ディジタル回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタル回路Ⅰ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 図解 ディジタル回路入門(中村次男著,日本理工出版会,2015.10)
担当教員 藤田 一彦

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①2進数表現,16進数表現,基数変換,2進数による演算を理解し説明できる
②真理値表,基本ゲート,論理回路記号,論理関数,ブール代数の諸定理などを理解し説明できる
③論理式の簡単化(論理圧縮法)を理解し説明できる
④組合せ論理回路の設計法を理解し説明できる

岐阜高専ディプロマポリシー:(D)基礎工学

ルーブリック

理想的な到達レベル(優)の目安標準的な到達レベル(良)の目安未到達レベル(不可)の目安
評価項目1ディジタル回路で使われる2進数体系、16進数体系について十分理解しており、基数変換などについて説明できる。各種の文字コード表について十分説明できる。基数変換に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。ディジタル回路で使われる2進数体系、16進数体系について理解し、基数変換ができる。各種の文字コード表について理解している。基数変換に関する問題をほぼ正確(7割以上)に解くことができる。ディジタル回路で使われる2進数体系、16進数体系についてよく理解していない。基数変換ができない。各種の文字コード表について理解していない。基数変換に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目2真理値表,基本ゲート,論理回路記号,論理関数,ブール代数の諸定理について十分理解しており、これらに関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。真理値表,基本ゲート,論理回路記号,論理関数,ブール代数の諸定理について理解しており、これらに関する問題をほぼ正確(7割以上)に解くことができる。真理値表,基本ゲート,論理回路記号,論理関数,ブール代数の諸定理についてよく理解しておらず、これらに関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目3論理式の簡単化(論理圧縮法)について十分理解しており、これに関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。論理式の簡単化(論理圧縮法)について理解しており、これに関する問題をほぼ正確(7割以上)に解くことができる。論理式の簡単化(論理圧縮法)についてよく理解しておらず、これに関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目4組合せ論理回路の設計法について十分理解しており、これに関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。組合せ論理回路の設計法について理解しており、これに関する問題をほぼ正確(7割以上)に解くことができる。組合せ論理回路の設計法についてよく理解しておらず、これに関する問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ディジタル回路で使われる2進数やブール代数の基礎を理解し、実際のディジタル回路で使用される基本論理素子を理解した上で、組合せ論理回路、順序論理回路を中心としたディジタル回路の構成や仕組み、更にはその設計法を習得する。本ディジタル回路Ⅰでは、ディジタル回路の基礎と、組合せ論理回路を中心に学習する。続く3年次のディジタル回路Ⅱで、順序論理回路を中心に学習する。
授業の進め方・方法:
教科書と板書を中心に行なうので,各自学習ノートを充実させること。演習問題を配布するので,この問題を解くことで理解を深める。配布する演習問題の解答をレポートにして提出すること。時間的な余裕がある場合には、ディジタル回路実験キットを使って,その回路構成を理解し,動作確認を行ってレポートにまとめるなどの作業を行う。
(事前準備の学習)特になし。(敢えて言えば、数学Aで学ぶ記数法、2進数、集合の概念などの復習をしておくこと。)
英語導入計画:Technical terms:専門用語の英語表記を教える。
注意点:
単に問題の解き方だけを覚え、テストができればよいと考えるのではなく、実際に使われているディジタル回路の機能や回路構成などの本質を理解するよう努力して欲しい。また、演習課題にも丁寧に取り組んで、ディジタル回路の理解を深めて欲しい。なお、成績評価には教室外学修(課題レポートなど)の内容も含まれる。“授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習、演習問題レポートに取り組むことが必須である。”

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ディジタル回路とは何か ディジタル回路とアナログ回路の違い、およびディジタル回路の特徴を理解する。
2週 ディジタル回路の数体系及び基数変換法
(ALのレベルC)
ディジタル回路で扱われる数体系(2進数、8進数、16進数)と基数変換法について理解する。
3週 情報交換用符号,ディジタル回路の基礎 (2進数の四則演算と負数表現)   (ALのレベルC) 2進数の四則演算と2進数で負数を表す補数表現について理解する。
4週 ブール代数と論理式,基本論理素子と真理値表
(ALのレベルC)
基本論理素子と真理値表及びブール代数による論理式表現について理解する。
5週 論理回路記号(MIL記号)による表現,論理式による表現(ALのレベルC) 論理式を、基本論理ゲート記号(MIL記号)によって表現することを理解する。
6週 真理値表と論理式表現1 (加法標準形:最小項形式)
(ALのレベルC)
真理値表から加法標準形(最小項形式)による論理式を導く手法を理解する。
7週 真理値表と論理式表現2 (乗法標準形:最大項形式)
(ALのレベルC)
真理値表から乗法標準形(最大項形式)による論理式を導く手法を理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 論理式とタイミングチャート
(ALのレベルC)
論理式で表現された回路に対して、入力信号を加えた時の出力信号を表したタイミングチャートについて理解する。
10週 ブール代数の諸定理とド・モルガンの定理
(ALのレベルC)
ブール代数の諸定理及び、正論理と負論理の関係を示すド・モルガンの定理を理解する。
11週 ブール代数の諸定理とそれを用いた論理式の簡単化
(ALのレベルC)
ブール代数の諸定理を用いて論理式を簡単化する手法を理解する。
12週 カルノー図による論理式の簡単化,ドントケアを用いた簡単化  (ALのレベルC) カルノー図の描き方、カルノー図を用いた論理式の簡単化の手法について理解する。
13週 ディジタル回路の設計法,ディジタル回路の実現
(ALのレベルC)
真理値表を書いて論理式を求め、簡単化することによりディジタル回路が設計できることを理解する。
14週 組合せ論理回路の基礎事項のまとめと演習
(ALのレベルC)
基本的な組合せ論理回路の仕様を与えてから、真理値表、論理式表現、論理式の簡単化を行う過程を通してディジタル回路を設計する手法を理解する。
15週 後期期末試験
16週 組合せ論理回路のまとめ 組合せ論理回路の設計とディジタル回路化に至るプロセスを理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。2

評価割合

中間試験(40%)期末試験(40%)小テスト・課題レポート(20%)合計
総合評価割合10010050250
得 点10010050250