環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 環境工学Ⅰ
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 環境工学(山崎慎一/編著,実教出版,2017)
担当教員 角野 晴彦

到達目標

① 我が国の環境問題と地球規模の環境問題の歴史と社会の動向を理解する。
② 地球における物質循環とその変換過程を理解する。
③ 水質汚濁機構と水質指標を理解する。
④下水道の役割と処理の過程を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
環境問題の原因と、環境問題に臨む施策や各種国際会議の内容を説明することができる。環境問題の原因と、環境問題に臨む施策や各種国際会議の内容を正確に説明することができる。環境問題の原因と、環境問題に臨む施策や各種国際会議の内容をほぼ正確に説明することができる。環境問題の原因と、環境問題に臨む施策や各種国際会議の内容を説明することができない。
水を媒体として地球を循環する物質と水環境との関わりを説明することができる。水を媒体として地球を循環する物質と水環境との関わりを正確に説明することができる。水を媒体として地球を循環する物質と水環境との関わりをほぼ正確に説明することができる。水を媒体として地球を循環する物質と水環境との関わり説明できない。
水質汚濁機構に関連する水質指標を説明することができる。水質汚濁機構に関連する水質指標を正確に説明することができる。水質汚濁機構に関連する水質指標をほぼ正確に説明することができる。水質汚濁機構に関連する水質指標を説明できない。
下水の処理方法を説明することができる下水の処理方法を正確に説明することができる。下水の処理方法をほぼ正確に説明することができる下水の処理方法をほぼ正確に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
環境問題の歴史と変遷に対する社会の動向を理解する。水を媒体として循環する物質の変換、その循環物質と水環境問題の関係、および下水の処理技術について理解する。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に説明する。環境に関する内容が多岐にわたるので要点を理解し、各自学習ノートを充実させて復習を十分行なうこと。公害管理防止者等国家試験問題を利用しての学習も推奨する。英語導入:Technical terms
注意点:
成績評価の方法:
前期:中間試験100点+期末試験100点
後期:中間試験100点+期末試験100点
学年:前・後期試験(全4回)の平均し、得点率(%)で成績評価とする。
学習・教育目標:(D-2 材料・バイオ系)100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境問題の歴史と変遷 日本における公害と環境問題のの歴史を理解している。
2週 国連が主催する環境会議 世界における公害と環境問題のの歴史を理解している。
3週 地球環境問題1(地球温暖化、オゾン層破壊) 地球温暖化とオゾン層破壊の機構理解している。
4週 地球環境問題2(酸性雨)、物質循環、環境倫理 酸性雨の機構、炭素と窒素の物質循環および環境倫理を理解している。
5週 土壌環境 土壌汚染の現状、修復方法および対策を理解している。
6週 中間試験
7週 水の物性 水の物性、水の循環を理解している。
8週 水質指標1(pH)(ALのレベルC) pHを説明でき、pHが水質指標に必要であることを理解している。
2ndQ
9週 水質指標2(SS、VSS、DO)(ALのレベルC) SS、VSSおよびDOを説明でき、水質指標に必要であることを理解している。
10週 水質指標3(BOD) BODを説明でき、水質指標に必要であることを理解している。
11週 水質指標3(COD、TOC)(ALのレベルC) CODを説明でき、水質指標に必要であることを理解している。
12週 水質指標4(窒素、リン、疫学的指標、有害物質) 窒素、リン、大腸菌群および有害物質を説明でき、水質指標に必要であることを理解している。
13週 水質汚濁の発生源と移動過程1 水質汚濁の発生源を分類でき、負荷を理解し、計算できる。
14週 水質汚濁の発生源と移動過程2 水質の汚濁物質の移動過程を説明できる。流入した汚濁物質の混合後の濃度を計算できる。
15週 期末試験
16週 前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 水質の変換過程(ALのレベルC) 移動中および滞留中の汚濁物質の浄化とDOの関係を理解している。
2週 富栄養化、生物濃縮 富栄養化と生物濃縮を理解している。
3週 水環境に関する行政 環境基本法および水質汚濁防止法の概要を理解している。
4週 下水道の構成 下水道の役割と現状、汚水処理の種類を理解している。
5週 下水道の基本計画と施設計画(ALのレベルC) 下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。
6週 生物学的排水処理の基礎(好気的処理) 生物学的排水処理に関わる微生物とその役割を理解している。
7週 中間試験
8週 下水処理施設の設計1(操作因子、汚泥負荷、容積負荷) 操作因子、汚泥負荷および容積負荷を理解している。
4thQ
9週 下水処理施設の設計2(汚泥負荷、容積負荷の演習問題)(ALのレベルC) 汚泥負荷と容積負荷を説明でき、これに関する計算ができる。
10週 下水処理施設の設計3(汚泥濃度の制御) 汚泥濃度の制御を理解している。
11週 下水処理施設の設計4(汚泥濃度の制御の演習問題)(ALのレベルC) 汚泥濃度の制御を説明でき、これに関する計算ができる。
12週 汚泥処理、生物膜法 汚泥処理・処分を理解している。生物膜法の特徴を知っている。
13週 高度処理1(窒素除去) 生物学的な窒素除去の方法を理解している。
14週 高度処理2(リン除去) 生物学的なリン除去の方法を理解している。
15週 期末試験
16週 後期のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前9
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前8
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前4
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前12
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前2,前3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境地球規模の環境問題を説明できる。4前3
環境と人の健康との関わりを説明できる。4前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4前1
水の物性、水の循環を説明できる。4前7
水質指標を説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12
水質汚濁の現状を説明できる。4後2
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4前13,前14
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4前14,後2
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4後3
物質循環と微生物の関係を説明できる。4前4
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。4後4
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。4後5
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。4後6
汚泥処理・処分について、説明できる。4後12
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。4後6
土壌汚染の現状を説明できる。4前5

評価割合

試験その他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000