材料の力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料の力学Ⅰ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「材料力学 (JSMEテキストシリーズ)」,日本機械学会著 および 「生産加工入門」,古閑 伸裕 共著,コロナ社
担当教員 栗山 嘉文

到達目標

①垂直応力とせん断力,ひずみの理解
②フックの法則および単位変換の理解
③機械加工の理解
④各種はりに働く力とモーメントの理解
⑤はりにおけるたわみの基礎式の理解

岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1公式を活用して垂直応力とせん断力,ひずみの応用問題が解ける.公式を用いて垂直応力とせん断力,ひずみの基礎的な計算が完璧にできる.公式を用いても垂直応力とせん断力,ひずみの基礎的な計算ができない.
評価項目2公式を活用してフックの法則および単位変換の応用問題が解ける.公式を用いてフックの法則および単位変換に関する基本的な計算が完璧にできる.公式を用いてもフックの法則および単位変換に関する計算ができない.
評価項目3機械加工に関する加工の正しい行い方を理解し,理論を説明できる. 機械加工に関する加工の正しい行い方を理解している.機械加工に関する正しい加工方法を理解していない.
評価項目4各種の支持はりに働くモーメントの応用問題を解くことができる.各種の支持はりに働くモーメントの基本問題が完璧にできる.各種の支持はりに働くモーメントの計算ができない.
評価項目5各種の支持はりのたわみとたわみ角の応用問題を解くことができる.各種の支持はりのたわみとたわみ角の基本問題が完璧にできる.各種の支持はりのたわみとたわみ角を解くことができる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械・構造物設計において,その基礎となる材料の強度計算に関する知識を習得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
授業では,基本が理解できるように身近な事項を取り上げ,精選した問題について丁寧に解説する.本講義を通して学んだ「材料の力学」が実社会の各種機械や構造物の強度計算の上でどのように活用できるかについて考え,問題意識を持ち,自主的,意欲的に演習問題を解き,問題解決能力を身に着けることを期待する
また,英語でのプレゼンテーションなどを想定し,授業資料は英語のスライドを用意,また授業中にもそれを用いて講義を行うが,説明は日本語で行う.
(事前準備の学習)物理A,物理BⅠの復習をしておくこと
英語導入計画:Documents(50%) ※だたし,興味のある者のみであり,指定場所よりダウンロードすること
注意点:
基礎式の導出過程および式の持つ物理的意味を理解することによって,材料力学の広範な分野への応用力を身に着けること.
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 応力,ひずみおよび単位(垂直応力,せん断応力) 垂直応力,せん断応力の基礎学習
2週 応力,ひずみおよび単位(単位変換) 単位変換の基礎や縦ひずみ,横ひずみ,剪断ひずみ,体積ひずみの理解
3週 フックの法則(縦弾性係数,横弾性係数,体積弾性係数,ポアソン比) フックの法則や弾性係数およびポアソン比の理解
4週 フックの法則(縦弾性係数,横弾性係数,体積弾性係数,ポアソン比) 引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形をに関する問題を解ける様にする
5週 応用問題 これまでに学習した式を用いて応用問題を解けるようにする
6週 塑性加工 塑性加工の基本原理の理解
LMSを用いた課題を解く
7週 まとめ(ALのレベルC) 複合問題の実施
8週 中間試験 中間試験の実施
2ndQ
9週 試験問題解説と切削加工 中間試験の理解と切削加工の理解
LMSを用いた課題を解く
10週 切削・砥粒加工 切削・砥粒加工の理解
LMSを用いた課題を解く
11週 組合わせ構造物 組合わせ構造物の基礎問題を解けるようにする
12週 自重による伸び 自重が掛った場合の伸びの基礎問題を解けるようにする
13週 一様変化断面棒 断面が変化する場合の伸びの基礎問題を解けるようにする
14週 まとめ(ALのレベルC) 複合問題の実施
15週 期末テスト試験 前期後半までの内容をテスト
16週 期末試験問題返却,模範解答の提示,達成度評価などを実施 期末試験問題の解説
後期
3rdQ
1週 片持はりの断面に働く力とモーメント(自由端と中間に集中荷重) 集中加重が働いた場合の片持ちはりにおけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
2週 片持はりの断面に働く力とモーメント(分布荷重) 分布加重が働いた場合の片持ちはりにおけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
3週 単純はり,突き出しはり,外モーメントの場合(集中荷重) 集中加重が働いた場合の単純はりにおけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
4週 単純はり,突き出しはり,外モーメントの場合(集中荷重) 集中加重が働いた場合の単純はりにおけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
5週 単純はり,突き出しはり,外モーメントの場合(分布荷重) 分布加重が働いた場合の単純はりにおけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
6週 単純はり,突き出しはり,外モーメントの場合(分布荷重) 分布加重が働いた場合の突き出しはり等におけるせん断力および曲げモーメントのグラフの作成
7週 まとめ(ALのレベルC) 複合問題の実施
8週 中間試験 中間試験の実施
4thQ
9週 試験問題解説 たわみの基礎式 たわみの基礎式の理解
10週 たわみの基礎式(片持ちはりに集中荷重) 片持ちはりに集中荷重が働いた場合のたわみ計算
11週 たわみの基礎式(片持ちはりに分布荷重) 片持ちはりに分布荷重が働いた場合のたわみ計算
12週 たわみの基礎式(単純はりに集中荷重) 単純はりに集中荷重が働いた場合のたわみ計算
13週 たわみの基礎式(単純はりに分布荷重) 単純はりに分布荷重が働いた場合のたわみ計算
14週 まとめ(ALのレベルC) 複合問題の実施
15週 期末テスト試験 後期後半までの内容の理解度をテスト
16週 機械的性質について 第4学年で学ぶ材料の機械的性質についてまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前3
応力とひずみを説明できる。3前1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3前3,前4
許容応力と安全率を説明できる。3前5
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。3前2
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3前3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3後1,後2
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3後3,後4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3後5,後6,後7
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3後9
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3後10,後11,後12,後13
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前1
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前2
材料機械材料に求められる性質を説明できる。2後15
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。2後15
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3後15
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。2後15
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。2後15
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。2後15
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。2後15

評価割合

前期中間試験前期期末試験後期中間試験後期期末試験課題合計
総合評価割合2020202020100
得点2020202020100