制御工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 樋口 龍雄, 自動制御理論 (新装版), 森北出版株式会社, 2019.
担当教員 遠藤 登,黒山 喬允

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
① 力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)を理解する.
② ラプラス変換の諸定理と,ラプラス変換を用いる微分方程式の解法を理解する.
③ ブロック線図によるシステムの表現を理解する.
④ 過渡応答特性,周波数特性について理解し,相互の関係について説明出来る.
⑤ 定常偏差と,比例・微分・積分制御の特性について理解する.
⑥ システムの安定判別を行うことができる.
⑦ PID補償器を設計できる.

岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1授業で示したものとは異なる力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができる.授業中に示した力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができる.授業中に示した力学系,電気系の微分方程式による表現(数式モデル化)に関する問題を解くことができない.
2授業で示したものとは異なる微分方程式をラプラス変換を利用して解法する問題を解くことができる.授業中に示した微分方程式をラプラス変換を利用して解法する問題をに解くことができる.授業中に示した微分方程式をラプラス変換を利用して解法する問題をに解くことができない.
3授業で示したものとは異なるシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムのブロック線図による表現,ブロック線図の等価変換に関する問題を解くことができない.
4授業で示したものとは異なる過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができる.授業中に示した過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができる.授業中に示した過渡応答特性,周波数特性に関する問題を解くことができない.
5授業で示したものとは異なる比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができる.授業中に示した比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができる.授業中に示した比例・微分・積分制御に関する問題を解くことができない.
6授業で示したものとは異なるシステムの安定度に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムの安定度に関する問題を解くことができる.授業中に示したシステムの安定度に関する問題を解くことができない.
7授業で示したものとは異なるPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができる.授業中に示したPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができる.授業中に示したPID補償器を設計する簡単な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
制御工学の基礎として,1入力1出力の線形なシステムについて理解し,制御の考え方を修得することが目標である.様々な系を数理的に捉え,特性を把握し,またこれを望ましい状態に制御する手法について理解できるようになることを期待する.
授業の進め方・方法:
制御工学ではラプラス変換を主とする数学を駆使し,系を抽象的に捉えるためその応用の裾野は広いが,初学者には取り付きにくい部分がある.このため,実際のシステムや簡単なモデルを示しながら,制御系の解析手法について例題を多く交えて説明する.

英語導入計画:Technical terms
注意点:
内容をよく理解するためには,機械系(機械運動学Iなど)や電気系(電気回路Iなど)の知識を必要とするため,履修に当たってはよく復習しておくこと.また,応用数学Bなどの科目との関連にも留意しながら,授業と課題に取り組み効率よく学習を行って欲しい.
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる.また課題には小テストが含まれる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御系の数式表現 微分方程式を用いてシステムを表現できる.
2週 フーリエ変換の導入 1 フーリエ級数展開の意味を説明することができる.
3週 フーリエ変換の導入 2 フーリエ変換の意味を説明することができる.
4週 ラプラス変換の導入 1 ラプラス変換の意味を説明することができる.
5週 ラプラス変換の導入 2 ラプラス変換の諸定理を導出することができる.
6週 ラプラス変換による線形微分方程式の解法
ラプラス逆変換を用いて線形微分方程式を解くことができる.
7週 ブロック線図と伝達関数 1
伝達関数をもとにブロック線図を描くことができる.ブロック線図の等価変換によってシステムの伝達関数を求めることができる.
8週 ブロック線図と伝達関数 2
(ALレベルC)
伝達関数をもとにブロック線図を描くことができる.ブロック線図の等価変換によってシステムの伝達関数を求めることができる.
(教室外学習)ブロック線図に関する演習
2ndQ
9週 システムの過渡応答 解析のための入力信号 正弦波,インパルス,ステップ,ランプ入力の関係を説明出来る.
10週 1次遅れ系の過渡応答 1 1次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
11週 1次遅れ系の過渡応答 2
(AL レベル C)
1次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
12週 2次遅れ系の過渡応答 1
2次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
13週 2次遅れ系の過渡応答 2
(AL レベル C)
2次遅れ系のインパルス応答とステップ応答を求めることができる.
(教室外学習) 時間応答に関する演習
14週 Q値 Q値の物理的意味を説明できる.
15週 前期のまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 システムの周波数応答
(AL のレベル C)
ラプラス変換によって周波数応答を求めることができる.
(教室外学習)システムの解析に関するレポート
2週 ベクトル軌跡とボード線図 周波数応答をベクトル軌跡とボード線図で表すことができる.
3週 基本要素の周波数応答 基本的な要素の周波数応答を求めることができる.
4週 様々な要素の周波数応答 2次遅れ系の周波数応答を求めることができる.
5週 システムの安定性と特性方程式 システムの安定性について特性方程式に基づいて説明出来る.
6週 特性方程式の係数での安定判別法 特性方程式の係数からシステムの安定性を判別できる.
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
図的解法での安定判別法
(AL のレベル C)
ナイキスト線図からシステムの安定性を判別できる.
(教室外学習)システムの安定判別に関する演習
4thQ
9週 ゲイン余裕と位相余裕 ボード線図からシステムの安定性を判別できる.
10週 フィードバック制御系の閉ループ定常特性 制御系の定常特性について説明できる.
11週 閉ループ過渡特性と極配置 極と応答の関係を説明できる.
12週 PID制御の基本構成 PID制御の概念と構成要素を説明できる.
13週 PID制御系の設計 PID制御系を考案できる.
14週 PIDパラメータのチューニング PID制御系のパラメータを設定することができる.
15週 期末試験の解説 講義のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。2前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3前1,前11
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3前3,前4,前5,前6
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3前6,前7
伝達関数を説明できる。3前9
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3前10,前11
制御系の過渡特性について説明できる。3前12,前13,前14
制御系の定常特性について説明できる。3前13,前14,後11
制御系の周波数特性について説明できる。3後1
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3後5,後6,後7

評価割合

試験課題合計
総合評価割合14060200
前期期末7030100
後期期末7030100