電気回路I

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路I
科目番号 0182 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎からの交流理論(小郷 寛 原著・電気学会・2002.3.15)
担当教員 所 哲郎

到達目標

電気工学の基礎となる電気回路に関して、次の項目を理解し、問題を解く能力を修得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
① 単相電力と力率 単相電力と力率に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。単相電力と力率に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。単相電力と力率に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
② 最大電力供給の定理 最大電力供給の定理に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。最大電力供給の定理に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。最大電力供給の定理に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
③ ひずみ波交流のフーリエ解析 複素記号法と極座ひずみ波交流のフーリエ解析に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。 所の示した発展問題を理解できる。 ひずみ波交流のフーリエ解析に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。ひずみ波交流のフーリエ解析に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
④ ひずみ波交流の電圧・電流・電力 ひずみ波交流の電圧・電流・電力に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。 所の示した発展問題を理解できる。 ひずみ波交流の電圧・電流・電力に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。ひずみ波交流の電圧・電流・電力に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
⑤ 直流過渡現象 直流過渡現象に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。 また、交流過渡現象を理解できる。 直流過渡現象に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。交流過渡現象に関して例題を理解できること。直流過渡現象に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
⑥ 時定数時定数に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。時定数について理解していること。例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。時定数について、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路に関して、次の項目を理解し、問題を解く能力を修得する。
① 単相電力と力率
② 最大電力供給の定理
③ ひずみ波交流のフーリエ解析
④ ひずみ波交流の電圧・電流・電力
⑤ 直流過渡現象
⑥ 時定数
授業の進め方・方法:
2年で学習したことを基本として、教科書に記述されている項目に関して、主に例題や演習に力を入れながら学習していく。三角関数や指数関数、複素数、微分・積分など、電気数学を多用するので、数学の実力を育成しておくこと。また、教科書は高学年でも用いるので大切に使うこと。LMSとMathcadも積極的に活用する。
注意点:
成績評価の方法は、前期・後期とも、中間試験100点+期末試験100点+課題レポート50点とし,合計500点の得点率(%)で評価する。
学習・教育目標 (D-4(1))100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交流電力 交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
2週 力率と皮相電力
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
3週 実効インピーダンス
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
4週 電力のベクトル表示
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
5週 最大電力と最大電力供給定理
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
6週 異なる周波数の電圧・電流間の電力
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
7週 交流電力の測定と電力に関する演習問題
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
8週 相互インダクタンスと変成器 相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。
2ndQ
9週 理想変成器 理想変成器を説明できる。
10週 相互インダクタンスに関する演習問題
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。
11週 回路方程式の解法のまとめ 網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。
12週 円線図を用いた回路の考え方 重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。
13週 回路の諸定理の演習問題 重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。
14週 まとめ1
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算に用いることができる。
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。
15週 期末試験 以上の到達目標を達成している
16週 まとめ2
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。
後期
3rdQ
1週 ひずみ波交流と正弦波交流 ひずみ波交流波形が正弦波の重ね合わせで表現できることを理解する。
2週 フーリエ級数展開(図的な解法と EXCEL を用いた解法) EXCELでフーリエ解析を実施する。
3週 ひずみ波交流の電圧、電流
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
ひずみ波の電圧と電流の表現方法を理解する。
4週 ひずみ波交流の実効値、電力と等価正弦波
Mathcadを用いたアクティブラーニング Cレベル
ひずみ波の実効値と平均値、等価正弦波について理解する。
5週 強磁性体の交流磁化と三相回路におけるひずみ波 三相回路におけるひずみ波の取り扱いについて理解する。
6週 ひずみ波交流に関する演習問題1
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベルを実施できる
7週 ひずみ波交流に関する演習問題2
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベルを実施できる
8週 過渡現象の基本とRL回路の過渡現象 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
4thQ
9週 RC回路の過渡現象とLC回路の過渡現象 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
10週 RLC回路の過渡現象1 RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
11週 RLC回路の過渡現象2 RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
12週 複雑な回路の過渡現象
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
13週 過渡現象に関する演習問題
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
14週 まとめ3
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
15週 期末試験 以上の到達目標を達成している
16週 まとめ4
Mathcadを用いたアクティブラーニング Bレベル
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前16
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前16,後2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前16,後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前16,後3,後4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前14
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前14
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3前11,前16
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3前12,前13,前14,前16
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3前14
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前7,前9
理想変成器を説明できる。3前7,前8
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前13
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後7,後8,後11
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後13,後14
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。2
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3前7
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前1,前2
電力量の測定原理を説明できる。3前4,前5
オシロスコープの動作原理を説明できる。3
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合200200100500
前期得点10010050250
後期得点10010050250