水理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学Ⅱ
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 教科書:PEL水理学(神田佳一編著,実教出版,2017)/参考書:明解 水理学(日野幹雄著,丸善出版,1983)
担当教員 北 真人

到達目標

以下に各項目を到達目標とする.
①層流・乱流における管水路の取り扱いについて説明できる.
②管水路における動水勾配線・エネルギー線について説明できる.
③ オイラー座標系における連続の式・運動方程式について説明できる.
④最小エネルギー・最大流量の定理について説明できる.
⑤開水路等流における水理特性曲線・水理学的に有利な断面について説明できる.
⑥開水路不等流における水面形について説明できる.
⑦物体に作用する流体力(揚力、抗力)とその抗力係数の式説明できる.橋脚などの実際の構造物に作用する流体力を計算できる.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1層流・乱流の流速分布式から平均流速・摩擦損失係数を8割以上計算できる.層流・乱流の流速分布式から平均流速・摩擦損失係数を6割以上計算できる.層流・乱流の流速分布式から平均流速・摩擦損失係数を計算できない.
評価項目2摩擦損失・各局所損失を考慮した動水こう配線・エネルギー線を8割以上画くことができる.摩擦損失・各局所損失を考慮した動水こう配線・エネルギー線を6割以上画くことができる.摩擦損失・各局所損失を考慮した動水こう配線・エネルギー線を画くことができない.
評価項目3オイラー座標系での流体の基礎方程式を8割程度導くことができる.それを積分してベルヌーイの式をほぼ 8 割程度導くことができる.オイラー座標系での流体の基礎方程式を 6割以上導くことができる. それを積分してベルヌーイの式を6割以上導くことができる.オイラー座標系での流体の基礎方程式を導くことができない. それを積分してベルヌーイの式を導くことができない.
評価項目4最小エネルギー・最大流量の定理により限界水深・対応水深を8割以上計算できる. 跳水現象から共役水深を8割以上計算できる.最小エネルギー・最大流量の定理により限界水深・対応水深を6割以上計算できる. 跳水現象から共役水深を6割以上計算できる.最小エネルギー・最大流量の定理により限界水深・対応水深を計算できない. 跳水現象から共役水深を計算できない.
評価項目5円形断面での最大流量・最大流速を生じる水深を8割以上計算できる. 任意の断面での水理学的に有利な断面を8割程度求めることができる.円形断面での最大流量・最大流速を生じる水深を6割以上計算できる. 任意の断面での水理学的に有利な断面を6割以上求めることができる.円形断面での最大流量・最大流速を生じる水深を計算できない. 任意の断面での水理学的に有利な断面を求めることができない.
評価項目6人工構造物(せき・水門)を設置した開水路の水面形を8割以上画くことができる. 不等流基礎方程式から限界水深・等流水深を8割以上計算できる.人工構造物(せき・水門)を設置した開水路の水面形を6割以上画くことができる. 不等流基礎方程式から限界水深・等流水深を6割以上計算できる.人工構造物(せき・水門)を設置した開水路の水面形を画くことができない. 不等流基礎方程式から限界水深・等流水深を計算できない.
評価項目7物体に作用する流体力(揚力、抗力)を理解し,その抗力係数の式を8割以上導出できる. 橋脚などの実際の構造物を対象に,それに作用する流体力を8割計算できる.物体に作用する流体力(揚力、抗力)を理解し,その抗力係数の式を6割以上導出できる. 橋脚などの実際の構造物を対象に,それに作用する流体力を6割計算できる.物体に作用する流体力(揚力、抗力)を理解し,その抗力係数の式を導出できない. 橋脚などの実際の構造物を対象に,それに作用する流体力を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理学(水の力学)は固体力学と同様に, 質量・エネルギー・運動量保存則によって支配される.これらの基本的な概念(完全流体の流れ)は,第3学年の水理学Iで学習した.
水理学IIでは,実在の粘性流体を取り扱い,具体的な実例を交えながら管水路・開水路流れの基本的な考え方を理解する.
さらに,定常流(等流・不等流),非定常流について理解し,実際の現象との関係性を把握する.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)
授業の進め方・方法:
教科書は高専のMCCに準拠した内容である.
(事前準備の学習)水理学Iの復習をしておく.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
成績評価の方法:
前期:中間100点+期末100点+課題40点
