電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気磁気学 [第 2 版・新装版] (安達三郎・大貫繁雄共著、森北出版),演習 電気磁気学 [新装版] (大貫繁雄・安達三郎共著、森北出版)
担当教員 福永 哲也

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①磁界、磁束、ガウスの法則の理解
②ビオ・サバールの法則の理解
③アンペアの周回積分の法則の理解
④ファラデーの電磁誘導の法則の理解
⑤インダクタンス及びその計算法の理解
⑥マックスウェルの方程式の理解
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)専門分野

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確(8 割以上)に解くことができる。磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目2ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目3アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目4ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目5インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目6マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学年時の静電界に続き、磁界および電磁界に関係した現象を物理学を通して理解し、電気磁気学がどのように電気工学、電子工学などに役立っているかを学修する。本授業により、電磁気学の基礎方程式の導出過程および式の持つ物理的意味を理解し、電気電子工学、制御工学、電子デバイスなどの広範な分野への応用力を養成する。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に行なうので、各自学習ノートを充実させること。また、章末問題および演習書の問題を使って演習を行なう。授業後に演習問題のレポートを課すので、授業内容をよく復習してからレポート作成に取組むこと。
(事前準備の学習)電気磁気学Ⅰの復習、応用数学B(ベクトル解析)の学習をしておくこと。
英語導入計画:Technical terms:専門用語の英語表記を教える。
注意点:
電気磁気学は、電気磁気に関する物理現象を扱うため、その考え方をイメージできるようにすることが大事である。そこで起こる現象を数式を用いて記述しているので、ただ単に公式を使って解が得られればよいというのではない。その本質が理解できるよう、演習問題を丁寧に解くなど努力してほしい。電気磁気学に興味を持った人は、更にレベルの高い書物を読んだり、調べたりして学習してほしい。
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習、演習問題レポートに取り組むことが必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第3学年(電気)のまとめと第4学年(磁気現象)の導入 これまでの電気現象についてまとめる。また,磁気現象について理解する。
2週 磁界
(ALのレベルC)
定常電流が作り出す磁界Hについて理解する。
3週 電流による磁界と磁束 定常電流が作り出す磁界Hと磁束、磁束密度Bについて理解する。
4週 ビオ・サバールの法則Ⅰ ビオ・サバールの法則を理解する。
5週 ビオ・サバールの法則Ⅱ
(ALのレベルC)
ビオ・サバールの法則を使って、磁束密度Bを計算する方法を理解する。
6週 アンペアの周回積分の法則Ⅰ アンペアの周回積分の法則を理解する。
7週 アンペアの周回積分の法則Ⅱ
(ALのレベルC)
アンペアの法則を使って、磁束密度Bを計算する方法を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 電磁力(ローレンツ力)Ⅰ 磁場中を移動する荷電粒子に働くローレンツ力を理解する。
10週 電磁力(ローレンツ力)Ⅱ
(ALのレベルC)
ローレンツ力を計算により求める方法を理解する。
11週 物質の磁気的性質,磁化の強さと磁化電流 物質の磁気的性質、磁化の強さと磁化電流、磁気双極子モーメントについて理解する。
12週 磁界の強さと透磁率 磁界の強さHと透磁率μの関係を理解する。
13週 磁気回路
(ALのレベルC)
電気回路とのアナロジーにより磁気回路の方法を理解し、磁気回路設計に役立つことを理解する。
14週 強磁性体の磁化と磁気ヒステリシス 強磁性体の磁化の過程、磁化の大きさ、磁気ヒステリシスの関係を理解する。
15週 磁石と磁極
(ALのレベルC)
磁石と磁極に関する理解と、磁束密度Bに関するガウスの法則を理解する。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 ファラデーの法則Ⅰ ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。
2週 ファラデーの法則Ⅱ
(ALのレベルC)
ファラデーの電磁誘導の法則を応用して、誘導電場や誘導起電力を計算する方法を理解する。
3週 渦電流と表皮効果 渦電流の発生機構と金属の表皮効果について理解する。
4週 自己誘導と自己インダクタンス 自己誘導と自己インダクタンスについて理解する。
5週 相互誘導と相互インダクタンス 相互誘導と自己インダクタンスについて理解する。
6週 インダクタンスの計算
(ALのレベルC)
インダクタンスの計算方法について理解する。
7週 磁界のエネルギー 磁界の持つエネルギーについて理解する。磁界のエネルギー密度とマックスウェルの応力の関係を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 変位電流 変位電流に関する定義と変位電流がもたらす物理現象、マックスウェル・アンペールの法則について理解する。
10週 マックスウェルの方程式Ⅰ 電磁気学の法則が、マックスウェルの方程式(積分形)に集約されることを理解する。
11週 マックスウェルの方程式Ⅱ
(ALのレベルC)
マックスウェルの方程式(積分形)をベクトル解析の定理を使って微分形に導く過程を理解する。
12週 電磁波 マックスウェルの方程式を連立させることから、電界Eと磁界Hに関する波動方程式の導出過程を理解する。波動方程式を解くと、電磁波が導かれることを理解する。
13週 平面電磁波 波動方程式の解の一つである平面電磁波について理解する。
14週 ポインティングベクトル
(ALのレベルC)
電磁波の持つ運動量やエネルギーを表すポインティングベクトルについて理解する。
15週 期末試験
16週 電気磁気学の総まとめ 電磁気学の総まとめとして、マクスウェル方程式の重要性を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3

評価割合

中間試験(40%)期末試験(40%)小テスト(10%)課題レポート(10%)合計
総合評価割合2002005050500
得点2002005050500