を論理的に伝えることができる

岐阜高専ディプロマポリシー:(A)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
到達目標①現代社会における法の意義を問う説明問題を正確(8割以上)に解くことができる現代社会における法の意義を問う説明問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる現代社会における法の意義を問う説明問題を解くことができない
到達目標②法(法律)の趣旨や内容に関する知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる法(法律)の趣旨や内容に関する知識確認問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる法(法律)の趣旨や内容に関する知識確認問題をあまり(6割未満)解くことができない
到達目標③時事問題を取り上げ、その内容を適切に理解し要約するとともに、法的な観点から考察した結果を論理的に伝えることができる時事問題を取り上げ、その内容を適切に理解し要約しているが、考察や伝え方のいずれかに改善の余地がある時事問題を取り上げ、その内容を適切に理解し要約しているが、考察と伝え方の両方に改善の余地がある
到達目標④明確な主張とそれを支える根拠が複数ある説得力のある一貫した論述を行うことができる明確な主張とそれを支える根拠が複数ある論述を行うことができるが,全体の一貫性に課題がある論述としての構成に大きな課題がある

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業は,これまでの社会系教科目の学習の総まとめとして位置付ける。法社会における市民として,法を正しく理解し,法を適切に活用して問題を解決する力を養うことを目的とする。
この目標を達成するために,主に授業では次の4点を具体的な目標とする。
1.法が社会において果たしている役割を説明することができる。
2.法が想定する社会のあり方を,具体的な法をもとに考察することができる。
3.法を主張の根拠として適切に使用することができる。
4.民主主義社会の市民として,法を活用して論理的な意見を論述で表現することができる。
これらが達成されたかどうかは,授業中の質疑応答や課題,定期考査によって評価する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行います。
・授業中は正解不正解を恐れず,論理的に自らの考えを答えるように努力してください.また,対話や議論に参加することを求めます。
・(事前準備の学習)倫理、政治経済の復習をしておくとよい。
・英語導入計画:なし
注意点:
・授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期授業ガイダンス
(ALのレベルC)
この授業の目標・進め方・評価方法を理解する。
2週 法の目的
(ALのレベルA)
法の目的・正義について理解する。
3週 法の特徴/学び方
(ALのレベルA)
法とその他の社会規範について理解する。
4週 法の存在形式
(ALのレベルA)
法の存在形式について理解する。
5週 法の適用/論理的な思考
(ALのレベルA)
法の適用について理解する。
6週 法の解釈
(ALのレベルA)
法の解釈について理解する。
7週 法の効力
(ALのレベルA)
法の効力について理解する。
8週 中間試験

2ndQ
9週 民主主義と決め方(1)
(ALのレベルB)
民主主義社会における「決め方」の課題について理解する。
10週 民主主義と決め方(2)
(ALのレベルB)
民主主義社会における「決め方」には様々なバリエーションがあることを理解する。
11週 民主主義と決め方(3)
(ALのレベルC)
民主的な「決め方」の背景にある思想と決め方を考察する方法を理解する。
12週 国家と法(1)
(ALのレベルC)
日本国憲法の成立経緯と基本原理について理解する。
13週 国家と法(2)
(ALのレベルC)
日本国憲法における人権保障について理解する。
14週 国家と法(3)
(ALのレベルC)
統治の仕組みについて理解する。
15週 期末試験
16週 前期まとめ
後期
3rdQ
1週 犯罪と法(1)
(ALのレベルC)
犯罪と刑罰について理解する。
2週 犯罪と法(2)
(ALのレベルB)
犯罪と法の課題について考察する。
3週 市民と法(1)
(ALのレベルA)
民法のルール、取引関係をめぐる規律について理解する。
4週 市民と法(2)
(ALのレベルA)
民法のルール、取引関係をめぐる規律について理解する。
5週 市民と法(3)
(ALのレベルA)
民法のルール、取引関係をめぐる規律について理解する。
6週 市民と法(4)
(ALのレベルA)
家族関係をめぐる規律について理解する。
7週 裁判と法
(ALのレベルA)
紛争と裁判について理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 労働と法(1)
(ALのレベルC)
労働の特徴・労働をめぐる規律を生み出す法源について理解する。
10週 労働と法(2)
(ALのレベルB)
日本の労働をめぐる規律の特徴や現代の労働問題と法の対応について理解する。
11週 企業と法(1)
(ALのレベルC)
知的財産法について理解する。
12週 企業と法(2)
(ALのレベルC)
知的財産権の事例について理解する。
13週 選挙と法
(ALのレベルA)
選挙と投票行動について考える。
14週 国際社会と法
(ALのレベルC)
国際社会における法の意義と課題について理解する。
15週 期末試験
16週 後期まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前8,前9,後2,後9,後11
合意形成のために会話を成立させることができる。3前8,前9,後2,後9,後11
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前8,前9,後2,後9,後11
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
複数の情報を整理・構造化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後12,後13,後14,後15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後3,後4,後5,後6,後7,後13

評価割合

試験課題参加・関与合計
総合評価割合404020100
前期20201050
後期20201050