計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 図解 コンピュータアーキテクチャ入門 第2版(堀 桂太郎【著】,森北出版,2011.11)
担当教員 田島 孝治

到達目標

コンピュータの基本機能をハードウェア,ソフトウェアの両面から理解することを目標とする。具体的には以下の項目を目標とする。
(1) ノイマン型コンピュータの特徴について理解する。
(2) 命令セットアーキテクチャについて理解する。
(3) 計算アーキテクチャについて理解する。
(4) メモリアーキテクチャについて理解する。
(5) 制御アーキテクチャについて理解する。
(6) コンピュータシステムの分類について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1)ノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する複雑な演習問題を 解くことができるノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する基本的な演習問題を解くことができる。ノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する演習問題を解くこ とができない
(2) アセンブラ表記で書かれたプログラムを理解し、応用的な問題を解くことができる。命令のアセンブラ表現に関する基本的な問題を解くことができる命令のアセンブラ表現に関する問題を解くことができない
(3)整数と浮動小数点数の計算機における表現を理解し、任意のフォーマットにおいても変換することができる。整数と浮動小数点数の計算機における表現を変換することができる。計算機における数の表現と計算アルゴリズムの問題を解くことがで きない
(4) キャッシュメモリ,仮想メモリに関する応用問題を解くことができるキャッシュメモリ,仮想メモリに関する基本的な問題を解くことができるキャッシュメモリ,仮想メモリに関する問題を解くことができない
(5) パイプライン処理について理解し、様々なハザードが発生した際のスループットを計算できる。パイプライン処理について理解し、理想的な状況におけるスループットを計算できる。パイプライン処理とハザードに関する問題を解くことができない
(6) 入出力装置や,コンピュータシステムについて、様々なハードウェアやシステムの仕組みを理解できている入出力装置や,コンピュータシステムの分類について理解できている入出力装置や,コンピュータシステムの分類について理解できていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機の基本機能についての理解を、ハードウェア、ソフトウェアの両面から深める。
授業の進め方・方法:
授業では教科書だけでなく配布資料を利用する。教科書の内容から離れることもあるので,各自で学習用ノートを作り充実させること。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
学習・教育目標: (D-2 情報・論理系)100%,
JABEE 基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータ技術の歴史(A) コンピュータの歴史に ついて理解する
コンピュータアーキテクチャとは何か理解する
2週 ノイマン型コンピュータ(B) ノイマン型コンピュータについての理解する
3週 コンピュータのハードウェア(B) コンピュータのハードウェア構成を理解する
4週 入出力装置の分類と特徴
ポーリングと割り込み(B)
入出力装置の制御方法の違いを理解する
入出力装置からのデータの受け渡し方法の違いを理解する
5週 固定小数点数表現と浮動小数点表現(B) コンピュータにおける少数の扱い について理解する
6週 浮動小数点表現と乗算アルゴリズム(C) コンピュータにおける
乗算アルゴリズムについて理解する
7週 計算機における除算と文字表現(B) コンピュータにおける
除算アルゴリズムについて理解する
8週 中間試験
2ndQ
9週 命令実行の流れ(B) 命令とは何かを理解する命令の実行手順について理解する命令の実行時間を計算できるようになる
10週 命令セットと命令形式(B) 計算機の性能を表す指標について理解するMPISアーキテクチャについて学び、命令の種類を理解する
11週 命令とアセンブリ言語(B) 命令とアセンブリ言語の関係を理解する
12週 PCSpim によるアセンブリ言語プログラム(B) MIPSのプログラムの文法を理解し内容を理解できるようになる
13週 命令のバイナリ表現とアドレッシング(B) MIPSの基本的なプログラムをバイナリ形式で表現できるようになる
14週 PCSpim によるアセンブリ言語プログラム2(A) C言語で与えたプログラムをMIPSのプログラム形式で表現できるようになる。
15週 期末試験
16週 期末試験の返却、システムの分類と組み込みコンピューティング(B) コンピュータシステムの分類について理解し、組み込みコンピューティングの特徴について理解する
後期
3rdQ
1週 メモリ装置の基本概念(A) メモリ装置の機能について理解する
2週 キャッシュメモリ1(A) キャッシュメモリの原理と利点を理解する
3週 キャッシュメモリ2(B) キャッシュメモリの マッピング方式について種類と特徴を理解する
4週 キャッシュメモリ3(B) キャッシュメモリの追い出しについて種類と特徴を理解する
5週 仮想メモリ1(A) 仮想メモリの役割ついて理解する
6週 仮想メモリ2(B) 仮想メモリのマッピング方式について理解する
7週 中間試験
8週 命令実行とパイプライン処理(A) 命令がどのように実行されるか理解するパイプライン処理の概念を理解する
4thQ
9週 ハザードの種類と影響(B) パイプラインの破綻の原因を検討する
10週 ハザードの解決方法1(B) 構造ハザード、データハザードの対策について理解する
11週 ハザードの解決方法2(B) 制御ハザードの対策である分岐予測について理解する
12週 ハザードの解決方法3(B) 分岐予測における実践的な問題を解き、スループットを計算できるようになる
13週 並列処理・マルチプロセッサ(A) パイプライン以外の高速化手法について理解する
14週 学習の総まとめ(B) これまでの学習内容をまとめ、内容を理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など(C) 期末試験についてまとめる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。4
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
情報数学・情報理論情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。2後14
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。2

評価割合

中間試験期末試験演習課題合計
総合評価割合200200170570
前期10010085285
後期10010085285