水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 水理学(PEL編集委員会,実教出版,2016)
担当教員 菊 雅美

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
1.水の基本的な性質を説明できる
2.平面や曲面に作用する静水圧を求めることができる
3.浮体の安定性を判定できる
4.流量の連続式を用いて,流量や流速を求めることができる
5.ベルヌーイの定理を用いて,水圧や流速を求めることができる
6.ベルヌーイの定理を応用して,オリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求めることができる
7.運動量保存則を適用して,流水が構造物にもたらす力を求めることができる
岐阜高専ディプロマポリシー:(D-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の物理的なパラメータを用いた問題を8割以上解くことができる水の物理的なパラメータを用いた問題を6割以上解くことができる水の物理的なパラメータを用いた問題を解くことができない
評価項目2平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題を8割以上解くことができる平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題を6割以上解くことができる平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題を解くことができない
評価項目3浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題を8割以上解くことができる浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題を6割以上解くことができる浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題を解くことができない
評価項目4流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題を8割以上解くことができる流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題を6割以上解くことができる流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題を解くことができない
評価項目5ベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題を8割以上解くことができるベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題を6割以上解くことができるベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題を解くことができない
評価項目6ベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題を8割以上解くことができるベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題を6割以上解くことができるベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題を解くことができない
評価項目7運動量保存則を適用して作用外力を求める問題を8割以上解くことができる運動量保存則を適用して作用外力を求める問題を6割以上解くことができる運動量保存則を適用して作用外力を求める問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理学は水の運動およびそれに関連した現象を扱う土木工学,都市工学の一分野であり,河川工学,海岸工学,水資源工学,衛生工学などの基礎である.その目的は,力学法則を基に様々な水理現象を統一的に解明する知識および思考力の修得である.
授業の進め方・方法:
授業は,授業ノートLMSに掲載されている資料を用いて,学生が能動的に取り組む.教員は個別に質問に対応する.毎回,演習問題を解くことで到達目標に掲げた各項目への理解を深める.
(事前準備の学習)基礎力学の復習をしておく.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
基本は物理学における質量・エネルギー・運動量の保存則であるから,要点を理解し,各自でノートを充実させて復習を十分行なう.
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1回:環境都市工学における水理学の位置づけ,水理学の基礎:単位
(ALのレベルC)
水理学で用いる単位について理解し,説明できる.
2週 第2回:水理学の基礎:次元式
(ALのレベルC)
水理学で用いる物理量について理解し,説明できる.
3週 第3回:水理学の基礎:水の性質
(ALのレベルC)
水の基本的な性質について理解し,説明できる.
4週 第4回:静水圧
(ALのレベルC)
静水圧の表現,強さ,作用する方向について理解し,説明できる.
5週 第5回:水圧機とマノメータ
(ALのレベルC)
水圧機とマノメーターの原理を理解し,圧力を求められる.
6週 第6回:奥行き一定の平面に作用する力
(ALのレベルC)
奥行き一定の平面に作用する力の大きさと作用点を求められる.
7週 第7回:奥行き一定の平面に作用する力
(ALのレベルC)
奥行き一定の平面に作用する力の大きさと作用点を求められる.
8週 第8回:中間試験
2ndQ
9週 第9回:中間試験振り返り
(ALのレベルB)
中間試験の問題を解いて知識を定着させる.
10週 第10回:平面に作用する力とその作用位置の一般式
(ALのレベルC)
平面に作用する全水圧(傾斜平板)の大きさと作用点を計算できる.全水圧と作用点の一般式を用いて計算ができる.
11週 第11回:曲面に作用する力
(ALのレベルC)
曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を求められる.
12週 第12回:曲面に作用する力
(ALのレベルC)
曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を求められる.
13週 第13回:浮体の安定
(ALのレベルC)
浮体の安定について理解し,説明できる.
14週 第14回:浮体の安定条件
(ALのレベルC)
浮体の安定条件を求められる.
15週 第15回:期末試験
16週 第16回:期末試験振り返り
(ALレベルC)
後期
3rdQ
1週 第17回:流れの用語,連続の式
(ALのレベルC)
連続の式について理解し,説明できる.
2週 第18回:ベルヌーイの定理:導出
(ALのレベルC)
ベルヌーイの定理を理解し,説明できる.
3週 第19回:ベルヌーイの定理:演習問題
(ALのレベルC)
ベルヌーイの定理を応用し,流出流速や流速,管内圧力を求めることができる.
4週 第20回:ピトー管
(ALのレベルC)
ピトー管による流速の算定式を導出し,流速を求められる.
5週 第21回:ベンチュリメータ
(ALのレベルC)
ベンチュリメータ内の流量の算出式を導出し,流量を求められる.
6週 第22回:小型オリフィス,潜りオリフィス
(ALのレベルC)
小型オリフィスおよび潜りオリフィスからの流出流量を求められる.
7週 第23回:小型オリフィスからの排水時間
(ALのレベルC)
小型オリフィスからの排水時間の算定式を導出し,排水時間を求められる.
8週 第24回:中間試験
4thQ
9週 第25回:中間試験振り返り
(ALのレベルC)
中間試験の問題を解いて知識を定着させる.
10週 第26回:大型オリフィスからの流出流量
(ALのレベルC)
大型オリフィスからの流出流量を求められる.
11週 第27回:堰による流量測定
(ALのレベルC)
堰(三角堰・四角堰)の越流量の算出式を導出し,流量を求められる.
12週 第28回:運動量保存則:理論
(ALのレベルC)
運動量保存則を理解する.
13週 第29回:運動量保存則:演習
(ALのレベルC)
運動量保存則を応用して,構造物に作用する力を求められる.
14週 第30回:運動量保存則:演習
(ALのレベルC)
運動量保存則を応用して,分流の流量を求められる.
15週 第31回:期末試験
16週 第32回:期末試験振り返り
(ALのレベルC)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1,前2
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前3,前4,前5
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前6,前7,前10,前11
浮力と浮体の安定を計算できる。4前13,前14
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4後1
連続の式を説明できる。4後1
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4後12,後13,後14

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合200200120520
前期得点10010060260
後期得点10010060260