電子デバイスⅠ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子デバイスⅠ
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 絵から学ぶ半導体デバイス工学 (谷口研二・宇野重康著、朝倉書店、2018.1.20)
担当教員 藤田 一彦

到達目標

以下の項目を目標とする。
①半導体の基礎となる電子物性について理解・説明ができる
②半導体のエネルギーバンド、半導体中のキャリアの伝導機構を理解・説明ができる
③半導体デバイスの基礎となるPN 接合に関する特性について理解・説明ができる
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)専門分野

ルーブリック

理想的な到達レベル(優)の目安標準的な到達レベル(良)の目安未到達レベル(不可)の目安
評価項目1半導体の基礎となる電子物性について理解し、電子物性の基礎に関する問題を8割以上解くことができる。半導体の基礎となる電子物性について理解し、電子物性の基礎に関する問題を7割以上解くことができる。半導体の基礎となる電子物性についてよく理解していない。電子物性の基礎に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目2半導体のエネルギーバンド、半導体中のキャリアの伝導機構について理解し、その項目の問題を8割以上解くことができる。半導体のエネルギーバンド、半導体中のキャリアの伝導機構について理解し、その項目の問題を7割以上解くことができる。半導体のエネルギーバンド、半導体中のキャリアの伝導機構についてよく理解していない。その項目の問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目3半導体デバイスの基礎となるPN 接合に関する特性について理解し、PN 接合に関する問題を8割以上解くことができる。半導体デバイスの基礎となるPN 接合に関する特性について理解し、PN 接合に関する問題を7割以上解くことができる。半導体デバイスの基礎となるPN 接合に関する特性についてよく理解していない。PN 接合に関する問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
IoTやAI, ビッグデータの活用が叫ばれる21世紀の高度情報化社会は、マイクロプロセッサと半導体メモリ等の集積回路がハードウェアの根幹をなし、多くの情報が伝送され、その上で各種プログラムが膨大な情報を処理することにより成り立っている。これまで学んできた電気・電子関連科目の知識を基に、エネルギーバンドの概念を導入して半導体物性を学ぶとともに、集積回路の基礎となる半導体デバイスの動作原理を学習し、電子回路設計や半導体工学に応用する基礎知識を習得する。
※実務との関係
この科目は、企業にて光学測定や物性測定技術の研究開発を行ってきた教員が、その経験を活かし、半導体の物性やそれを利用したデバイスについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と配布プリント、板書を中心に行う。配布する演習問題は宿題にするので、授業の復習を兼ねて必ず自分で解いて期日(2週間後)までに提出すること。
(事前準備の学習)電気磁気学Ⅰ、電気磁気学Ⅱの復習をしておくこと。
英語導入計画:Technical terms:専門用語の英語表記を教える。
注意点:
各自学習ノートを充実させること。また指定された学内ファイルサーバ(LMS)に講義資料や演習課題を置くので参考にすること。なお、成績評価には教室外学修(課題レポートなど)の内容も含まれる。
“授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習、演習問題レポートに取り組むことが必須である。”

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体とは何か 半導体の基礎を理解する
(授業外学習・事前)教科書1章の1予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習(約3時間)
2週 半導体の物性の基礎Ⅰ(光の粒子性と波動性) 光の性質について理解する
(授業外学習・事前)配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
3週 半導体の物性の基礎Ⅱ(電子とその性質)
(ALのレベルC)
電子とその性質について理解する
(授業外学習・事前)配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
4週 半導体の物性の基礎Ⅲ(水素スペクトルと原子構造) 水素スペクトルと原子構造について理解する
(授業外学習・事前)配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
5週 半導体の物性の基礎Ⅳ(結晶構造)
(ALのレベルC)
各種結晶構造について理解する
(授業外学習・事前)配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
6週 半導体の物性の基礎Ⅴ(エネルギーバンド) エネルギーバンドについて理解する
(授業外学習・事前)教科書1章の1復習と配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
7週 半導体の物性の基礎ⅤI(エネルギーバンド)
(ALのレベルC)
エネルギーバンド構造について理解する
(授業外学習・事前)配布資料の予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
8週 中間試験
(半導体の物性の基礎のまとめ)
(授業外学習・事前)半導体物性の基礎に関する演習・試験勉強(約4時間)
2ndQ
9週 シリコン基板中における電子輸送Ⅰ シリコン基板中の電子の移動について理解する
(授業外学習・事前)教科書1章の2(前半)予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
10週 シリコン基板中における電子輸送Ⅱ
(ALのレベルC)
シリコン基板中の電子輸送について理解する
(授業外学習・事前)教科書1章の2(後半)予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
11週 PN接合とは何か PN接合について理解する
(授業外学習・事前)教科書2章の1(前半)予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
12週 PN接合の電流電圧特性Ⅰ PN接合の電流電圧特性について理解する
(授業外学習・事前)教科書2章の1(後半)予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
13週 PN接合の電流電圧特性Ⅱ
(ALのレベルC)
PN接合の電流電圧特性について理解する
(授業外学習・事前)教科書2章の2(前半)予習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
14週 PN接合の電気容量と破壊現象 PN接合の電気容量、破壊現象について理解する
(授業外学習・事前)教科書2章の2(後半)(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の復習、課題問題を解く(約3時間)
15週 期末試験
16週 PN接合のまとめ PN接合に関する技術について理解する
(授業外学習・事前)教科書2章の総復習(約1時間)
(授業外学習・事後)配布資料の総復習、課題問題を解く(約3時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2

評価割合

中間試験(40%)期末試験(40%)課題レポート(20%)合計
総合評価割合10010050250
得点(学年)10010050250