材料学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料学
科目番号 0241 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 機械材料学(第2版)(平川賢爾,遠藤正浩,駒崎慎一,松永久生,山辺純一郎 共著,朝倉書店,2018.10.25)
担当教員 藤田 一彦

到達目標

材料の種類として,原子間の結合の違いから大きく分けて,金属,セラミックス,高分子と分類される。また,材料を使いこなすためには,材料の作り方,材料の構造・組織,材料の性質,材料の性能,効率などの要素がある。
本授業では,材料の種類,構造・組織,性質,性能に主眼をおいて,工学材料一般に関する幅広い知見を養うことを目指す。
具体的には以下の各項目を到達目標とする。

①原子構造及び原子間の結合、物質の結晶構造を理解できる
②金属材料の機械的特性を理解できる
③金属材料の平衡状態図の理解,金属強化法の理解,金属の破壊現象の理解ができる
④セラミック材料の種類とその特性を理解できる
⑤高分子材料の種類とその特性を理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目2金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的な問題を正確(8割以上)に解くことができる。金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目3金属材料の状態図,金属強化法,破壊に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。金属材料の状態図,金属強化法,破壊に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。金属材料の状態図,金属強化法,破壊に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目4セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
評価項目5高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料のの種類として、原子間の結合の違いから大きく分けて、金属材料、セラミックス材料、高分子材料と分類される。また、材料を使いこなすためには、材料の作り方、材料の構造、組織、材料の性質、材料の性能、効率などの要素がある。材料学の授業では、材料の種類、構造、組織、性質、性能に主眼をおいて、工学材料、中でも機械材料一般に関する幅広い知見を養うことができる。
授業の進め方・方法:
この授業では,各種の工業材料に関する基礎的事項を広く取り扱う。授業中に各種の材料に関する調査課題,演習課題を出すので,インターネットや参考文献等を活用して,よく調べてからレポートにまとめて提出すること。応用物理や応用化学,材料科学などに関する基本的な知識が要求される。
注意点:
材料学は、機械工学の中で使われる各種の材料について学ぶことを主眼とする幅の広い学問のため、授業の中だけで全てのことを学ぶことは難しい。この授業では、材料科学の基礎事項と、各種の材料に関する知識・知見として理解しておくことの要点を学ぶに過ぎないので、材料学に興味を持った人は、更に多くの専門書を読んだり、調べたりして学習して欲しい。なお、成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標:(D-2 材料・バイオ系)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第 1 回:材料工学とは何か 工業材料としての金属材料、セラミックス材料、高分子材料、複合材料に関してその違いを理解する。
(教室外学修)4つの工業材料に関する調査・演習
2週 第 2 回:原子構造と化学結合 原子構造と化学結合の種類・特徴について理解する。
(教室外学修)原子構造と化学結合に関する調査・演習
3週 第 3 回:金属の結晶構造
(ALのレベルC)
金属の材料の特徴と結晶構造について理解する。
(教室外学修)金属材料の結晶構造に関する調査・演習
4週 第 4 回:金属の結晶構造Ⅱ
(ALのレベルC)
金属材料の結晶構造について理解する。
(教室外学修)金属材料の機械的強度に関する調査・演習
5週 第 5 回:結晶欠陥と拡散 金属材料の結晶欠陥と拡散について理解する。
(教室外学修)金属材料の結晶欠陥と拡散に関する調査・演習
6週 第 6 回:平衡状態図 金属材料の平衡状態図(全率固溶型)の基礎を理解する。
(教室外学修)平衡状態図に関する調査・演習
7週 第 7 回:金属の強化法
(ALのレベルC)
金属材料の強化方法の基礎を理解する。
(教室外学修)金属材料の強化方法に関する調査・演習
8週 第 8 回:中間試験
4thQ
9週 第 9 回:鉄鋼材料の種類と組織状態
(ALのレベルC)
鉄鋼材料の状態図と組織に関して基礎を理解する。
(教室外学修)鉄鋼材料の状態図に関する調査・演習
10週 第10回:鉄鋼材料の製造法・構造用鋼 鉄鋼材料の製造・構造用鋼に関して基礎を理解する。
(教室外学修)鉄鋼材料の製造に関する調査・演習
11週 第11回:非鉄金属材料(アルミニウム,銅,鉛,スズ,亜鉛,ニッケル) 非鉄金属材料(アルミニウム,銅,鉛,スズ,亜鉛,ニッケル)に関して理解する。(教室外学修)非鉄金属の基礎及び特性に関する調査・演習
12週 第12回:金属の機械的性質 材料の機械的性質に関して理解する。
(教室外学修)材料の機械的性質に関する演習
13週 第13回:金属の破壊と対策
(ALのレベルC)
金属材料の破壊に関する基礎および破壊現象に対する対策について理解する。
(教室外学修)金属材料の破壊現象の種類および破壊に対する対策方法について調査する。
14週 第14回:セラミックス系材料の基礎および特性
(ALのレベルC)
セラミックス系材料の基礎および特性について理解する。
(教室外学修)セラミックス系材料の基礎及び特性に関する調査・演習
15週 期末試験
16週 第15回:高分子材料の基礎および特性 高分子材料の基礎および特性について理解する。
(教室外学修)高分子材料の基礎および特性に関する調査・演習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。2
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。2
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3
金属と合金の結晶構造を説明できる。2
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。2
合金の状態図の見方を説明できる。2
塑性変形の起り方を説明できる。2
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。2
鉄鋼の製法を説明できる。1
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。1
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。1

評価割合

中間試験期末試験課題レポート合計
総合評価割合10010050250
 得点10010050250
(評価割合)(40%)(40%)(20%)0