電子工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子工学
科目番号 0201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 電子デバイス工学(第2版)(古川清ニ郎、萩田陽一郎、浅野種正・森北出版・2014.1.10)
担当教員 稲葉 成基,所 哲郎

到達目標

第3学年で学んだバンド理論をもとに半導体の基礎と応用を学ぶ。半導体を設計・開発するために不可欠である。以下の目標を達成すれば、この科目に関係した技術士の一次試験合格、電験2種合格、国際教科書の演習問題の6割以上正答のレベルまで達している。
①半導体の基本的事項が理解できる。
②半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞いが理解できる。
③pn接合及び金属―半導体接合が理解できる。
④各種半導体デバイスの原理が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の基礎の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。半導体の基礎の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。半導体の基礎の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割未満)に解くことができない。
評価項目2半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割未満)に解くことができない。
評価項目3ダイオードやトランジスタの動作原理の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。ダイオードやトランジスタの動作原理の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。ダイオードやトランジスタの動作原理の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確(6割未満)に解くことができない。
評価項目4各種半導体デバイスの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。各種半導体デバイスの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。各種半導体デバイスの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算をほぼ正確(6割未満)に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学年で学んだバンド理論をもとに半導 体の基礎と応用を学ぶ。半導体を設計・開発 するために不可欠である。以下の目標を達成 すれば、この科目に関係した技術士の一次試 験合格、電験2種合格、国際教科書の演習問 題の 6 割以上正答のレベルまで達している。 ①半導体の基本的事項が理解できる。 ②半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞い が理解できる。 ③pn接合及び金属―半導体接合が理解でき る。 ④各種半導体デバイスの原理が理解できる。
授業の進め方・方法:
パワーポイント及び板書による授業を行う。パワーポイント資料は一部穴あきで配布する。
授業の最後に必ず課題を科す。難解な式はできるだけ省き、物理的な意味などを定性的に理解できるように授業を行う。最先端の電子デバイスおよびその原理などについて解説する。演習問題及び課題はその日のうちに解くことが大切である。
技術士の一次試験、電験、教科書演習問題に相当した出題の 6 割 以上正答すること。成績評価への重みは均等である。 ①半導体の基礎を説明でき、基本問題に関する計算が6割以上でき る。 ②半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞い等を説明でき、基本問 題に関する計算が6割以上できる。 ③ダイオードやトランジスタの動作原理を説明でき、基本問題に関 する計算が6割以上できる。 ④各種半導体デバイスの動作原理を説明でき、関連の基本問題に関 する計算が6割以上できる。
注意点:
前期:中間試験 100 点+期末試験 100 点+教室外学修 50 点の合計の 得点率(%) 後期:中間試験 100 点+期末試験 100 点+教室外学修 50 点の合計の 得点率(%) 学年:前・後期の重みを等しくして合計し得点率(%)で成績をつけ る。
学習・教育目標 (D-2 材料・バイオ系)100% JABEE 基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体とその種類 元素半導体、化合物半導体、真性半導体、不純物半導体など用語の定義  半導体とその種類 元素半導体、化合物半導体、真性半導体、不純物半導体など用語の定義について理解する
2週 ボーアの理論 ボーアの仮説から水素モデルまでを復習 ボーアの理論 ボーアの仮説から水素モデルについて理解する
3週 固体のエネルギー帯  帯理論を復習  固体のエネルギー帯、帯理論について理解する
4週 結晶内電子の速度と有効質量 負の有効質量の概念を説明 結晶内電子の速度と有効質量 負の有効質量の概念について理解する
5週 電気伝導による固体の分類  導体、半導体、絶縁体のバンド理論からの説明 電気伝導による固体の分類  導体、半導体、絶縁体のバンド理論からの説明について理解する
6週 半導体のキャリヤ フェルミ・ディラックの物理関数の物理的な意味 半導体のキャリヤ フェルミ・ディラックの物理関数の物理的な意味について理解する
7週 キャリヤ密度とフェルミ準位  温度依存性 np積が一定であることの物理的な意味 キャリヤ密度とフェルミ準位  温度依存性 np積が一定であることの物理的な意味について理解する
8週 中間試験 以上の達成目標を達成していること
2ndQ
9週 外因性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位 外因性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について理解する
10週 半導体の電気伝導 ドリフト電流 半導体の電気伝導 ドリフト電流について理解する
11週 半導体の抵抗率 半導体の抵抗率について理解する
12週 半導体の電気伝導 拡散電流 半導体の電気伝導 拡散電流について理解する
13週 キャリヤ連続の式 キャリヤ連続の式について理解する
14週 ホール効果・磁気抵抗素子 ホール効果・磁気抵抗素子について理解する
15週 期末試験 以上の達成目標を達成していること
16週 期末試験の解答・解説 pn接合 期末範囲の理解とpn接合について理解する
後期
3rdQ
1週 pn接合の電流電圧特性 pn接合の電流電圧特性について理解する
2週 pn接合容量 pn接合容量について理解する
3週 pn接合の空乏層容量と拡散容量 pn接合の空乏層容量と拡散容量について理解する
4週 バイポーラトランジスタの動作原理 バイポーラトランジスタの動作原理について理解する
5週 バイポーラトランジスタの電流増幅率 バイポーラトランジスタの電流増幅率について理解する
6週 接合形FETの動作原理 接合形FETの動作原理について理解する
7週 中間試験 以上の達成目標を達成していること
8週 接合形FETの相互コンダクタンス 接合形FETの相互コンダクタンスについて理解する
4thQ
9週 金属―半導体接触とショットキー障壁 金属―半導体接触とショットキー障壁について理解する
10週 金属―半導体接触のオーミック接触 金属―半導体接触のオーミック接触について理解する
11週 MIS FET構造ゲートの動作 MIS FET構造ゲートの動作について理解する
12週 MIS FET構造ゲートの反転層の解析 MIS FET構造ゲートの反転層の解析について理解する
13週 光導電効果と光起電力効果 光導電効果と光起電力効果について理解する
14週 発光デバイス 発光デバイスについて理解する
15週 期末試験 以上の達成目標を達成していること
16週 期末試験の解答・解説 最新の半導体の紹介 期末試験の解答・解説 最新の半導体の紹介について理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合4001000000500
基礎的能力200500000250
専門的能力200500000250
分野横断的能力0000000