材料学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料学
科目番号 0252 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 Professional Engineer Library 機械・金属材料学(PEL編集委員会 監修,黒田大介 編著,実教出版,2015.10)
担当教員 藤田 一彦

到達目標

材料の種類として,原子間の結合の違いから大きく分けて,金属,セラミックス,高分子と分類される。また,材料を使いこなすためには,材料の作り方,材料の構造・組織,材料の性質,材料の性能,効率などの要素がある。
本授業では,材料の種類,構造・組織,性質,性能に主眼をおいて,工学材料一般に関する幅広い知見を養うことを目指す。
具体的には以下の各項目を到達目標とする。

①原子間の結合と結晶構造の理解
②構造材料と機能材料の特性とその理解
③金属材料の特性とその理解
④セラミック材料の特性とその理解
⑤高分子材料の特性とその理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。原子間の結合と結晶構造に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
構造材料と機能材料の特性に関する基礎知識を使用して,材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。構造材料と機能材料の特性に関する基礎知識を使用して,材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができ。構造材料と機能材料の特性に関する基礎知識を使用して,材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。金属材料の特性に関する基礎知識を利用して,金属材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。セラミックス材料の特性に関する基礎知識を利用して,セラミックス材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。
高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題を正確(8割以上)に解くことができる。高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。高分子材料の特性に関する基礎知識を利用して,高分子材料に関する基礎的問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料のの種類として、原子間の結合の違いから大きく分けて、金属材料、セラミックス材料、高分子材料と分類される。また、材料を使いこなすためには、材料の作り方、材料の構造、組織、材料の性質、材料の性能、効率などの要素がある。材料額の授業では、材料の種類、構造、組織、性質、性能に主眼をおいて、工学材料一般に関する幅広い知見を養うことができる。
授業の進め方・方法:
この授業では,各種の工業材料に関する基礎的事項を広く取り扱う。授業中に各種の材料に関する調査課題,演習課題を出すので,インターネットや参考文献等を活用して,よく調べてからレポートにまとめて提出すること。応用物理や応用化学,材料科学などに関する基本的な知識が要求される。
注意点:
材料学は、幅の広い学問のため、授業の中だけですべてのことを学ぶことは難しい。この授業では、材料科学の基礎事項と、各種の材料に関する知識・知見として理解しておくことの要点を学ぶに過ぎないので、材料学に興味を持った人は、更に多くの書物を読んだり、調べたりして学習してほしい。なお、成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標:(D-2 材料・バイオ系)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第 1 回:材料工学とは何か 工業材料としての金属材料、セラミックス材料、高分子材料、複合材料に関してその違いを理解する。
(教室外学修)4つの工業材料に関する演習
2週 第 2 回:化学結合および結晶構造 化学結合の種類と各種材料の結晶構造を理解する。
(教室外学修)化学結合に関する演習
3週 第 3 回:金属の結晶構造
(ALのレベルC)
金属の材料の特徴と結晶構造について理解する。
(教室外学修)結晶構造に関する演習
4週 第 4 回:材料の機械的性質とその試験法
(ALのレベルC)
材料の機械的性質に関して理解する。
(教室外学修)材料の機械的性質に関する演習
5週 第 5 回:金属の塑性加工と組織 金属材料の引張試験に関して理解する。
(教室外学修)金属材料の引張試験に関する演習
6週 第 6 回:平衡状態図の基礎Ⅰ 金属材料の平衡状態図(全率固溶型)の基礎を理解する。
(教室外学修)平衡状態図に関する演習
7週 第 7 回:平衡状態図の基礎Ⅱ
(ALのレベルC)
金属材料の平衡状態図(共晶型・共析型)の基礎を理解する。
(教室外学修)平衡状態図に関する演習
8週 第 8 回:中間試験
4thQ
9週 第 9 回:鉄鋼材料の状態図と組織
(ALのレベルC)
鉄鋼材料の状態図と組織に関して基礎を理解する。
(教室外学修)鉄鋼材料の状態図に関する演習
10週 第10回:炭素鋼の熱処理 炭素鋼の熱処理に関して理解する。
(教室外学修)炭素鋼の状態図に関する演習
11週 第11回:鉄鋼材料の製造・構造用鋼 鉄鋼材料の製造・構造用鋼に関して基礎を理解する。
(教室外学修)鉄鋼材料の製造に関する演習
12週 第12回:非鉄金属材料(アルミニウム,銅,鉛,スズ,亜鉛,ニッケル) 非鉄金属材料(アルミニウム,銅,鉛,スズ,亜鉛,ニッケル)に関して理解する。(教室外学修)非鉄金属の基礎及び特性に関する演習
13週 第13回:セラミックス系材料の基礎および特性
(ALのレベルC)
セラミックス系材料の基礎および特性について理解する。
(教室外学修)セラミックス系材料の基礎及び特性に関する演習
14週 第14回:高分子材料の基礎および特性 高分子材料の基礎および特性について理解する。
(教室外学修)高分子材料の基礎及び特性に関する演習
15週 期末試験
16週 第15回:複合材料の基礎および特性 複合材料の基礎および特性について理解する。
(教室外学修)複合材料の基礎および特性に関する演習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。2
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
金属と合金の結晶構造を説明できる。2
合金の状態図の見方を説明できる。2
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。2

評価割合

中間試験期末試験課題レポート合計
総合評価割合10010050250
得点10010050250
0000