技術者倫理

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0253 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「技術の営みの教養基礎 技術の知と倫理」(比屋根均、理工図書、2012年)を教科書として用いるが、毎回プリントも配布する。参考書:「はじめての工学倫理」(斎藤了文・坂下浩司、昭和堂)、[理系のための技術者倫理」(直江清隆・盛永審一郎編、丸善)、「技術者倫理事例集」(電気学会、オーム社)、「土木技術者倫理問題-考え方と事例解説Ⅰ、Ⅱ」(土木学会)」
担当教員 比屋根 均

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
① 職場の人間関係で大切なことを理解している
② 職場という組織の一員として大切なことを理解している
③ 安全や環境を守るためにどのように気を付けて行動すればよいか理解している
④ 倫理の基本的な考え方を理解し、倫理的な行動の仕方について考えらえる
⑤ 組織の一員として適切に判断し行動することができる
⑥ 専門職としての自覚が必要なことを意識しはじめている

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1職場に受け入れられ,人間関係を積極的に作り,評価されるために何が大切かについて、自分の生活態度に結び付けて理解している職場に受け入れられ,人間関係を積極的に作り,評価されるために何が大切かについて、自ら考えていかねばならないことだと理解している職場に受け入れられ,人間関係を積極的に作り,評価されることの大切さを理解していない
評価項目2組織を成り立たせている資源や財産,それらを守る活動を理解し,組織の一員として生きることの意味を自分のこととして考えられる組織を成り立たせている資源や活動の基本を理解し,組織の一員として守るべきことを理解している組織を成り立たせている資源や活動の大切さや,組織の一員として働ことを自分のこととして考えない
評価項目3技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るためにどのようにすればよいか,その基本を一通り理解している技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るための活動や心がけの大切さを理解している技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るための活動や心がけの大切さを理解していない
評価項目4倫理の基本的な考え方、倫理的配慮の内容、倫理問題の解決法について,その基本を一通り理解している倫理の基本的な考え方、倫理的配慮の内容、倫理問題の解決法の大切さを理解している倫理の基本的な考え方、倫理的配慮の内容、倫理問題の解決法の大切さを理解していない
評価項目5グループの議論や作業で自ら進んで行動できるとともに,グループ全体のことを考え,成果だけでなく学びを有意義にできるように自らの貢献の仕方を工夫できるグループの議論や作業に参加し、グループとしてよりよい成果を出すことに貢献しているグループの議論や作業に参加しない.グループの円滑な活動に貢献しない
評価項目6専門職の役割や重要さ、どのようなことが求められるかを理解し、そのための意識を高めている専門職の役割や重要さ、何が求められるかを理解している専門職の役割や重要さを理解しない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
職業人や技術者として生きていくために大切なこと、倫理的に行動する上で大切なことを理解するとともに、実際にグループ討論等によって、意見の異なる人とも協働できるようになり、学んだことを自分の意見に消化し身につける。
授業の進め方・方法:
社会人は、大きなテーマがある仕事でも、決まった作業のような仕事でも、毎日新たな問題が発生し、考え教わりながら対処することで、様々なことを学び身につけていく。この科目でも毎回、座学だけでなく何らかの作業を行い身につけていくとともに、その成果で評価する。また、社会人が現実に出会う倫理問題は答えが1つに定まらず、考え方や価値観、能力、置かれた状況によって答えが違ってくる。グループ討論でも小レポートでも、まず自分で考えるのは当然として、異なる意見にも耳を傾けて理解しようとして欲しい。そうすることで、社会人としてのコミュニケーション力や多様な人々と関わり合える柔軟性が身に付くだろう。想像力と集中力を積極的に発揮してもらいたい。
注意点:
期末試験は行わない。
学習・教育目標:(A-2)100%
JABEE基準1(1):(b)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス~社会人になる準備を始めよう(ALのレベルC) (教室外学修)小レポート作成
2週 職場~様々な専門家の協働(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
3週 自分と仲間を守る(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
4週 組織の意思決定・行動・報連相(ALのレベルC) (教室外学修)小レポート作成
5週 組織の資源・費用と効果・営業秘密(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
6週 知的財産・個人情報・情報セキュリティ(ALのレベルC) (教室外学修)小レポート作成
7週 製品・サービスの価値、安全、PL法(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
8週 安全の理論(ALのレベルB) (教室外学修)グループワーク
2ndQ
9週 安全の評価(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
10週 プロセスの大切さ(ALのレベルC) (教室外学修)小レポート作成
11週 倫理的評価の視点(ALのレベルB) (教室外学修)グループワーク
12週 社会的責任と持続可能性(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
13週 法と倫理~技術の場合(ALのレベルA) (教室外学修)グループ討論
14週 倫理問題の解決、不正と公益通報(ALのレベルC) (教室外学修)小レポート作成
15週 まとめ~専門職と倫理綱領
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。2

評価割合

グループ討論の個人レポート小レポート合計
総合評価割合4555100
得点4555100