電気磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気磁気学Ⅰ
科目番号 0193 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 専門基礎ライブラリー 電磁気学(金原 監修,梶谷 剛,濱島 高太郎,塚田 啓二,杉本 秀彦共著,実教出版,2013.8)
担当教員 福永 哲也

到達目標

電磁界に関係した各種現象の自然科学的な理解とそれを工学に応用するための方法を修得する。本授業により,基礎方程式の導出過程および式の持つ物理的意味を理解し,電気電子工学,制御工学などの広範な分野への
応用力を養成する。具体的には以下の項目を目標とする。

①電荷間に働くクーロンの法則の理解
②電界に関するガウスの法則の理解
③電界と電束の概念の理解
④電位の概念および電位の計算方法の理解
⑤導体と誘電体の概念の理解
⑥静電界における電界のエネルギーと力の関係の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電荷間に働くクーロンの法則に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。電荷間に働くクーロンの法則に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。電荷間に働くクーロンの法則に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目2電界に関するガウスの法則に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。電界に関するガウスの法則に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。電界に関するガウスの法則に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目3電界と電束に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。電界と電束に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。電界と電束に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目4電位の概念および電位の計算方法に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。電位の概念および電位の計算方法に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。電位の概念および電位の計算方法に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目5導体と誘電体に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。導体と誘電体に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。導体と誘電体に関する問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目6静電界における電界のエネルギーと力に関する問題を正確(8割以上)に解くことができる。静電界における電界のエネルギーと力に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。静電界における電界のエネルギーと力に関する問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁界に関係した各種現象の自然科学的な理解とそれを工学に応用するための方法を修得する。本授業により,基礎方程式の導出過程および式の持つ物理的意味を理解し,電気電子工学,制御工学などの広範な分野への応用力を養成する。
授業の進め方・方法:
授業は,教科書と板書,配布資料を中心に行なうので,各自学習ノートを充実させること。また,ドリル問題および演習問題を使って演習を行なう。授業後に演習問題のレポートを課すので,授業内容をよく復習してからレポート作成に取組むこと。演習問題のレポートは期日までに提出すること。
注意点:
演習問題を使って演習を行なう。授業後に演習問題を次回授業までに解いておくよういうので,授業内容をよく復習してから演習問題に取組むこと。
学習・教育目標: (D-4)100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁気学とは何か,電荷・電圧・電流,電磁気学が取り扱うデバイス 電磁気学の基本的登場物(電荷等)について,それが何かを理解する.
2週 電気抵抗,オームの法則,ジュールの法則,直流回路 直流での電磁気学の基本的法則を理解する.
3週 キルヒホッフの法則,直流回路に関する演習 直流回路を解くための,キルヒホッフの法則について理解する.
4週 クーロンの法則,電界と電気力線,クーロンの法則に関する演習 静電界における力の発生源としてのクーロンの法則について理解する.
5週 電気力線とガウスの法則,ガウスの法則の数学的表現 電界を表す電気力線とガウスの法則の基礎を理解する.
6週 電気力線とガウスの法則の応用,電界に関する演習 ガウスの法則の利用方法を理解する.
7週 電気力線と電位,等電位面と電位の傾き,電位と電界に関する演習(ALのレベルC) 電位(電圧)の計算方法とその応用を理解する.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 帯電体の電荷分布と電界,電位と電界に関する演習 帯電体における電荷の分布と電位およびその周りの電界の特徴を理解する.
10週 電界の中の導体と静電容量,静電容量に関する演習 電界中の導体の振る舞いを理解し,各種静電容量の計算方法を理解する.
11週 静電界の計算Ⅰ(電気双極子,電気二重層) 電気双極子と電気二重層の仕組みを理解する.
12週 静電界の計算Ⅱ(電気影像法) 電気影像法の利用方法を理解する.
13週 導体系(電位係数,容量係数) 導体系における電位と電荷の計算方法を理解する.
14週 静電界,電位に関する数学的表現と演習(ALのレベルC) 静電界と電位に関する問題の解き方を理解する.
15週 前期期末試験
16週 静電界における総合演習 静電界のまとめとして,各種静電界の仕組みと計算方法を理解する.
後期
3rdQ
1週 誘電体と誘電分極,誘電率,電束密度 誘電体とは何かを理解し,その中での電界などについての振る舞いを理解する.
2週 誘電体と誘電分極,誘電率,電束密度に関する演習 誘電率と電束の考え方を理解する.
3週 誘電体境界面上での境界条件,電束密度に関するガウスの法則 誘電体境界におけるガウスの法則を理解する.
4週 コンデンサ回路,コンデンサの接続,コンデンサに関する演習 コンデンサの仕組みと計算方法を理解する.
5週 コンデンサに関する演習 コンデンサの各種計算を理解する.
6週 静電エネルギーと力,仮想変位による力 静電エネルギーと仮想変位による計算方法を理解する.
7週 静電エネルギーと力に関する演習(ALのレベルC) 静電エネルギーと力について理解する.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 磁界と電流,磁力線 電流と磁力線について理解する.
10週 磁界と磁束密度,磁力線と磁束線 磁界と磁束密度について理解する.
11週 様々な電流が作る磁界の計算 電流が作る磁界について理解する.
12週 アンペールの法則とその数学的表現 アンペールの法則について理解する.
13週 アンペールの法則の応用 アンペールの法則を応用した問題の解き方を理解する.
14週 ビオ・サヴァールの法則と磁界の計算(ALのレベルC) ビオ・サバールの法則につして理解する.
15週 電流が作る磁界に関する演習 磁界の問題とその計算方法を理解する.
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3

評価割合

試験小テスト課題レポート合計
総合評価割合801010100
得点801010100
0000