後期:中間100点+期末100点+課題40点
学年:前期中間:期末:後期中間:期末試験の比重を1:2:1.5:1.5とした総得点と課題点の得点率(%)で成績評価を行う.
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1回:粘性,レイノルズの実験,層流と乱流,レイノルズ数
(AL のレベルC)
粘性,レイノルズの実験,層流と乱流,レイノルズ数を理解している.
2週 第2回:流速分布,圧力降下と損失,円管内層流
(AL のレベルC)
流速分布,圧力降下と損失,円管内層流を理解している.
3週 第3回:レイノルズ応力,渦動粘性係数
(AL のレベルC)
レイノルズ応力,渦動粘性係数を理解している.
4週 第4回:摩擦損失と平均流速公式
(AL のレベルC)
摩擦損失と平均流速公式を理解している.
5週 第5回:形状損失
(AL のレベルC)
形状損失を理解している.
6週 第6回:単線管路とエネルギー線
(AL のレベルC)
単線管路とエネルギー線を理解している.
7週 第7回:中間試験 単線管路とサイフォンを理解している.
8週 第8回,第9回:単線管路とサイフォン
(AL のレベルC)
2ndQ
9週 第10回,第11回:複雑な管路
(AL のレベルC)
複雑な管路を理解している.
10週 第12回,第13回:水力発電
(AL のレベルC)
水力発電を理解している.
11週 第14回,第15回:ポンプ
(AL のレベルC)
ポンプを理解している.
12週 第16回,第17回:開水路流れの基礎方程式
(AL のレベルC)
開水路流れの基礎方程式を理解している.
13週 第18回,第19回:開水路の等流(平均流速公式)
(AL のレベルC)
開水路の等流を理解している.
14週 第20回,第21回:開水路の等流(限界水深・等流水深)
(AL のレベルC)
開水路の等流の任意断面における限界水深・等流水深を理解している.
15週 期末試験
16週 第22回:期末試験振り返り
後期
3rdQ
1週 第23回:開水路の等流(等流の平均流速,等流の計算)
(AL のレベルC)
等流の平均流速,等流の計算を理解している.
2週 第24回,第25回:開水路の等流(水理学的に有利な断面)
(AL のレベルC)
水理学的に有利な断面を理解している.
3週 第26回:開水路の不等流(基礎方程式)
(AL のレベルC)
開水路の不等流の基礎方程式を理解している.
4週 第27回,第28回:開水路の不等流(水面形状特性1)
(AL のレベルC)
開水路の不等流の水面形状特性を理解している.
5週 第29回:開水路の不等流(水面形状特性2)
(AL のレベルC)
開水路の不等流の水面形状特性を理解している.
6週 第30回,第31回:開水路の不等流(水面形計算法)
(AL のレベルC)
開水路の不等流の水面形計算法を理解している.
7週 第32回:開水路の非定常流
(AL のレベルC)
開水路の非定常流を理解している.
8週 第33回:中間試験
第34回:中間試験振り返り
4thQ
9週 第35回:流体力学の基礎方程式(連続の式)
(AL のレベルC)
連続の式を数式で表すことができる.
10週 第36回,第37回:流体力学の基礎方程式(非粘性流体の運動方程式)
(AL のレベルC)
非粘性流体の運動方程式を数式で表すことができる.
11週 第38回:流体力学の基礎方程式(流体の変形と回転)
(AL のレベルC)
流体の変形と回転を数式で表すことができる.
12週 第39回,第40回:流体力学の基礎方程式(渦と循環)
(AL のレベルC)
渦と循環を数式で表すことができる.
13週 第41回:流体力学の基礎方程式(渦なし流れ)
(AL のレベルC)
渦なし流れを数式で表すことができる.
14週 第42回,第43回:流体力学の基礎方程式(粘性流体の運動
(AL のレベルC)方程式)
粘性流体の運動方程式を数式で表すことができる.
15週 第44回:流体力
(AL のレベルC)
物体に作用する流体力(揚力、抗力)とその抗力係数の式説明できる.橋脚などの実際の構造物に作用する流体力を計算できる.
16週 期末試験
第45回:期末試験振り返り

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4前5,前6
層流と乱流について、説明できる。4前7,前9
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4前9
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4
各種の管路の流れが計算できる。4
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4

評価割合

前期中間試験前期期末試験前期課題後期中間試験後期期末試験後期課題合計
総合評価割合1001004010010040480
得点1001004010010040480