水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 水理学(PEL編集委員会,実教出版,2016)
担当教員 菊 雅美

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
①水の基本的な性質を説明できる
②平面や曲面に作用する静水圧を求めることができる
③浮体の安定性を判定できる
④相対的静止の問題を解いて,水槽内の水面形を求めることができる
⑤流量の連続式を用いて,流量や流速を求めることができる
⑥ベルヌーイの定理を用いて,水圧や流速を求めることができる
⑦ベルヌーイの定理を応用して,オリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求めることができる
⑧運動量保存則を適用して,流水が構造物にもたらす力を求めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の物理的なパラメータを用いた問題をほぼ正確に解くことができる水の物理的なパラメータを用いた問題をほぼ正確に解くことができる水の物理的なパラメータを用いた問題を解くことができない
評価項目2平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題を正確に解くことができる平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題をほぼ正確に解くことができる平面や曲面に作用する静水圧の合力と作用点を求める問題を解くことができない
評価項目3浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題を正確に解くことができる浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題をほぼ正確に解くことができる浮体の安定性(安定,中立,不安定)を判定する問題を解くことができない
評価項目4流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題を正確に解くことができる流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題をほぼ正確に解くことができる流量の連続式を適用して必要な流速や流量を求める問題を解くことができない
評価項目5ベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題を正確に解くことができるベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題をほぼ正確に解くことができるベルヌーイの定理を適用して必要な圧力や流速を求める問題を解くことができない
評価項目6ベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題を正確に解くことができるベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題をほぼ正確に解くことができるベルヌーイの定理を応用してオリフィスや堰からの流出流量や排出時間を求める問題を解くことができない
評価項目7運動量保存則を適用して作用外力を求める問題を正確に解くことができる運動量保存則を適用して作用外力を求める問題をほぼ正確に解くことができる運動量保存則を適用して作用外力を求める問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理学は水の運動およびそれに関連した現象を扱う土木工学,都市工学の一分野であり,河川工学,海岸工学,水資源工学,衛生工学などの基礎である.その目的は,力学法則を基に様々な水理現象を統一的に解明する知識および思考力の修得である.
授業の進め方・方法:
授業は,教科書およびプリントを中心に説明を行い,ほぼ毎回,演習問題を解くことで到達目標に掲げた各項目への理解を深める.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
基本は物理学における質量・エネルギー・運動量の保存則であるから,要点を理解し,各自学習ノート作成を充実させて復習を十分行なう.
学習・教育目標:(D-2 力学系)100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境都市工学における水理学の位置づけ,水理学の基礎(次元と単位)(ALのレベルC) 水理学で用いる単位系について説明できる.
2週 水理学の基礎(水の性質とふるまい)(ALのレベルC) 水の基本的な性質について説明できる.
3週 静水圧の表し方,静水圧の強さ,静水圧の作用する方向(ALのレベルC) 静水圧の表現、強さ、作用する方向について理解している.
4週 水圧機(パスカルの原理),静水圧の測定の方法(マノメーター)(ALのレベルC) 水圧機(パスカルの原理)について説明できる.静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる.
5週 鉛直平板に働く静水圧(片面から静水圧を受ける場合)(ALのレベルC) 平面に作用する全水圧(片面から静水圧を受ける場合)の大きさと作用点を計算できる.
6週 鉛直平板に働く静水圧(両面から静水圧を受ける場合)(ALのレベルC) 平面に作用する全水圧(両面から静水圧を受ける場合)の大きさと作用点を計算できる.
7週 傾斜平板に働く静水圧(ALのレベルC) 平面に作用する全水圧(傾斜平板)の大きさと作用点を計算できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 傾斜平板に働く静水圧(ALのレベルC) 平面に作用する全水圧(傾斜平板)の大きさと作用点を計算できる.
10週 曲面に作用する静水圧(基礎原理)(ALのレベルC) 曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
11週 曲面に作用する静水圧(応用)(ALのレベルC) 曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
12週 浮体の安定(ALのレベルC) 浮力とアルキメデスの原理について理解している.
13週 浮体の安定(ALのレベルC) 浮力とアルキメデスの原理について理解し,浮体の安定を計算できる.
14週 浮体の安定(ALのレベルC) 浮力とアルキメデスの原理について理解し,浮体の安定を計算できる.
15週 期末試験の解説と総括
16週
後期
3rdQ
1週 流速と流量,流れの分類,流れの連続性(ALのレベルC) 連続の式について理解している.連続の式について説明できる.
2週 ベルヌーイの定理(エネルギー保存則)の誘導(ALのレベルC) ベルヌーイの定理を理解している.
3週 ベルヌーイの定理の応用1(水槽に接続した流出管からの流出)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(水槽に接続した流出管からの流出) の計算ができる.
4週 ベルヌーイの定理の応用2(ピトー管)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(ピトー管) の計算ができる.
5週 ベルヌーイの定理の応用3(ベンチュリー管)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリー管) の計算ができる.
6週 ベルヌーイの定理の応用4(小型オリフィス)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(小型オリフィス) の計算ができる.
7週 ベルヌーイの定理の応用5(大型オリフィス)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(大型オリフィス) の計算ができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 ベルヌーイの定理の応用6(オリフィスからの排水時間)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(オリフィスからの排水時間) の計算ができる.
10週 ベルヌーイの定理の応用7(三角堰・四角堰)(ALのレベルC) ベルヌーイの定理の応用(三角堰・四角堰) の計算ができる.ベルヌーイの定理の応用(自然現象,河川工学など) について説明できる
11週 運動量保存則の誘導(ALのレベルC) 運動量保存則を理解している.運動量保存則の誘導について説明できる.
12週 運動量保存則の応用1(管路流れ)(ALのレベルC) 運動量保存則の応用した各種計算(管路流れ)ができる.
13週 運動量保存則の応用2(噴流)(ALのレベルC) 運動量保存則の応用した各種計算(噴流)ができる.
14週 運動量保存則の応用3(開水路流れ)(ALのレベルC) 運動量保存則の応用した各種計算(開水路流れ)ができる.
15週 期末試験の解説と総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前2,前3,前4
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前5,前6,前7,前9,前10,前11
浮力と浮体の安定を計算できる。4前12,前13,前14
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4後1
連続の式を説明できる。4後1
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4後11,後12,後13,後14

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合200200110510
前期10010055255
後期10010055255