到達目標
以下の各項目を到達目標とする.
① 計算機における数の表現とその演算および演算回路について理解する.
② 計算機の基本構成とオペレーティングシステムの役割を理解する.
③ 計算機の各種アーキテクチャについて理解する.
④ 計算機のメモリについて理解する.
⑤ 計算機のハードウェアとソフトウェアの関係について理解する.
⑥ 計算機の高速化手法について理解する.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1 | 計算機における数の表現とそ の演算方法を説明し計算できる. | 計算機における数の表現とその演 算方法を説明できる。 | 計算機における数の表現とその演 算方法を理解できない。 |
2 | 計算機の基本構成とオペレーティングシステムの役割を説明し既存のコンピュータシステムについて構成を理解できる. | 計算機の基本構成とオペレーティングシステムの役割を説明できる. | 計算機の基本構成とオペレーティングシステムの役割を説明できない. |
3 | 命令セットアーキテクチャを説明しコンピュータの実問題に適用できる。 | 命令セットアーキテクチャを説明できる。 | 命令セットアーキテクチャが説明できない。 |
4 | 演算アーキテクチャを説明し演算を行うことができる。 | 演算アーキテクチャを説明できる。 | 演算アーキテクチャを説明できない。 |
5 | 制御アーキテクチャを説明しコンピュータの動作を理解できる。 | 制御アーキテクチャを説明できる。 | 制御アーキテクチャを説明できない。 |
6 | メモリアーキテクチャを説明しコンピュータの動作を理解できる。 | メモリアーキテクチャを説明できる。 | メモリアーキテクチャを説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
4年次にまでに学んだ電子・情報系科目を基礎として主にハードウェアの観点から計算機の基本的な構成を学ぶ.単純な論理回路を組み合わせていくことで,計算機を実現できることを理解することが目標である.
※実務との関係
・この科目は、コンピュータ関連企業でハードウエア開発を担当していた教員が、その実務経験を活かし、コンピュータ装置の設計などについて必要な知識の授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
計算機に関する基礎知識について講義するとともに,机上でのアーキテクチャ設計実習等を適宜行う.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
ディジタル回路や C 言語の知識を前提として授業を進める.特に,ブール代数や論理回 路はよく復習し,習熟しておくこと.ディジタル計算機の基本である 2 進数と論理回路についてよく理解し,複雑な 計算機がこれらによって実現されていることを理解してほしい.
なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる.
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
計算機の歴史と基本構成
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アナログ計算機とディジタル計算機の違いを説明出来る.また、計算機の基本構成とオペレーティングシステムの役割を説明出来る. (授業外学習・事前)計算機の役割について教科書を予習しておく(約2時間) (授業外学習・事後)計算機の歴史などについて教科書をよむ(約2時間)
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2週 |
計算機とプログラミング
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プログラムがどのように実行されるか説明出来る. (授業外学習・事前)計算機の歴史などにおける階差法について復習しておく(約2時間) (授業外学習・事後)プログラミングについてまとめる(設計課題準備)(約2時間)
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3週 |
命令セットアーキテクチャ・ハーバードアーキテクチャ・CISCとRISC
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命令セットアーキテクチャの概念を説明出来る. (授業外学習・事前)プログラミングについて復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)プログラミングについてまとめる(設計課題準備)(約3時間)
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4週 |
命令セットアーキテクチャの設計 (AL レベル C) |
命令セットの設計が出来る. (授業外学習・事前)計算器における命令セットについて復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)命令セットアーキテクチャについてまとめる(設計課題準備)(約3時間)
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5週 |
演算アーキテクチャと算術論理演算装置の設計 (AL レベル C) |
演算アーキテクチャの概念を説明出来る. (授業外学習・事前)基本的な回路の動作について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)演算回路についてまとめる(設計課題準備)(約3時間)
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6週 |
制御アーキテクチャと命令デコーダの設計1 (AL レベル C) |
制御アーキテクチャの概念を説明出来る. (授業外学習・事前)演算回路について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)CPU設計と命令セット表作成方法についてレポートにまとめ提出する(約3時間)
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7週 |
制御アーキテクチャと命令デコーダの設計2 (AL レベル C) |
データベースの概念を説明し、データベースにアクセスできる. (授業外学習・事前)設計するCPUについて命令セット表をまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)基本となる計算機についてExcelでの設計課題に取り組み提出する(約3時間)
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8週 |
中間のまとめ |
ここまでのまとめとして計算機の基本構造を説明出来る. (授業外学習・事前)計算機の基本構造復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)中間試験について間違いを直して提出する(約3時間)
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4thQ |
9週 |
メモリアーキテクチャ |
メモリアーキテクチャを説明できる. (授業外学習・事前)中間試験の自分の解答について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)メモリの種類と特徴ついてレポートにまとめ提出する(約3時間)
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10週 |
割り込みアーキテクチャ |
割り込みの用途や仕組みについて説明できる. (授業外学習・事前)メモリの動作について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)割り込み使用機器についてレポートにまとめ提出する(約3時間)
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11週 |
現代の計算機・高性能計算機の基礎1 |
高性能計算機の必要性について説明できる. (授業外学習・事前)割り込みの動作について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)キャッシュメモリや仮想メモリについてレポートにまとめる(約3時間)
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12週 |
現代の計算機・高性能計算機の基礎2 |
高性能計算機の必要性について説明できる. (授業外学習・事前)キャッシュメモリの動作について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)キャッシュメモリや仮想メモリについてレポートにまとめに提出する(約3時間)
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13週 |
パイプライン・ベクトル計算・並列処理 |
高性能計算機を実現する手法について説明できる. (授業外学習・事前)計算機の高性能化の方法について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)パイプライン処理に対するレポートについて提出する(約3時間)
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14週 |
コンピュータアーキテクチャ |
コンピュータアーキテクチャとはどのようなものか説明できる. (授業外学習・事前)これまでの様々な手法について復習しておく(約1時間) (授業外学習・事後)期末試験に向けてコンピュータアーキテクチャについて再復習する(約3時間)
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の解説 計算機の実際 |
コンピュータについての全体のまとめ (授業外学習・事前)コンピュータの動作方法全般について再復習する(約4時間)
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 後3 |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 後3 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | 後7 |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 2 | 後7 |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 2 | 後2 |
その他の学習内容 | データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | 後12 |
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。 | 3 | 後13 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 20 | 120 |
得点 | 100 | 20 | 120 |