自動制御

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 自動制御
科目番号 0229 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 専門基礎ライブラリー 制御工学 (寺嶋一彦ら著,実教出版,2012.3)
担当教員 黒山 喬允

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
① 力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)を理解する.
② ブロック線図によるシステムの表現を理解する.
③ 過渡応答特性,周波数特性について理解し,相互の関係について説明出来る.
④ 定常偏差と,比例・微分・積分制御の特性について理解する.
⑤ システムの安定判別を行うことができる.
⑥ PID補償器を設計できる.
⑦ 状態方程式について理解する.
⑧ 状態フィードバックとオブザーバについて理解する.
⑨ 最適制御について理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1授業で示したものとは異なる力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができる.授業中に示した力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができる.授業中に示した力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができない.
2授業で示したものとは異なるシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができない.
3授業で示したものとは異なる過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができる.授業中に示した過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができる.授業中に示した過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができない.
4授業で示したものとは異なる比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができる.授業中に示した比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができる.授業中に示した比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができない.
5授業で示したものとは異なるシステムの安定度に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムの安定度に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムの安定度に関する問題を解くことができない.
6授業で示したものとは異なるPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができる.授業中に示したPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができる.授業中に示したPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができない.
7
8

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では,身の回りの家電機器,工業機器や産業界など幅広い分野において用いられている自動制御の理論である「古典制御理論」と「現代制御理論」を習得する.
授業の進め方・方法:
古典制御ではラプラス変換を,現代制御では状態方程式を駆使し系を抽象的に捉えるためその応用の裾野は広いが,初学者には取り付きにくい部分がある.このため,実際のシステムや簡単なモデルを示しながら,制御系の解析手法について例題を多く交えて説明する.

英語導入計画:Technical terms
注意点:
内容をよく理解するためには,電気系などの知識を必要とするため,履修に当たってはよく復習しておくこと.また,信号処理の関連する科目の内容にも留意しながら,授業と課題に取り組み効率よく学習を行って欲しい.
なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
(D− 2 設計系)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学の歴史と概要 自動制御の定義と種類を説明できる.
2週 制御系の数式表現と伝達関数 微分方程式を用いてシステムを表現できる.
3週 ラプラス変換とフーリエ変換 ラプラス変換の意味を理解することができる.
4週 伝達関数とブロック線図 伝達関数をもとにブロック線図を描くことができる.
5週 システムの過渡応答 解析のための入力信号 正弦波,インパルス,ステップ,ランプ入力の関係を説明出来る.
6週 1次遅れ系の過渡応答 1次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
7週 2次遅れ系の過渡応答
(AL レベル C)
2次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
(教室外学習)モデルの解析に関する演習
8週 システムの周波数応答 ラプラス変換によって周波数応答を求めることができる.
2ndQ
9週 ベクトル軌跡とボード線図 周波数応答をベクトル軌跡とボード線図で表すことができる.
10週 システムの安定性と特性方程式 システムの安定性について特性方程式に基づいて説明出来る.
11週 ゲイン余裕と位相余裕
ボード線図からシステムの安定性を判別できる.
12週 図的解法での安定判別法
(AL のレベル C)
ナイキスト線図からシステムの安定性を判別できる.
(教室外学習)システムの安定判別に関する演習
13週 フィードバック制御系の設計 フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる.
14週 PID制御の実装 PID制御系を考案できる.
15週 期末試験
16週 期末試験の解説 講義のまとめ
後期
3rdQ
1週 現代制御理論概説 現代制御理論概説を理解する。(教室外学修)現代制御理論の適用事例をまとめる
2週 状態方程式 状態方程式を理解する。(教室外学修)システムを状態方程式で表す
3週 古典制御と現代制御の関係(C) 古典制御と現代制御の関係を理解する。(教室外学修)状態方程式で表されるシステムの
伝達関数を求める
4週 状態方程式の解(C) 状態方程式の解を理解する。(教室外学修)状態方程式の解を求める例題を解く
5週 線形システムの安定性(C) 線形システムの安定性を理解する。(教室外学修)システムの安定性を求める例題を解く
6週 可制御性と可観測性(C) 可制御性と可観測性を理解する。(教室外学修)可制御性と可観測性を判定する
7週 状態フィードバック(1)(C) 状態フィードバックを理解する。(教室外学修)を理解する。(教室外学修)状態フィードバックについてまとめる
8週 状態フィードバック(2)(C) 状態フィードバックを理解する。(教室外学修)状態フィードバックの制御器の設計を行う
4thQ
9週 状態オブザーバ(1)(C) 状態オブザーバを理解する。(教室外学修)状態オブザーバについてまとめる
10週 状態オブザーバ(2)(C) 状態オブザーバを理解する。(教室外学修)状態オブザーバのオブザーバゲインを求める
11週 状態オブザーバを用いたフィードバック系の安定性(C) 状態オブザーバを用いたフィードバック系の安定性を理解する。(教室外学修)状態オブザーバを用いたフィードバック系の極配置を求める
12週 最適制御及び最適レギュレータ(C) 最適制御及び最適レギュレータを理解する。(教室外学修)最適レギュレータを求める
13週 最適サーボ系 最適サーボ系を理解する。(教室外学修)最適サーボ系についてまとめる
14週 最適ロバストサーボ系(C) 最適ロバストサーボ系を理解する。(教室外学修)最適ロバストサーボ系についての例題を解く
15週 期末試験 現代制御理論を理解する。
16週 期末試験の解答の解説・現代制御理論のまとめ 現代制御理論を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前2,後3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前3,後2
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4前4,前5
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4前11
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4前6,前7,前8
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4前9,前10,後11

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
得点7030100