コンクリート工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンクリート工学Ⅰ
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 わかる材料(宮川豊章,岡本亨久・学芸出版社,2009),わかるコンクリート構造(井上 晋・学芸出版社、2015)
担当教員 岩瀬 裕之

到達目標

前期では、コンクリートと鋼材の複合材料である鉄筋コンクリートを設計するために必要な基礎知識を習得する。
後期では、コンクリート構造物の設計に必要な基礎知識を習得する。コンクリート構造物の設計法を理解するとともに、簡単なコンクリート部材を設計できるようにする。
① コンクリート構造物を構成する材料の基本的性質を理解する。
② コンクリートの性質についての理解
③ コンクリートの配合計算の理解
④ 構成する材料の性質と構造物の挙動の関係を理解する。
⑤ 軸方向力を受ける部材の耐力が算定できる。
⑥ 曲げモーメントを受ける部材の耐力が算定できる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鉄筋コンクリートを構成する材料の基本的性質が正確に説明できる.鉄筋コンクリートを構成する材料の基本的性質がほぼ正確に説明できる.鉄筋コンクリートを構成する材料の基本的性質が説明できない.
評価項目2コンクリートの性質について理解し、正確に説明できる.コンクリートの性質について理解し、ほぼ正確に説明できる.コンクリートの性質について理解,説明できない.
評価項目3コンクリートの配合が正確に計算できる.コンクリートの配合がほぼ正確に計算できる.コンクリートの配合が計算できない.
評価項目4 構成する材料の性質と構造物の挙動が正確に説明できる. 構成する材料の性質と構造物の挙動がほぼ正確に説明できる. 構成する材料の性質と構造物の挙動が説明できない.
評価項目5 荷重が作用している鉄筋コンクリート部材の応力が正確に計算できる. 荷重が作用している鉄筋コンクリート部材の応力がほぼ正確に計算できる. 荷重が作用している鉄筋コンクリート部材の応力が説明できない。
評価項目6 軸方向力および曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート部材の終局耐力が正確に計算できる. 軸方向力および曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート部材の終局耐力がほぼ正確に計算できる. 軸方向力および曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート部材の終局耐力が計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期では、コンクリートと鋼材の複合材料である鉄筋コンクリートを設計するために必要な基礎知識を習得する。
後期では、コンクリート構造物の設計に必要な基礎知識を習得する。コンクリート構造物の設計法を理解するとともに、簡単なコンクリート部材を設計できるようにする。
授業の進め方・方法:
授業は、板書や配付資料を中心に説明を行うので、各自講義ノートを充実させること。演習問題を解くことで理解を深めること。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である。
国家公務員採用一般職試験(大卒程度・土木),技術士一次試験建設部門「コンクリート」、コンクリート技士,コンクリート主任技士,コンクリート診断士の関連問題および教科書の演習問題と同等レベルの問題を試験等で出題し,総合して6割以上の正解レベルまで達していること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料の一般的性質 材料の特徴・分類を説明できる
2週 コンクリート概論 コンクリートの概要とコンクリート工事の過程を理解している
3週 コンクリート用材料(1) セメント セメントの概要、種類、製造、性質について理解している
4週 コンクリート用材料(2) 骨材・水① コンクリートに使用する水,骨材の製造・種類・性質について説明できる
5週 コンクリート用材料(2) 骨材・水② コンクリートに使用する水,骨材の製造・種類・性質について説明できる
6週 コンクリート用材料(3) 混和材料① 混和材料(混和材、混和剤等)を理解している
7週 コンクリート用材料(3) 混和材料② 混和材料(混和材、混和剤等)を理解している
8週 フレッシュコンクリート  フレッシュコンクリートの性質を説明できる
2ndQ
9週 コンクリートの配合(1)  配合設計の概念を理解する
10週 コンクリートの配合(2) 配合計算ができる
11週 各種コンクリート コンクリートの施工について理解できる
12週 硬化コンクリート 硬化コンクリートの性質を理解している
13週 コンクリートの耐久性,維持管理 耐久性,維持管理の必要性を理解している
14週 金属材料 金属材料について理解している
15週 期末試験
16週 前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 鉄筋コンクリート工学序論 鉄筋コンクリートの特徴を説明できる
2週 コンクリート構造物を構成する材料の性質(1) コンクリート構造物を構成する材料の性質を理解する
3週 コンクリート構造物を構成する材料の性質(2) コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる
4週 複合材料としてのコンクリート構造 複合材料としてのコンクリート構造を説明できる
5週 軸方向力を受ける部材(1) 軸力を受ける部材を説明できる
6週 軸方向力を受ける部材(2) 柱の構造細目について説明できる
7週 軸方向力を受ける部材(3) 柱の耐力を算定できる
8週 中間試験  
4thQ
9週 構造解析(曲げモーメント) 鉄筋コンクリート部材に作用する曲げモーメントを算定できる
10週 曲げモーメントを受ける部材(1) 弾性体における曲げモーメントを受けるはり部材を説明でき、計算できる。
11週 曲げモーメントを受ける部材(2) ひび割れした鉄筋コンクリートはり部材中の応力を算定できる.
12週 曲げモーメントを受ける部材(3) 簡単な鉄筋コンクリート部材の終局耐力を算定できる
13週 曲げモーメントを受ける部材(4) 少し複雑な鉄筋コンクリート部材の終局耐力を算定できる
14週 曲げモーメントを受ける部材(5) 特殊な場合の鉄筋コンクリート部材の終局耐力を算定できる
15週 期末試験
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4
鋼材の種類、形状を説明できる。4
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。4
各種セメントの特徴、用途を説明できる。4
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。4
骨材の種類、特徴について、説明できる。4
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4前5
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4
配合設計の手順を理解し、計算できる。4
非破壊試験の基礎を説明できる。4
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。4
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。4
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4
施工・法規型枠工・鉄筋工・足場支保工・打設工の流れについて、説明できる。4

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合40050450
得点40050450