高電圧工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0222 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高電圧工学(日高邦彦・数理工学社)
担当教員 所 哲郎

到達目標

高電圧工学について、安全に配慮した学習を進める。電気回路や電気磁気学のまとめを実施しつつ、電力系科目の集大成となる学力(計算能力や思考能力)を修得する。特に同軸ケーブルの電界分布や、非線形現象についても理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
① 高電圧の基礎概念と電界計算 電界計算に関しては点電荷・線電荷・面電荷および立体シート状体積電荷からの電界を求めることができること、授業で示した例題を8割以上正確に解くことができる。電界計算に関しては点電荷・線電荷・面電荷および立体シート状体積電荷からの電界を求めることができること、授業で示した例題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。電界計算に関しては点電荷・線電荷・面電荷および立体シート状体積電荷からの電界を求めることができるが、授業で示した例題を6割未満しか解くことができない。
② 絶縁体と誘電体 絶縁体と誘電体に関しては二相誘電体の電界分布と電位分布が計算できること、授業で示した例題を8割以上正確に解くことができる。絶縁体と誘電体に関しては二相誘電体の電界分布と電位分布が計算できること、授業で示した例題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。絶縁体と誘電体に関しては二相誘電体の電界分布と電位分布が計算できるが、授業で示した例題を6割未満しか解くことができない。
③ 絶縁劣化現象と絶縁物の破壊 絶縁劣化現象と絶縁物の破壊に関しては、教科書のまとめの図の意味を理解でき、授業で示した例題を8割以上正確に解くことができる。絶縁劣化現象と絶縁物の破壊に関しては、教科書のまとめの図の意味を理解でき、授業で示した例題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。絶縁劣化現象と絶縁物の破壊に関しては、教科書のまとめの図の意味を理解できるが、授業で示した例題を6割未満しか解くことができない。
④ 非線形伝導機構 非線形伝導機構に関しては、それらの発現機構を図と式により理解すること、授業で示した例題を8割以上正確に解くことができる。非線形伝導機構に関しては、それらの発現機構を図と式により理解し、授業で示した例題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。非線形伝導機構に関しては、それらの発現機構を図と式により理解することや授業で示した例題を6割未満しか解くことができない。
⑤ 高電圧の発生・測定と高電圧応用機器 高電圧の発生・測定と高電圧応用機器に関しては、それらの回路の動作説明ができること、授業で示した回路の動作を8割以上正確に説明できる。高電圧の発生・測定と高電圧応用機器に関しては、それらの回路の動作説明がほぼ正確(6割以上)にできる。高電圧の発生・測定と高電圧応用機器に関しては、それらの回路の動作説明が6割未満しかできない。
⑥ 高電圧の障害と安全高電圧の障害と安全に関しては、以上の各項目が安全の立場からどの様な配慮を実施し、必要としているか考察できる。高電圧の障害と安全に関しては、以上の各項目が安全の立場からどの様な配慮を実施し、必要としているかほぼ正確(6割以上)に考察できる。高電圧の障害と安全に関しては、以上の各項目が安全の立場からどの様な配慮を実施し、必要としているか考察できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高電圧工学について、安全に配慮した学習を進める。電気回路や電気磁気学のまとめを実施しつつ、電力系科目の集大成となる学力(計算能力や思考能力)を修得する。
授業の進め方・方法:
高電圧工学について、教科書に記述されている各項目に関して、数学的な部分や、電気回路・電気磁気学に関係した部分を詳細に説明する。また、最新のこの分野の学会活動についても、英語の論文などを用いて紹介する。電気磁気学・電気回路と、電気数学の実力をあらかじめ育成しておくこと。LMSとMathcadも積極的に活用する。Technical termsを紹介する。
① 高電圧の基礎概念と電界計算
② 絶縁体と誘電体
③ 絶縁劣化現象と絶縁物の破壊
④ 非線形伝導機構
⑤ 高電圧の発生・測定と高電圧応用機器
⑥ 高電圧の障害と安全
注意点:
電気磁気学・電気回路と、電気数学の実力をあらかじめ育成しておくこと。LMSとMathcadも積極的に活用する。合計250点の得点率で成績を評価する。ただし、合格には課題レポートが60%(30点)以上の得点率である事を必須とする。

学習・教育目標 (D-3 安全系)50%,(D-4(2))50%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第 1回:高電圧工学とは(1章 学ぶ意義の理解・電中研のビデオ紹介) 高電圧工学の学修内容を理解する。
2週 第 2回:放電現象(2章 目で見える高電圧現象の理解) 高電圧現象の導入として放電現象を理解する。
3週 第 3回:電界とは(静電界の基本・ガウスの定理)
Mathcadを用いたアクティブラーニングBレベル。
静電界の計算方法を理解する。点電荷による電界の計算ができる。
4週 第 4回:電極間の電界とは(電極間の電界)*
LMSを用いたAL(cレベル)
電極間の電界を計算できる。線電荷の電界や面電荷の電界が計算できる。
5週 第 5回:電極間の電界とは(誘電体の存在する電極間の電界)*
LMSを用いたAL(cレベル)
誘電体がある場合の電界を計算できる。
二層誘電体問題を解くことができる。
6週 第 6回:荷電粒子の発生と消滅 (気体の性質) 荷電粒子の発生や消滅を理解する。非線形な電流発生の機構を理解する。
7週 第 7回:非線形電気伝導機構(固体の各種非線形電気伝導)
Mathcadを用いたアクティブラーニングBレベル。
非線形電気伝導を4種類理解する。非線形現象のデータをグラフで可視化できる。
8週 第 8回:中間のまとめ(課題試験) 点状、線状、面状、体積状電荷の作る電界をマスターし、二相誘電体問題をマスターする。
2ndQ
9週 第 9回:タウンゼントの理論とパッシェンの法則(3章 気体の電気伝導と絶縁破壊)
LMSを用いたAL(cレベル)
タウンゼントの火花条件を求める事ができる。
10週 第10回:いろいろな放電形態と部分放電の理解(6章 放電現象とPDの観測)
LMSを用いたAL(cレベル)
部分放電の発生形態を理解する。交流電圧印加時のФ-Q-nパターンを理解し、説明することができる。
11週 第11回:高電圧の発生(7章 高電圧発生方法)
LMSを用いたAL(cレベル)
高電圧の発生方法を理解する。コンデンサとダイオードなどを用いて高電圧回路の動作原理を説明できる。
12週 第12回:高電圧と大電流の測定(8章 高電圧の測定方法)
LMSを用いたAL(cレベル)
高電圧の分圧方法や計測方法を理解する。各種分圧方法の計算と説明が出来る。
13週 第13回:高電圧機器(9章 がいしとブッシング)
LMSを用いたAL(cレベル)
がいしとブッシングの違いを理解する。シリコーンゴムがいしなど最近の機能性がいしの性能や用途を理解できる。
14週 第14回:高電圧の解析(10章 数値電界計算)*
EXCELによるアクティブラーニングで学ぶ。(B)レベル。
高電界の解析をEXCELによるアクティブラーニングで学ぶ。(b)レベル。
15週 期末試験 総合試験
16週 第15回:高電圧応用(安全についてのAL(cレベル)) 世界の最新の研究動向を紹介し、高電圧応用の分野の必要性を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオLMS課題合計
総合評価割合200000050250
基礎的能力100000020120
専門的能力5000002070
分野横断的能力5000001060