情報伝送工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 情報伝送工学
科目番号 0239 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 ネットワーク工学(村上泰司、森北出版,2014)
担当教員 遠藤 登

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
① ディジタル/アナログ通信が理解できる.
② 情報通信システムの階層構造が理解できる.
③ TCP/IPが理解できる.
④ ネットワークセキュリティが理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ディジタル/アナログ通信を理解し、各種変調方式の特徴を説明できる。ディジタル/アナログ通信の基礎を理解している。ディジタル/アナログ通信を理解できていない。
評価項目2通信の階層化の必要性を理解し、各階層の役割を正確に説明できる。通信の階層化について理解している。通信の階層化が理解できていない。
評価項目3TCP/IPのプロトコルについて通信階層ごとに分類し、通信経路によりどのような処理が行われているか説明できる。TCP/IPで利用されるプロトコルについて理解している。TCP/IPで利用されるプロトコルについて理解していない。
評価項目4セキュリティインシデントの分類ができ、個々のインシデントに対し対応を検討できる。ネットワークセキュリティの重要性を理解し、基本的なセキュリティ対策を実行できる。ネットワークセキュリティの重要性を理化していない。または基本的なセキュリティ対策を実行できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
WebやE-mailなど、いまやコンピュータネットワークは日常的に利用する技術となっている。情報伝送工学では、ディジタル通信ネットワークの基礎技術を学び、原理・仕組みを理解する。
授業の進め方・方法:
授業では、ディジタル通信ネットワークの原理面を中心に解説することにより、基礎技術の理解が深まるよう努める。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
板書やプリントを中心に授業が進むので、各自学習ノートを充実させること。授業を理解する上で、情報処理、電子回路の基礎知識が必要である。
学習・教育目標:(D-2 情報・論理系)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報通信ネットワークの概要と通信の基礎1(アナログ通信) アナログ通信の基礎を理解する。(教室外学修)アナログ通信に関する演習
2週 通信の基礎2(ディジタル通信) ディジタル通信の基礎を理解する。(教室外学修)ディジタル通信に関する演習
3週 階層構造とOSI参照モデル ネットワークの階層構造とOSI参照モデルを理解する。(教室外学修)アナログ、ディジタル通信に関する演習
4週 データリンク層1(HDLC手順)(ALのレベル:C) データリンク層の基礎について理解する。(教室外学修)通信手順に関する演習
5週 データリンク層2(LAN①=MAC層、CSMA/CDの仕組み) LANの基礎について理解する。(教室外学修)通信手順に関する演習
6週 データリンク層3(LAN②=MACアドレス、コリジョン・ドメイン) LANにおける通信手順を理解する。(教室外学修)通信手順に関する演習
7週 データリンク層4(LAN③=ブリッジ、ブロードキャスト・ドメイン、トークンリング) LAN内のデータの中継について理解する。(教室外学修)通信手順に関する演習
8週 中間試験
2ndQ
9週 インターネット、TCP/IP インターネットの基礎について理解する。(教室外学修)ネットワークコマンドの使い方に関する演習
10週 ネットワーク層1(IP,ルータ、IPアドレス、サブネット) IPアドレス体系について理解する。(教室外学修)IPアドレスに関する演習
11週 ネットワーク層2(IPルーティング、ARP) (ALのレベル:C) IPアドレスとMACアドレスの関係について理解し、IPルーティングの役割を掴む。(教室外学修)IPルーティングに関する演習
12週 トランスポート層(ポート、UDP、TCP) TCPを中心としたトランスポート層の役割を理解する。(教室外学修)輻輳制御などのトランスポート層に関する演習
13週 アプリケーション層(DNS、SMTP、HTTP) DNS, SMTP, HTTPなどのアプリケーション層の動作を理解する。(教室外学修)アプリケーション層のプロトコルに関する演習
14週 ネットワークセキュリティ(共通鍵暗号、公開鍵暗号、認証)(ALのレベル:C) ネットワークセキュリティの基礎について理解する。(教室外学修)セキュリティに関する演習
15週 講義のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3
インターネットの概念を説明できる。3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2
無線通信の仕組みと規格について説明できる。3
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3
基本的なルーティング技術について説明できる。3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。3
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。2
基本的な暗号化技術について説明できる。2
基本的なアクセス制御技術について説明できる。2
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。2
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。2

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合2000200
得点20030~50200