計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0204 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 図解 コンピュータアーキテクチャ入門 第2版(堀 桂太郎【著】,森北出版,2011.11)
担当教員 田島 孝治

到達目標

コンピュータの基本機能をハードウェア,ソフトウェアの両面から理解することを目標とする。具体的には以下の項目を目標とする。
(1) ノイマン型コンピュータの特徴について理解する。
(2) 命令セットアーキテクチャについて理解する。
(3) 計算アーキテクチャについて理解する。
(4) メモリアーキテクチャについて理解する。
(5) 制御アーキテクチャについて理解する。
(6) コンピュータシステムの分類について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1)ノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する演習問題を 80%解 くことができるノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する演習問題を 60%解 くことができるノイマン型コンピュータの命令実行時間に関する演習問題を解くこ とができない
(2) 命令のアセンブラ表現に関する問題を 80%解くことができる命令のアセンブラ表現に関する問題を 60%解くことができる命令のアセンブラ表現に関する問題を解くことができない
(3)計算機における数の表現と計算アルゴリズムの問題を 80%解く ことができる計算機における数の表現と計算アルゴリズムの問題を 60%解く ことができる計算機における数の表現と計算アルゴリズムの問題を解くことがで きない
(4) キャッシュメモリ,仮想メモリに関する問題を 80%解くことができるキャッシュメモリ,仮想メモリに関する問題を 60%解くことができるキャッシュメモリ,仮想メモリに関する問題を解くことができない
(5) パイプライン処理とハザードに関する問題を 80%解くことができるパイプライン処理とハザードに関する問題を 60%解くことができるパイプライン処理とハザードに関する問題を解くことができない
(6) 入出力装置や,コンピュータシステムの分類について 80%以上理解できている入出力装置や,コンピュータシステムの分類について 60%以上理解できている入出力装置や,コンピュータシステムの分類について理解できていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機の基本機能についての理解を、ハードウェア、ソフトウェアの両面から深める。
授業の進め方・方法:
授業では教科書だけでなく配布資料を利用する。教科書の内容から離れることもあるので,各自で学習用ノートを作り充実させること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータ技術の歴史 コンピュータの歴史に ついて理解する
コンピュータアーキテクチャとは何か理解する
2週 ノイマン型コンピュータ ノイマン型コンピュータについての理解する
3週 コンピュータのハードウェア コンピュータのハードウェア構成を理解する
4週 入出力装置の分類と特徴
ポーリングと割り込み
入出力装置の制御方法の違いを理解する
入出力装置からのデータの受け渡し方法の違いを理解する
5週 固定小数点数表現と浮動小数点表現 コンピュータにおける少数の扱い について理解する
6週 浮動小数点表現と乗算アルゴリズム コンピュータにおける
乗算アルゴリズムについて理解する
7週 計算機における除算と文字表現 コンピュータにおける
除算アルゴリズムについて理解する
8週 中間試験
2ndQ
9週 命令実行の流れ 命令とは何かを理解する
命令の実行手順について
理解する
命令の実行時間を計算
できるようになる
10週 命令セットと命令形式 計算機の性能を表す指標について理解する
MPISアーキテクチャについて学び、命令の種類を理解する
11週 命令とアセンブリ言語
12週 PCSpim によるアセンブリ言語プログラム MIPSのプログラムを
読み書きできるようになる
13週 PCSpim によるアセンブリ言語プログラム2 与えられた課題のMIPSのプログラムを
作れるようになる
14週 コンピュータシステムの分類 現在の主要なコンピュータシステムの分類について理解する
15週 期末試験
16週 期末試験の返却、組み込みコンピューティング 組み込みコンピューティングの特徴について理解する
後期
3rdQ
1週 メモリ装置の基本概念 メモリ装置の機能について理解する
2週 キャッシュメモリ1 キャッシュメモリの原理と利点を理解する
3週 キャッシュメモリ2 キャッシュメモリの マッピング方式について種類と特徴を理解する
4週 キャッシュメモリ3 キャッシュメモリの追い出しについて種類と特徴を理解する
5週 仮想メモリ1 仮想メモリの役割ついて理解する
6週 仮想メモリ2 仮想メモリのマッピング方式について理解する
7週 中間試験
8週 命令実行とパイプライン処理
4thQ
9週 パイプライン処理1 命令がどのように実行されるか理解するパイプライン処理の概念を理解する
10週 パイプライン処理2 パイプラインの破綻の原因を検討する
11週 ハザードの種類と影響 ハザードの対策について理解する
12週 ハザードの解決方法 御ハザードの解決方法である分岐予測について理解する
13週 並列処理・マルチプロセッサ パイプライン以外の高速化手法について理解する
14週 学習の総まとめ これまでの学習内容をまとめ、内容を理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など 期末試験についてまとめる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。4
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。4
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2
コンピュータシステム処理形態の面でのコンピュータシステムの分類である集中処理システムと分散処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。2
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。2
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。2

評価割合

中間試験期末試験演習課題合計
総合評価割合200200170570
前期10010085285
後期10010085285