モノづくりの過程で,対象物を正しく認識し理解するための測定という観点から,計測の原理・方法,実験データの精度,実験データの解析法などについての知識の習得する.具体的には以下の項目を目標とする.①計測の基礎知識について理解する。②データの誤差・統計的性質について理解する。③データの解析方法について理解する。④各種計測機器の構造や測定原理,測定方法を理解する。⑤信号の計測法について理解する。⑥信号の処理方法について理解する。
概要:
モノづくりの過程で,対象物を正しく認識し理解するための測定という観点から,計測の原理・方法,実験データの精度,実験データの解析法などについての知識の習得する.
授業の進め方・方法:
教科書および配布資料を用いた講義を基本として,演習,レポートを随時実施する.講義の内容で理解できなかった個所を学生自身で復習できるように,演習問題の自宅学習課題を与え,レポートを提出させる.
注意点:
講義の内容で理解できなかった個所を学生自身で復習できるように,演習問題の自宅学習課題を与え,レポートを提出させる.なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる.
学習・教育目標 :(D-3 計測・制御系)100%
JABEE 基準1(1):(d)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
計測工学の概要とデータ処理のための表計算基礎(ALのレベルC) |
計測工学の基礎的原理と,授業で利用する表計算ソフトの基本的仕組みを理解する.(教室外学修)表計算ソフト(Excel)の基本的使用法演習
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2週 |
単位と標準 |
単位系の基礎を学ぶ.また,さまざまな単位標準と単位の組立を理解する.(教室外学修)各種単位の組み立てについて演習
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3週 |
測定の誤差と精度1(誤差) |
誤差とは何かを理解する.また,正規分布の仕組みを理解する.(教室外学修)誤差についての演習問題(Excel)
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4週 |
測定の誤差と精度2(誤差の統計的性質1) |
誤差が正規分布になる理由や有効桁の仕組みを理解する.(教室外学修)正規分布の性質に関する演習問題(Excel)
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5週 |
測定の誤差と精度3(誤差の統計的性質2)(ALのレベルC) |
誤差の性質や誤差の合成方法を理解する.(教室外学修)正規分布誤差に関する演習問題(Excel)
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6週 |
最小二乗法 |
実験データの解析において重要な,最小二乗法の原理と利用法を理解する.(教室外学修)最小二乗法に関する演習問題(Excel)
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7週 |
最小二乗法演習(ALのレベルC) |
実験データの解析方法と考察の進め方を理解する.(教室外学修)最小二乗法に関する演習問題(Excel)
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
データの補間 |
実験データの解析方法を理解する.(教室外学修)データの補間に関する演習問題(Excel)
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10週 |
データの補間演習(ALのレベルC) |
実験データに対する考察の進め方を理解する.(教室外学修)データの補間に関する演習問題(Excel)
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11週 |
回帰分析と相関 |
数多くのデータを分析する方法を理解する.(教室外学修)回帰分析と相関に関する演習問題(Excel)
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12週 |
回帰分析と相関演習(ALのレベルC) |
実験データの関わりを理解する.(教室外学修)回帰分析と相関に関する演習問題(Excel)
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13週 |
分散分析 |
検定の仕組みを理解する.(教室外学修)分散分析に関する演習問題(Excel)
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14週 |
分散分析演習(ALのレベルC) |
検定の方法を理解する.(教室外学修)分散分析に関する演習問題(Excel)
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15週 |
前期のまとめ |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
機械的測定1(長さ、角度、面) |
実験で使用する計測機器の特性などを理解する.(教室外学修)機械的測定に関して、具体的な測定法に関するレポート作成
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2週 |
機械的測定2(質量、力、圧力、流速、温度、材料硬さ等) |
計測方法と計測機器を理解する.(教室外学修)械的測定に関して、具体的な測定法に関するレポート作成
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3週 |
センサとセンシング1(センサの概略、空間量の計測) |
計測機器の仕組みを理解する.(教室外学修)センサとセンシングに関して、具体的な応用例に関するレポート作成
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4週 |
センサとセンシング2(力の計測、温湿度とガスの計測) |
計測機器の仕組みを理解する.(教室外学修)センサとセンシングに関して、具体的な応用例に関するレポート作成
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5週 |
センサとセンシング3(光と音の計測、磁界の計測) |
光や音,磁界を利用した計測機器の仕組みを理解する.(教室外学修)センサとセンシングに関して、具体的な応用例に関するレポート作成
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6週 |
信号の計測法1(アナログ前処理、ブリッジ回路) |
計測に使用する回路を理解する.(教室外学修)オペアンプ利用法に関するレポート作成
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7週 |
信号の計測法2(フィルタ) |
計測に使用するフィルタを理解する.(教室外学修)フィルタに関する演習問題
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
信号の計測法3(フィルタ) |
計測に使用するフィルタの利用法を理解する.(教室外学修)アクティブフィルタに関する演習問題
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10週 |
信号の計測法4(ノイズ対策、ADコンバータ) |
計測信号のノイズ対策とコンピュータへ入力するためのADコンバータの働きを理解する.(教室外学修)ノイズ対策、AD コンバータに関する演習問題
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11週 |
信号の処理1(サンプリング、アベレージングとスムージング)(ALのレベルC) |
得られたデータの仕組みとアベレージングやスムージングによる処理方法を理解する.(教室外学修)アベレージングとスムージングに関する演習問題(Excel)
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12週 |
信号の処理2(相関関数) |
データの相関関数の働きを理解する.(教室外学修)相関関数に関する演習問題(Excel)
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13週 |
信号の処理3(周波数領域における信号解析) (ALのレベルC) |
データを周波数領域で解析する方法を理解する.(教室外学修)フーリエ解析の基礎に関する演習問題(Excel)
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14週 |
信号の処理4(FFT)(ALのレベルB) |
データのFFTでの処理法を理解する.(教室外学修)フーリエ解析に関する応用問題(Excel)
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15週 |
後期のまとめ |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 4 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 4 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 4 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 2 | |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 3 | |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 3 | |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 3 | |
電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 2 | |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 2 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 2 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 2 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 2 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 3 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 2 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 3 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 3 | |
情報系分野 | その他の学習内容 | ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 1 | |
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 1 | |