情報応用工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報応用工学
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ネットワーク工学(村上泰司、森北出版,2014)
担当教員 遠藤 登

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
① ディジタル/アナログ通信が理解できる.
② 情報通信システムの階層構造が理解できる.
③ TCP/IPが理解できる.
④ ネットワークセキュリティが理解できる.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)および(E)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ディジタル/アナログ通信を理解し、各種変調方式の特徴を8割以上の正確さで説明できる。ディジタル/アナログ通信の基礎を6割以上の正確さで説明できる。ディジタル/アナログ通信を理解できていない。
評価項目2通信の階層化の必要性を理解し、各階層の役割を8割以上の正確さで説明できる。通信の階層化について6割以上の正確さで説明できる。通信の階層化が理解できていない。
評価項目3TCP/IPのプロトコルについて通信階層ごとに分類し、通信経路によりどのような処理が行われているか8割以上の正確さで説明できる。TCP/IPで利用されるプロトコルについて6割以上の正確さで説明できる。TCP/IPで利用されるプロトコルについて理解していない。
評価項目4セキュリティインシデントの分類ができ、個々のインシデントに対し8割以上の正確さで正しく対応できる。ネットワークセキュリティの重要性を理解し、基本的なセキュリティ対策について6割以上の正確さで説明できる。ネットワークセキュリティの重要性を理化していない。または基本的なセキュリティ対策を実行できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
WebやE-mailなど、いまやコンピュータネットワークは日常的に利用する技術となっている。情報伝送工学では、ディジタル通信ネットワークの基礎技術を学び、原理・仕組みを理解する。
授業の進め方・方法:
授業では、ディジタル通信ネットワークの原理面を中心に解説することにより、基礎技術の理解が深まるよう努める。
(事前準備の学習)計測工学,情報処理,電子回路,数学等の復習をしておくこと
英語導入計画:Technical terms
注意点:
板書やプリントを中心に授業が進むので、各自学習ノートを充実させること。授業を理解する上で、計測工学,情報処理,電子回路等の基礎知識が必要である。
”授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である”

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報通信ネットワークの概要と通信の基礎1(アナログ通信,デジタル通信) 各種変調方式について通信の基礎を理解する。
(授業外学習・事前)計測工学などAD変換に関する復習(約2時間)
(授業外学習・事後)アナログ通信,デジタル通信に関するLMSの課題を解く(約2時間)
2週 通信の基礎2(同期,ノイズ対策,ファイバーケーブル) 同期方式,各種伝送媒体のノイズ対策の基礎を理解する。
(授業外学習・事前)アナログ通信,デジタル通信に関する復習(約2時間)
(授業外学習・事後)同期,ノイズ対策,ファイバーケーブル関するLMSの課題を解く(約2時間)
3週 ネットワークトポロジーと通信の階層構造 ネットワークトポロジーの違いを理解し,通信プロトコルの概要と通信の階層構造について理解する。
(授業外学習・事前)各種デジタル通信の違いについて復習(約2時間)
(授業外学習・事後)ネットワークトポロジー,プロトコルと階層化,OSI参照モデルに関するLMSの課題を解く(約2時間)
4週 OSI参照モデルの各層における役割とEthernetモデル 代表的な階層構造であるOSI参照モデルの詳細について理解し,物理層での通信の詳細について理解する。
(授業外学習・事前)OSI参照モデル各層でのサービスに関する復習(約2時間)
(授業外学習・事後)OSI参照モデルの各層における役割とEthernetモデルに関するLMSの課題を解く(約2時間)
5週 Ethernet以外のネットワークおよびネットワークの接続 Ethernet以外の通信形態について理解し,それらで利用される通信制御方式について理解する。
(授業外学習・事前)OSI参照モデルの各層における役割について復習(約2時間)
(授業外学習・事後)各種通信方式に関するLMSの課題を解く(約2時間)
6週 無線通信
(ALのレベル:C)
電波の性質と,無線LANを中心とした無線通信の概要を理解する
(授業外学習・事前)各種通信方式についての復習(約2時間)
(授業外学習・事後)無線通信に関するLMSの課題を解く(約2時間)
7週 Fast Etherなど有線通信の高速化
(ALのレベル:C)
Ethernetの発展について理解し,高速化のための各種手法について理解する。
(授業外学習・事前)無線通信についての復習(約2時間)
(授業外学習・事後)高速有線通信に関するLMSの課題を解く(約2時間)
8週 スイッチングハブとその機能
(ALのレベル:C)
スイッチングハブによるVLANやSTPについて理解する
(授業外学習・事前)高速有線通信に関する復習(約2時間)
(授業外学習・事後)STPを用いた木構造の生成に関するLMSの課題を解く(約2時間)
2ndQ
9週 ネットワーク層1(IPアドレス体系)
(ALのレベル:C)
IPアドレス体系について理解する。
(授業外学習・事前)スイッチングハブについての復習(約2時間)
(授業外学習・事後)IPアドレスに関するLMSの課題を解く(約2時間)
10週 ネットワーク層2(IPルーティング、ARP) と広域ネットワーク技術
(ALのレベル:C)
IPアドレスとMACアドレスの関係について理解し、IPルーティングの役割を掴む。
(授業外学習・事前)IPアドレスについて復習(約2時間)
(授業外学習・事後)IPルーティングに関するLMSの課題を解く(約2時間)
11週 トランスポート層 TCPを中心としたトランスポート層の役割を理解する。
(授業外学習・事前)IPアドレスおよびIPルーティングの復習(約2時間)
(授業外学習・事後)輻輳制御などのトランスポート層に関するLMSの課題を解く(約2時間)
12週 アプリケーション層 DNS, SMTP, HTTPなどのアプリケーション層の動作を理解する。
(授業外学習・事前)トランスポート層についての復習(約2時間)
(授業外学習・事後)アプリケーション層のプロトコルに関するLMSの課題を解く(約2時間)
13週 ネットワークセキュリティ(共通鍵暗号、公開鍵暗号、認証)
(ALのレベル:C)
ネットワークセキュリティの基礎について理解する。
(授業外学習・事前)アプリケーション層についての復習
(授業外学習・事後)セキュリティに関するLMSの課題を解く(約2時間)
14週 ネットワーク解析と待ち行列モデル
(ALのレベル:C)
待ち行列モデルを使ったネットワークの解析法について理解する。
(授業外学習・事前)セキュリティについての復習(約2時間)
(授業外学習・事後)待ち行列モデルに関するLMSの課題を解く(約2時間)
15週 講義のまとめ 期末試験の内容を理解し,講義の内容をまとめる
(授業外学習・事前)期末試験の内容の復習(約2時間)
(授業外学習・事後)講義全体の復習(約2時間)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3
インターネットの概念を説明できる。3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2
無線通信の仕組みと規格について説明できる。3
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3
基本的なルーティング技術について説明できる。3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。3
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。3
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。3
基本的な暗号化技術について説明できる。2
基本的なアクセス制御技術について説明できる。2
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合10050150
得点10050150