電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0224 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 電気磁気学 [第 2 版] (安達三郎・大貫繁雄共著、森北出版)
担当教員 藤田 一彦

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①磁界、磁束、ガウスの法則の理解。
②ビオ・サバールの法則の理解。
③アンペアの周回積分の法則の理解。
④ファラデーの電磁誘導の法則の理解。
⑤インダクタンス及びその計算法の理解。
⑥マックスウェルの方程式の理解。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確(8 割以上)に解くことができる。磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。磁界、磁束、ガウスの法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。ビオ・サバールの法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。アンペアの周回積分の法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。ファラデーの電磁誘導の法則に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。インダクタンス及びその計算法に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確(8割以上)に解くことができる。マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる。マックスウェルの方程式に関する問題をほぼ正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学年時の静電界に続き、磁界および電磁界に関係した現象を物理学を通して理解し、電気磁気学がどのように電気工学、電子工学などに役立っているかを学修する。本授業により、電磁気学の基礎方程式の導出過程および式の持つ物理的意味を理解し、電気電子工学、制御工学などの広範な分野への応用力を養成する。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に行なうので、各自学習ノートを充実させること。また、章末問題および演習書の問題を使って演習を行なう。授業後に演習問題のレポートを課すので、授業内容をよく復習してからレポート作成に取組むこと。
注意点:
電気磁気学は、電気磁気に関する物理現象を扱うため、その考え方をイメージできるようにすることが大事である。そこで起こる現象を数式を用いて記述しているので、ただ単に公式を使って解が得られればよいというのではない。その本質が理解できるよう、演習問題を丁寧に解くなど努力してほしい。電気磁気学に興味を持った人は、更にレベルの高い書物を読んだり、調べたりして学習してほしい。なお、成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標:(D-4)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 定常電流 定常電流について理解する。定常電流場について理解する。
(教室外学修)オームの法則に関する演習
2週 磁界
(ALのレベルC)
定常電流が作り出す磁界Hについて理解する。
(教室外学修)磁界と磁束に関する演習
3週 電流による磁界と磁束 定常電流が作り出す磁界Hと磁束、磁束密度Bについて理解する。
(教室外学修)電流による磁界に関する演習
4週 ビオ・サバールの法則Ⅰ ビオ・サバールの法則を理解する。
(教室外学修)ビオ・サバールの法則に関する演習
5週 ビオ・サバールの法則Ⅱ
(ALのレベルC)
ビオ・サバールの法則を使って、磁束密度Bを計算する方法を理解する。
(教室外学修)ビオ・サバールの法則に関する演習
6週 アンペアの周回積分の法則Ⅰ アンペアの周回積分の法則を理解する。
(教室外学修)アンペアの周回積分の法則に関する演習
7週 アンペアの周回積分の法則Ⅱ
(ALのレベルC)
アンペアの法則を使って、磁束密度Bを計算する方法を理解する。
(教室外学修)アンペアの周回積分の法則の応用に 関する演習
8週 中間試験
2ndQ
9週 電磁力(ローレンツ力)Ⅰ 磁場中を移動する荷電粒子に働くローレンツ力を理解する。
(教室外学修)ローレンツ力に関する演習
10週 電磁力(ローレンツ力)Ⅱ
(ALのレベルC)
ローレンツ力を計算により求める方法を理解する。
(教室外学修)ローレンツ力に関する演習
11週 物質の磁気的性質,磁化の強さと磁化電流 物質の磁気的性質、磁化の強さと磁化電流について理解する。
(教室外学修)磁化と透磁率に関する演習
12週 磁界の強さと透磁率 磁界の強さHと透磁率μの関係を理解する。
(教室外学修)磁化と透磁率に関する演習
13週 磁気回路
(ALのレベルC)
磁気回路の方法を理解し、磁気回路設計に役立つことを理解する。
(教室外学修)磁気回路に関する演習
14週 強磁性体の磁化 強磁性体の磁化の過程、磁化の大きさ、磁気ヒステリシスの関係を理解する。
(教室外学修)物質の磁気現象に関する演習
15週 磁石と磁極
(ALのレベルC)
磁石と磁極に関する理解と、磁束密度Bに関するガウスの法則を理解する。
(教室外学修)磁極、強磁性体に関する演習
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 ファラデーの法則Ⅰ ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。(教室外学修)ファラデーの電磁誘導の法則に関する演習
2週 ファラデーの法則Ⅱ
(ALのレベルC)
ファラデーの電磁誘導の法則を応用して、誘導電場や誘導起電力を計算する方法を理解する。
(教室外学修)ファラデーの電磁誘導の法則に関する演習
3週 渦電流と表皮効果 渦電流の発生機構と金属の表皮効果について理解する。
(教室外学修)渦電流に関する演習
4週 自己誘導と自己インダクタンス 自己誘導と自己インダクタンスについて理解する。
(教室外学修)自己インダクタンスに関する演習
5週 相互誘導と相互インダクタンス 相互誘導と自己インダクタンスについて理解する。(教室外学修)相互インダクタンスに関する演習
6週 インダクタンスの計算
(ALのレベルC)
インダクタンスの計算方法について理解する。
(教室外学修)インダクタンスの計算に関する演習
7週 磁界のエネルギー 磁界の持つエネルギーについて理解する。磁界のエネルギー密度とマックスウェルの応力の関係を理解する。
(教室外学修)磁界のエネルギーに関する演習
8週 中間試験
4thQ
9週 変位電流 変位電流に関する定義と変位電流がもたらす物理現象、マクスウェル・アンペールの法則について理解する。
(教室外学修)変位電流と電束、マックスウェル・アンペールの法則に関する演習
10週 マックスウェルの方程式Ⅰ 電磁気学の法則が、マックスウェルの方程式(積分形)に集約されることを理解する。
(教室外学修)マックスウェル方程式の導出に関する演習
11週 マックスウェルの方程式Ⅱ
(ALのレベルC)
マックスウェルの方程式(積分形)をベクトル解析の定理を使って微分形に導く過程を理解する。
(教室外学修)マックスウェル方程式に関する演習
12週 電磁波 マックスウェルの方程式を解くと、電界Eと磁界Hに関する波動方程式の導出過程を理解する。波動方程式を解くと、電磁波が導かれることを理解する。
(教室外学修)電磁波の導出に関する演習
13週 平面電磁波 波動方程式の解の一つである平面電磁波について理解する。
(教室外学修)電磁波に関する演習
14週 ポインティングベクトル
(ALのレベルC)
電磁波の持つ運動量やエネルギーを表すポインティングベクトルについて理解する。
(教室外学修)ポインティングベクトルに関する演習
15週 期末試験
16週 電気磁気学の総まとめ 電磁気学の総まとめとして、マクスウェル方程式の重要性を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。3
磁気エネルギーを説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験小テストレポート合計
総合評価割合2002004060500
得点2002004060500