電気回路I

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路I
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎からの交流理論(小郷 寛 原著・電気学会・2002.3.15)
担当教員 山田 功,佐井 篤儀

到達目標

電気工学の基礎となる直流回路と交流回路 について、演習に重点をおきながら学習する。
以下に学習・教育目標を示す。 ①直流回路の考え方を理解する。 ②正弦波交流のベクトル表示を理解する ③複素記号法と極座標表示を理解する。 ④交流回路の基本的な法則を理解する ⑤網目法と接続点法を理解する。 ⑥円線図とベクトル軌跡を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路の計算問題を6割以上できる。 直流回路に関して、例題 および章末問題を 8 割以 上正確に解くことができ る。直流回路に関して、例題お よび章末問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができ る。 直流回路に関して、例題およ び章末問題を6割未満しか解 くことができない。
正弦波交流のベクトル表示を用いた計算問題を6割以上できる。 正弦波交流のベクトル表 示に関して、例題および 章末問題を 8 割以上正確 に解くことができる。 正弦波交流のベクトル表示 に関して、例題および章末問 題をほぼ正確(6 割以上)に解 くことができる。正弦波交流のベクトル表示 に関して、例題および章末問 題を6割未満しか解くことが できない。
複素記号法と極座標表示を用いた計算問題を6割以上できる。複素記号法と極座標表示 に関して、例題および章 末問題を 8 割以上正確に 解くことができる。 所の示した発展問題を理 解できる。 複素記号法と極座標表示に 関して、例題および章末問題 をほぼ正確(6 割以上)に解く ことができる。 複素記号法と極座標表示に 関して、例題および章末問題 を6割未満しか解くことがで きない。
交流回路の基本的な法則用いた計算問題を6割以上できる。 交流回路の基本的な法則 に関して、例題および章 末問題を 8 割以上正確に 解くことができる。 所の示した発展問題を理 解できる。 交流回路の基本的な法則に 関して、例題および章末問題 をほぼ正確(6 割以上)に解く ことができる。 交流回路の基本的な法則に 関して、例題および章末問題 を6割未満しか解くことがで きない。
網目法と接続点法を用いた計算問題を6割以上できる。 網目法と接続点法に関し て、例題および章末問題 を 8 割以上正確に解くこ とができる。 また、交流過渡現象を理 解できる。 網目法と接続点法に関して、 例題および章末問題をほぼ 正確(6 割以上)に解くことが できる。交流過渡現象に関し て例題を理解できること。 網目法と接続点法に関して、 例題および章末問題を6割未 満しか解くことができない。
円線図とベクトル軌跡について理解でき、これらに関する計算問 題を6割以上できる。 円線図とベクトル軌跡に 関して、例題および章末 問題を 8 割以上正確に解 くことができる。 円線図とベクトル軌跡につ いて理解していること。例題 および章末問題をほぼ正確 (6 割以上)に解くことができ る。 円線図とベクトル軌跡につ いて、例題および章末問題を 6 割未満しか解くことができ ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気情報工学科の基幹科目としての電気回路について、教科書の1-5章を理解する。
授業の進め方・方法:
直流回路について説明した後、教科書の内容に沿って講義をする。例題や演習を重視し ながら学習する。三角関数や指数関数、ベクトルや複素数、微分・積分など電気数学を多く用いるので、数学の力を 育成しておくこと。また、教科書は3年と4年でも用いるので大切に使うこと。
注意点:
前期・後期とも、中間試験 100 点+期末試験 100 点+課題レポート 50 点とし,合計 500 点の得点率(%)で評価する。
学習・教育目標:D-4(1) 100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 抵抗器 直流電圧と抵抗と電流の関係、オームの法則について理解する。
2週 電圧源と電流源* 電圧源と電流源の等価回路の相互変換ができる。
3週 抵抗の直列接続と並列接続* 抵抗の直列接続と並列接続について、その合成抵抗を求める事ができる。
4週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則について、電流則と電圧則を理解する。
5週 電力とエネルギー* 電力とエネルギーの関係性を理解する。
6週 正弦波交流電圧の発生 正弦波交流電圧の発生 について理解する。
7週 正弦交流の用語 正弦交流の用語について理解する。
8週 前期中間試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
2ndQ
9週 交流の大きさと波形 交流の大きさと波形について、特に合成方法を理解する。
10週 回路素子 回路素子として、抵抗以外の素子がある事を理解する。
11週 R,L,Cの働き R,L,Cの働きについて電圧と電流の関係から理解する。
12週 RL回路 RL直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。
13週 RC回路 RC直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。
14週 RLC回路* RLC直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。
15週 前期期末試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
16週 直列共振* 直列共振回路について理解する。特に選択度や半値幅の関係など。
後期
3rdQ
1週 並列共振* 並列共振回路について理解する。
2週 複素数表記 電気回路の複素数表記について理解する。特にインピーダンスの複素数表記の理解。
3週 正弦波と複素数の対応 正弦波と複素数の対応について、フェーザの回転との関係性を理解する。
4週 複素インピーダンス 複素インピーダンスを用いて、もう一度体系立てて交流回路を理解する。
5週 インピーダンスとアドミタンス インピーダンスとアドミタンスについて、逆数の関係性を理解する。
6週 閉路方程式* 閉路方程式の解き方を理解する。
7週 節点方程式* 節点方程式の解き方を理解する。
8週 後期中間試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
4thQ
9週 電力保存則と最大電力供給定理 電力保存則と最大電力供給定理について理解する。
10週 重ねの理 重ねの理について、電圧源と電流源の取扱の違いを理解する。
11週 テブナンの定理とノートンの定理* テブナンの定理とノートンの定理*の双対性を理解する。
12週 定抵抗回路 定抵抗回路について理解する。
13週 三角結線と星形結線の等価変換 三角結線と星形結線の等価変換について理解する。
14週 円線図* 円線図について理解する。
15週 後期期末試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
16週 ベクトル軌跡* ベクトル軌跡について、円線図との対応を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
計測倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合4001000000500
基礎的能力200500000250
専門的能力200500000250
分野横断的能力0000000