工学基礎研究Ⅲ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工学基礎研究Ⅲ
科目番号 0244 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「大学の学びガイド 社会人・技術者倫理入門」(比屋根均,理工図書,2018年)を教科書として用いるが、毎回プリントも配布する。
担当教員 森口 博文,D科 教員

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①問題をより正しく理解するために必要なことについて理解している
② 倫理的な感じ方・考え方を理解し、倫理的に振る舞うために必要なことを理解している
③技術者の、技術の不確実性やリスクへの対処方法を理解している
④組織的な活動の中で考慮すべきことを理解し、問題を倫理的に解決する方法を理解している
⑤現代社会から技術業務を託された者への期待を感受し、倫理的に振る舞うために必要なことを理解している
⑥時々のチームでその一員として自らの特徴を生かしながら貢献することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1試行錯誤がどのようなものかを理解し,問題状況を理解し解決する上で三現主義・5ゲン主義の重要性を理解し,問題解決に取組む意欲がある。試行錯誤がどのようなものかを理解し,問題状況を理解し解決する上で三現主義・6ゲン主義の重要性を理解している。与えられた技術的な問題を、学校での問題と同じように解いて回答を提出するのが技術者・社会人にとっての問題解決だと考えている。
評価項目2人や組織・判断や行為・結果と影響・手続きの面から倫理性を評価し,倫理的な判断ができ倫理的行為を案出することができる。人や組織・判断や行為・結果と影響・手続きの面から倫理性を評価すべきことを理解している。人や組織・判断や行為・結果と影響・手続きの面から総合的に倫理性を判断できず,一面的な倫理判断を良しとする。
評価項目3技術的営みが本質的に不確実性をまぬかれない試行錯誤であることを理解し,失敗最小・実害最小にする行動を理解し考案することができる。安全技術の発展の成果を理解している,もしくは失敗最小・実害最小にする行動の方法を理解している。技術的営みは徹底的に正しく検討すれば不確実性をなくせるものと理解している。
評価項目4組織活動は各メンバーが主体的に参画するものであることを理解し,社会と組織との間,互いの間に発生する問題への適切な解決行動を考案することができる。組織活動は各メンバーが主体的に参画するものであることを理解し,組織の中でも自己の主体性を維持することの大切さを理解している。組織と自己の主体性とのバランスを理解できず,組織に自己を埋没させたり,自己を組織の上に位置付けたりすることの非倫理性を理解できない。
評価項目5技術者や自らの立場に対して現代社会が求めることを感受することができ,困難に対しても勇気をもって行動する気概の大切さを理解している。技術者や自らの立場に対して現代社会が求めることを感受することの大切さを理解し,困難に対しても勇気をもって行動する気概の大切さを理解している。倫理的な行動は時代や社会が変化しても不変であり,自らの良心に従って誠実に判断し行動してさえいれば倫理的だと考えてる。
評価項目6グループワークの中でその目的に対して自らを有効に機能させることができる。グループワークに参画することができる。グループワークに参画したり有効な貢献ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は、企業で設計・開発・品質管理に、技術士として倫理教育等に携わっている教員が、その経験を活かし、技術者の仕事のあり方や倫理について多面的に授業を行うものである。職業人や技術者として生きていくために大切なこと、倫理的に行動する上で大切なことを理解するとともに、実際にグループ討論等によって、意見の異なる人とも協働できるようになり、学んだことを自分の意見に消化し身につける。
※実務との関係
この科目は、企業で設計・開発・品質管理に、技術士として倫理教育等に携わっている教員が、その経験を活かし、「技術者の仕事のあり方や倫理について多面的に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
社会人は、大きなテーマがある仕事でも、決まった作業のような仕事でも、毎日新たな問題が発生し、考え教わりながら対処することで、様々なことを学び身につけていく。この科目でも毎回、座学だけでなく何らかの作業を行い身につけていくとともに、その成果で評価する。また、社会人が現実に出会う倫理問題は答えが1つに定まらず、考え方や価値観、能力、置かれた状況によって答えが違ってくる。グループ討論でも小レポートでも、まず自分で考えるのは当然として、異なる意見にも耳を傾けて理解しようとして欲しい。そうすることで、社会人としてのコミュニケーション力や多様な人々と関わり合える柔軟性が身に付くだろう。想像力と集中力を積極的に発揮してもらいたい。
注意点:
社会人は、大きなテーマがある仕事でも、決まった作業のような仕事でも、毎日新たな問題が発生し、考え教わりながら対処することで、様々なことを学び身につけていく。この科目でも毎回、座学だけでなく何らかの作業を行い身につけていくとともに、その成果で評価する。また、社会人が現実に出会う倫理問題は答えが1つに定まらず、考え方や価値観、能力、置かれた状況によって答えが違ってくる。グループ討論でも小レポートでも、まず自分で考えるのは当然として、異なる意見にも耳を傾けて理解しようとして欲しい。そうすることで、社会人としてのコミュニケーション力や多様な人々と関わり合える柔軟性が身に付くだろう。想像力と集中力を積極的に発揮してもらいたい。
学習・教育目標(A-2)100%
JABEE基準1(1):(b)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 仕事のやり甲斐[第1章,3.1,4.1,
10.1](ALレベルのC)
仕事をすることの意味が理解できる。
2週 「わかる」と「理解する・できる」の違い[第3章](ALレベルのB) 三現主義によって事実を確認することの大切さが理解できる。
3週 仕事の誠実さの基準[4.4,第2章]
(ALレベルのA)
達成すべき基準の考え方が理解できる。仕事に必要な能力の全体像が理解できる。
4週 安全という価値[7.1,7.2,8.1,8.2]
(ALレベルのB)
安全の定義について理解できる。危険予知ができる。
5週 安全の理論1[7.3,7.4]
(ALレベルのB)
危害発生のメカニズムが理解でき、3ステップメソッドを適用できる。
6週 安全の理論2[8.3]
(ALレベルのB)
危険検出型システムが理解でき、安全確認型システムを構築できる。
7週 技術知の戦略[第9章]
(ALレベルのC)
計画の大切さが理解できる。失敗を最小とし実害を最小とし、その上で反省が大切なことが理解できる。
8週 技術のマイナスの側面と倫理[4.2,4.3,5.1~5.3]
(ALレベルのB)
技術が及ぼすマイナスの影響について理解できる。黄金律などの基本的な倫理が理解できる。
2ndQ
9週 法と倫理[第6章,5.4,5,5]
(ALレベルのA)
規範や手続き、同意を得ることの大切さが理解できる。
10週 組織生活の基本倫理[第10章]
(ALレベルのA)
組織に積極的に繋がりを持つ報連相の大切さが理解できる。
11週 ジレンマと問題分析[第11章]
(ALレベルのA)
倫理的価値の相反に対して問題分析することの大切さを理解できる。
12週 組織における説得[第12章]
(ALレベルのA)
事実の説得と価値の3つの説得を適用できる。
13週 現代社会が直面する問題への視点[第13章](ALレベルのC) これまでの考え方に修正を迫られていること、新たな問題に気づくことの大切さを理解できる。
14週 情報の価値、高度情報化社会における倫理[第14章](ALレベルのA) 個人情報の大切さが理解できる。社会の多様性と人権の大切さが理解できる。
15週 信託される者の倫理[第15章](ALレベルのC) 倫理綱領が理解できる。勇気をもって生きていくことの大切さを理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000