日本史

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 日本史
科目番号 0022 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 君島和彦ほか『高校日本史B』(実教出版)、その他、授業内で配布するプリントをもとに授業を進める。
担当教員 稲垣 知子,小早川 裕悟

到達目標

1.日本史の基本文献(信頼できる情報)を理解するとともに、それらを探し出し、利用することができる。
2.歴史は資料に基づいて論理的・客観的に説明されていることを理解する。
3.歴史的事象には複数の解釈が成り立つことや、それらの解釈を成り立たせる根拠や論理を理解する。
4.資料を読み取ったり、複数の資料を比較して、共通性や相違性を考察することができる。
5.歴史事象を現代の問題とつなげて考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
到達目標1日本史で分からないことについて、日本史の基本文献を基に自分で調べ、答えを見つけることができる。日本史の基本文献を理解するとともに、それらを探し出し、利用する方法を理解している。日本史の基本文献やそれらを探し出し、利用する方法が分からない。
到達目標2歴史が資料に基づいて論理的・客観的に説明されていることを理解できる。歴史が資料に基づいて説明されていることは理解できる。歴史が資料に基づいて説明されていることがあまり理解できない。
到達目標3解釈を成り立たせる根拠や論理を理解した上で、自分はどう考えるかを説明できる。歴史的事象には複数の解釈が成り立つこと、及び解釈を成り立たせる根拠や論理を大まかに理解できる。歴史的事象には複数の解釈が成り立つこと、及び解釈を成り立たせる根拠や論理があまり理解できない。
到達目標4資料を読み取ったり、資料を比較して共通性や相違性、違いが生じた理由を考察することができる。資料を読み取ったり、資料を比較して共通性や相違性を見つけることができる。資料を読み取ったり、資料を比較して違いを見つけることができない。
到達目標5過去の出来事が現代の問題とつながっていることを、具体的な事例を用いて考えられる。過去の出来事が現代の問題にもつながっていることを理解できる。過去の出来事が現代の問題にもつながっていることを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学・高校の日本史の教科書の記述は、歴史学者たちの膨大な研究成果が要約されたものです。本講義では、まず、教科書に掲げられている質問が日本史の基本文献(通史)の中でどのように解説されているのかを具体的に見ていきます。歴史家たちが資料に基づき描いてきた豊かな歴史像や多彩な資料解釈に触れることで、暗記学習とは異なる歴史の面白さを知ってもらいたいと思います。後半は、歴史学習で大切とされる、時代を通して見る(通貫的にみる)という視点について見ていきます。古代から現代まで時代を通して見ることで、他の時代とは異なるその時代の特徴が浮き出てくることがあります。本授業では、通貫的な視点で見るとともに、なぜそのような特徴が表れたのか、その原因や理由についても理解を深めてもらいたいと思います。
<身につけたい力>
1 日本史の基本文献(信頼できる情報)を知り、それらを自分で探し出し、利用することができる。
2 資料を読み取ったり、複数の資料を比較して考察することができる。
3 歴史事象を現代の問題とつなげて考えることができる。
授業の進め方・方法:
主として講義形式で行います。授業の最後に、本時の重要点・疑問点等をコメント用紙に記載してもらい、理解を確かめます。基本文献の紹介の際には、図書館の利用法等も紹介する予定です。
注意点:
(A-1)100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 信頼できる情報とは何かを理解する。
2週 日本史の基本文献①[通史と各種事典] 日本史の基本文献を知る。
3週 日本史の基本文献②[目的に応じた文献の探し方と図書館の利用法] 目的に応じた文献の探し方と図書館の利用法(分類番号・配架場所・文献の探し方)について理解する。
4週 鉄砲とキリスト教が日本に与えた影響はなにか①[日本人とヨーロッパ人の出会い方の特徴] 世界史的な視点から、日本人とヨーロッパ人の出会い方の特徴を理解する。
5週 鉄砲とキリスト教が日本に与えた影響はなにか②[キリスト教] キリスト教が日本に与えた影響を理解する。
6週 鉄砲とキリスト教が日本に与えた影響はなにか③[鉄砲] 鉄砲が日本に与えた影響を理解する。
7週 信長はなぜ一向一揆と対決したのか 信長に敵対していた他の勢力と一向一揆の違いを理解する。
8週 秀吉はなぜ検地・刀狩をおこなったのか①[検地]  検地によって何が可能になったのかを理解する。
2ndQ
9週 秀吉はなぜ検地・刀狩をおこなったのか②[刀狩] 資料から刀狩の目的を読み取る。
10週 秀吉はなぜ朝鮮を侵略したのか①[秀吉の目的に対する見方の変化] 秀吉の朝鮮侵略が現代の問題にもつながっていることを知る。
11週 秀吉はなぜ朝鮮を侵略したのか②[現代の通説の見方] 秀吉の朝鮮侵略の目的について、現代の通説の捉え方を理解する。
12週 城郭建築にはどのような特徴があるのか①[戦闘・政治的側面] 中世と近世では城の役割がどのように変化するのかを理解する。
13週 城郭建築にはどのような特徴があるのか②[文化的側面] 文化の特徴にも政治や経済的側面が大きくかかわっていることを理解する。
14週 徳川氏は大名や朝廷をどのように統制したのか 徳川氏がただ力で大名たちを支配したわけではないことを理解する。
15週 幕藩体制とはどのような仕組みの社会か 江戸幕府の統治体制やシステムの特徴を他の時代や現代の諸外国の統治体制と比較しながら理解する。
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期の講義のねらい、授業の進め方について理解する。
2週 諸外国との関わりからみた日本の歴史 各時代の特徴と諸外国との関わり方について概観する。
3週 日本列島における国家形成 古代の日本は、制度・思想・文化をどこから学んだのかについて知る。
4週 古代国家の形成 なぜ、日本は唐から律令制を導入したのかを理解する。
5週 古代の文化と東アジアとの関わり~律令制の変容~ 天皇を中心とする中央集権国家はどのように変化したかを理解する。
6週 武家社会の成立~貴族と武士の二重政権~ 鎌倉幕府はどのようにして勢力を拡大していったのかを理解する。
7週 元寇と鎌倉幕府の滅亡 元寇は日本にどのような影響を与えたかについて理解する。
8週 室町幕府と東アジア 室町時代の日本は東アジア諸国とどのような関わりをもっていたかを理解する。
4thQ
9週 ヨーロッパ人の来航と全国統一 ヨーロッパ人との出会いによって日本社会はどのように変化したかについて理解する。
10週 幕藩体制の成立と鎖国 幕藩体制はどのような仕組みの社会かを理解する。
11週 欧米のアジア進出と日本の開国 開国は我が国にどのような影響を与えたかについて理解する。
12週 条約改正と大日本帝国憲法 近代の日本は、なぜ憲法を始めとする欧米の様々な制度を導入したのか、その理由を理解する。
13週 大日本帝国の崩壊 なぜ、大日本帝国は崩壊したのか、その理由を理解する。
14週 敗戦と現代日本の出発 占領で日本はどう変わったのかについて理解する。
15週 冷戦のはじまりと日本の経済成長 冷戦は日本にどのような影響を与えたかについて理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3

評価割合

試験コメントシート合計
総合評価割合0200200
前期0100100
後期0100100