応用数学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 工学系数学テキストシリーズ応用数学(上野監修,工学系数学教材研究会編,森北出版,2015)
担当教員 渡邉 尚彦

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①ベクトル積を理解し,微分演算子を用いた数学的手法を習得する.
②ベクトルの積分を含んだ計算ができる.
③フーリエ級数の考え方を理解し,フーリエ級数を用いて関数を表現できる.
④ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を習得する.
⑤複素数の演算を複素数平面上で理解し,複素関数の微積分ができる.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
微分演算子の理解工学現象例についてベクトル解析の演算子を用いて表現できる。ベクトル解析の演算子に関する問題を6割以上正確に解くことができる.ベクトルの演算子に関する問題を解くことができない.
線積分・面積分の理解スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分を工学問題へ適用することができる.スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を6割以上正確に解くことができる.スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を解くことができない.
フーリエ解析の理解フーリエ級数の概念を工学問題へ適用することができる.フーリエ級数に関する問題を6割以上正確に解くことができる.フーリエ級数に関する問題を解くことができない.
ラプラス変換の理解ラプラス変換を工学問題へ適用して解くことができる.ラプラス変換に関する問題を6割以上正確に解くことができる.ラプラス変換に関する問題を解くことができない.
複素関数の理解複素関数を工学上の問題に適用することができる.複素関数に関する問題を6割以上正確に解くことができる.複素関数に関する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基にして,広範な工学専門知識に応用される数学的手法を習得する.幾何学的直観や物理的感覚を重視する.計算技術を獲得するとともに,工学現象を数学的に表現し,その意味を解釈できる能力を養うことを目標とする.授業では3年次までの微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基に講義を行う.予備知識として微分積分,線形代数の基本的な計算を復習しておくとよい.
授業の進め方・方法:
教科書の流れを中心としpptを使用し授業を進める。Moodleに置いておくまとめプリントは、ノートをまとめる際に役立てることができる。
(事前準備の学習)数学AI,数学AII,数学Bの復習をしておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に⾝につけるために、予習・復習が必須である。
各自ノートを充実させるとともに、演習問題を自分の手で解くこと。発展的な話題を教室外学修課題として出す場合もある。フーリエ変換、ラプラス変換においては指数・三角関数の積分、線形微分方程式についての知識を前提とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル基本演算の復習
(ALのレベルC)
ベクトルの表記と基本演算を理解する。
2週 内積と外積
(ALのレベルC)
ベクトルの内積と外積の計算ができる。
3週 ベクトルの微分積分、スカラー場・ベクトル場
(ALのレベルB)
スカラー場・ベクトル場の表記法と図との対応を理解できる。
4週 微分演算子
(ALのレベルB)
微分演算子を用いた計算ができる。
5週 勾配
(ALのレベルC)
勾配計算の意味が理解できる。
6週 ベクトル場の発散と回転
(ALのレベルC)
発散と回転の計算の意味が理解できる。
7週 位置ベクトルの発散と回転
(ALのレベルC)
勾配・回転・発散を組合せた計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 空間曲線
(ALのレベルC)
空間曲線が表記でき、弧長を計算できる。
10週 線積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の線積分が計算できる。
11週 線積分の演習
(ALのレベルC)
特徴的な線積分の性質を理解する。
12週 面積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の面積分が計算できる。
13週 面積分の演習
(ALのレベルB)
特徴的な面積分の性質を理解する。
14週 積分公式
(ALのレベルC)
積分公式を使った計算ができる。
15週 期末試験
16週 解答と解説
後期
3rdQ
1週 三角関数の積分公式,直交性
(ALのレベルC)
三角関数の直交性を説明できる。
2週 フーリエ級数の性質
(ALのレベルC)
フーリエ級数展開ができる。
3週 任意周期のフーリエ級数
(ALのレベルC)
任意周期のフーリエ級数展開ができる。
4週 常微分方程式と偏微分方程式
(ALのレベルB)
境界値問題について説明できる。
5週 偏微分方程式とフーリエ級数
(ALのレベルB)
変数分離により偏微分方程式を解くことができる。
6週 中間試験
7週 微分方程式の復習
(ALのレベルC)
線形常微分方程式を解くことができる。
8週 ラプラス変換・逆変換
(ALのレベルC)
ラプラス変換・逆変換ができる。
4thQ
9週 ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習
(ALのレベルC)
ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。
10週 複素数の復習・複素数平面
(ALのレベルC)
複素数を極形式で表し演算することができる。
11週 基本的な複素関数
(ALのレベルC)
具体的な複素関数の性質を理解する。
12週 正則関数
(ALのレベルC)
正則関数の性質を理解する。
13週 複素関数の積分
(ALのレベルB)
複素関数の積分を計算できる。
14週 コーシーの積分定理
(ALのレベルC)
コーシーの積分定理を使った積分が計算できる。
15週 期末試験
16週 学年末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

前期中間到達度評価前期期末到達度評価課題後期中間試験後期期末試験課題合計
総合評価割合1001005010010050500
基礎的能力1001005010010050500
専門的能力0000000
専門的能力0000000