電子計算機Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子計算機Ⅰ
科目番号 0249 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 図解コンピュータアーキテクチャ入門 第2版(堀圭太郎著,森北出版,2011.11)
担当教員 黒山 喬允

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
① 計算機における数の表現とその演算について理解する.
② 計算機に用いられる論理回路について理解する.
③ 命令セットアーキテクチャについて理解する.
④ メインメモリ,キャッシュメモリなどに よって構成されるメモリヒエラルキーに ついて理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1計算機における数の表現とそ の演算に関する問題を正確(8 割以上)に解くことができる.計算機における数の表現とその演 算に関する問題をほぼ正確(6 割以 上)に解くことができる.計算機における数の表現とその演 算に関する問題を解くことができない.
2命令セットアーキテクチャに 関する問題を正確(8 割以上)に 解くことができる.命令セットアーキテクチャに関す る問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.命令セットアーキテクチャに関す る問題を解くことができない.
3演算アーキテクチャに関する 問題を正確(8 割以上)に解くこ とができる.演算アーキテクチャに関する問題 をほぼ正確(6 割以上)に解くこと ができる.演算アーキテクチャに関する問題 を解くことができない.
4制御アーキテクチャに関する 問題を正確(8 割以上)に解くこ とができる.制御アーキテクチャに関する問題 をほぼ正確(6 割以上)に解くこと ができる.制御アーキテクチャに関する問題 を解くことができない.
5メモリアーキテクチャに関す る問題を正確(8 割以上)に解く ことができる.メモリアーキテクチャに関する問 題をほぼ正確(6 割以上)に解くこ とができる.メモリアーキテクチャに関する問 題を解くことができない.
6キャッシュメモリと仮想メモ リに関する問題を正確(8 割以 上)に解くことができる.キャッシュメモリと仮想メモリに 関する問題をほぼ正確(6 割以上) に解くことができる.キャッシュメモリと仮想メモリに 関する問題を解くことができない
7割り込みアーキテクチャに関 する問題を正確(8 割以上)に解 くことができる.割り込みアーキテクチャに関する 問題をほぼ正確(6 割以上)に解く ことができる.割り込みアーキテクチャに関する 問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年次にまでに学んだ電子・情報系科目を基礎として主にハードウェアの観点から計算機の基本的な構成を学ぶ.単純な論理回路を組み合わせていくことで,計算機を実現できることを理解することが目標である.
授業の進め方・方法:
計算機に関する基礎知識について講義するとともに,机上でのアーキテクチャ設計実習等を適宜行う.
注意点:
ディジタル回路や C 言語の知識を前提として授業を進める.特に,ブール代数や論理回 路はよく復習し,習熟しておくこと.ディジタル計算機の基本である 2 進数と論理回路についてよく理解し,複雑な 計算機がこれらによって実現されていることを理解してほしい.
なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる.
学習・教育目標:(E)100% 
JABEE基準1(1):(c)(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計算機の歴史 アナログ計算機とディジタル計算機の違いを説明出来る.
2週 計算機の基本構成 計算機の基本構成を説明出来る.
3週 計算機とプログラミング プログラムがどのように実行されるか説明出来る.
4週 命令セットアーキテクチャ 命令セットアーキテクチャの概念を説明出来る.
5週 ハーバードアーキテクチャ・CISCとRISC ノイマン型とハーバード型のアーキテクチャの違い,CISCとRISCの違いを説明出来る.
6週 命令セットアーキテクチャの設計
(AL レベル C)
簡単な命令セットアーキテクチャを設計できる.
(教室外学習)命令セットアーキテクチャの設計に関する演習
7週 演算アーキテクチャ 演算アーキテクチャの概念を説明出来る.
8週 算術論理演算装置の設計
(AL レベル C)
ディジタル計算機における加減乗除の原理を説明出来る.
(教室外学習)算術論理演算装置の設計に関する演習
2ndQ
9週 制御アーキテクチャ 制御アーキテクチャの概念を説明出来る.
10週 命令デコーダの設計
(AL レベル C)
CPUに用いられる論理回路について説明出来る.
(教室外学習)命令デコーダの設計に関する演習
11週 メモリアーキテクチャ メモリの動作について説明出来る.
12週 メモリコントローラの設計
(AL レベル C)
メモリとCPUの間でのデータのやり取りを説明出来る.
(教室外学習)メモリコントローラの設計に関する演習
13週 キャッシュメモリと仮想メモリ メモリヒエラルキーについて説明出来る.
14週 割り込みアーキテクチャ 割り込みアーキテクチャについて説明出来る.
15週 期末試験の解説 計算機の実際
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
得点6040100