光・量子エレクトロニクス

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 光・量子エレクトロニクス
科目番号 0160 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 光エレクトロニクス(神保孝志・オーム社・2003.8.20)
担当教員 白木 英二

到達目標

我々の身近な光に関する物理現象を数学的モデル等により定性的・定量的に説明する。また、第4学年で学んだ半導体の基礎をもとにして、発光デバイス、光検出器および量子デバイスなど最先端の電子デバイスの基本原理を学ぶ。電子デバイス関係の設計・開発のための基礎的知識を身につける。
 以下に具体的な学習・教育目標を示す。
①光の屈折、干渉、回折、偏光の現象を理解すること
②レーザの基本原理について理解すること
③光・量子デバイスの原理を理解すること    
④光の応用について理解すること
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1光の屈折、干渉、回折、偏光の現象を理解し、関連する応用問題を解くことができる。光の屈折、干渉、回折の現象を理解し、関連する基礎問題を解くことができる。光の屈折、干渉、回折の現象を理解し、関連する計算問題を解くことができない。
評価項目2レーザの発振原理を理解し、関連する応用問題を解くことができる。レーザの発振原理を理解し、関連する基礎問題を解くことができる。レーザの発振原理を理解し、関連する計算問題を解くことができない。
評価項目3光・量子デバイスの原理の定性的な説明及び関連する応用問題を解くことができる。光・量子デバイスの原理の定性的な説明及び関連する基礎問題を解くことができる。光・量子デバイスの原理の定性的な説明及び関連する計算問題を解くことができない。
評価項目4光の変調、偏向、検出等についての理解及び関連する応用問題を解くことができる。光の変調、偏向、検出等についての理解及び関連する基礎問題を解くことができる。光の変調、偏向、検出等についての理解及び関連する計算問題を解くことができない。
評価項目5光・量子エレクトロニクス関連の製品についての原理と実際を説明することができる。光・量子エレクトロニクス関連の製品についての原理を説明することができる。光・量子エレクトロニクス関連の製品についての原理と実際を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
授業の進め方・方法:
授業の最後に必ず課題を科す。難解な式はできるだけ省き、物理的な意味などを定性的に理解できるように授業を行う。最先端の電子デバイスおよびその原理などについて解説すると同時に、光学の基礎についても講義する。
(事前準備の学習)応用物理、電気磁気学、電子工学、信号処理の復習をしておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である
学習・教育目標:(D-4(1))100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 光の伝播(ALのレベル:C) マクスウェルの方程式やフェルマーの原理について理解する。
(授業外学習・事前)応用物理における波や、電気磁気学における電界・磁界について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後) 反射・屈折に関する問題を解く(約2 時間)
2週 干渉(ALのレベル:C) 光の干渉、コヒーレンスを理解する。
(授業外学習・事前)応用物理における干渉について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)干渉の問題を解く(約2 時間)
3週 回折(ALのレベル:C) 回折を理解する。
(授業外学習・事前)フェルマーの原理について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後) 回折像に関する問題を解く(約2 時間)
4週 偏光(ALのレベル:C) 偏光を理解する。(教室外学修)
(授業外学習・事前)電気磁気学における電界について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後) S,P偏光に関する問題を解く(約2 時間)
5週 光の吸収と発光
吸収、自然放出及び誘導放出の説明(ALのレベル:C)
光の吸収および発光の原理を理解する。
(授業外学習・事前)波としての光について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)アインシュタインのA、B係数に関する演習を解く(約2 時間)
6週 反転分布とレーザの発振
スペクトル線幅、反転分布及びレーザ発振の原理(共振器、CW・パルス発振の説明)の説明(ALのレベル:C)
反転分布について理解する。
(授業外学習・事前)電子工学におけるエネルギーバンドを復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)スペクトル線幅、レーザーパルスに関する演習を解く(約2 時間)
7週 光源の種類(ALのレベル:C) 黒体放射について理解する。
(授業外学習・事前)電子工学における発光デバイスを復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)黒体放射に関する演習を解く(約2 時間)
8週 気体レーザ
He-Ne レーザ、炭酸ガスレーザ等の説明(ALのレベル:C)
気体レーザの発振原理を理解する。
(授業外学習・事前)物質の三態(気体・固体・液体)について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)ビーム品質に関する演習を解く(約2 時間)
2ndQ
9週 固体レーザ
ルビーレーザ、YAGレーザ等の説明(ALのレベル:C)
個体レーザの発振原理を理解する。
(授業外学習・事前)元素記号について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)YAGレーザーに関する演習を解く(約2 時間)
10週 ファイバーレーザー
Er添加ファイバーレーザ―等の説明(ALのレベル:C)
ファイバーレーザの発振原理を理解する。
(授業外学習・事前)光ファイバーについて復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)レーザー媒質の放熱性に関する演習を解く(約2 時間)
11週 半導体発光デバイス
半導体の諸性質や発光ダイオード等の説明(ALのレベル:C)
LEDの発光原理を理解する。
(授業外学習・事前)電子工学におけるpn接合について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)LEDに関する演習を解く(約2 時間)
12週 半導体レーザ
半導体レーザの基本原理、Ⅲ-Ⅴ族、多重量子井戸、面発光半導体レーザ等の説明(ALのレベル:C)
半導体レーザの発振原理を理解する。また、半導体レーザの材料や構造を理解する。
(授業外学習・事前)電子工学における半導体について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)半導体レーザー、半導体の組成比に関する演習に関する演習を解く(約2 時間)
13週 光検出
アバランシェフォトダイオードやPINフォトダイオード、撮像素子の説明(ALのレベル:C)
光検出の原理や、CMOS・CCDイメージセンサを理解する。
(授業外学習・事前)電子工学における半導体の接合について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)フォトダイオード、イメージセンサに関する演習に関する演習を解く(約2 時間)
14週 光制御及び光応用
光変調法や光偏向法の基本原理の説明、光応用の説明(ALのレベル:C)
偏光面や光偏向の制御を理解する。
(授業外学習・事前)偏光について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)磁気光学効果や光偏向に関する演習を解く(約2 時間)
15週 期末試験
16週 期末試験の解答・解説 最新の光・量子デバイスの紹介(ALのレベル:C) 最新の光・量子デバイスを理解する。
(授業外学習・事前)光量子・波について復習しておく(約2 時間)
(授業外学習・事後)総合演習問題を解く(約2 時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合10033133
得点10033133