構造力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 構造力学Ⅱ
科目番号 0083 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 構造力学 (後藤芳顯他・技報堂)
担当教員 水野 剛規

到達目標

以下の項目を目標とする.
 ① モールの応力円の理解
 ② はりのたわみの微分方程式に関する理解とたわみの算定
 ③ モールの定理に基づくたわみの算定
 ④ 仮想仕事の原理に基づくたわみの算定
 ⑤ ひずみエネルギーを用いた構造計算
 ⑥ オイラーの座屈荷重に関する理解
 ⑦ 応力法を用いた不静定構造物の解法に関する理解
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目① モールの応力円を用いて主応力面および主せん断面の方向と主応力,主せん断力の大きさを8割以上求めることができる.モールの応力円を用いて主応力面および主せん断面の方向と主応力,主せん断力の大きさを6割以上求めることができる. モールの応力円を用いて主応力面および主せん断面の 方向と主応力,主せん断力の大きさを求めることができない.
評価項目②たわみの微分方程式を理解し,適切な境界条件を与えることにより,はりのたわみ等を8割以上求めることができる.たわみの微分方程式を理解し,適切な境界条件を与えることにより,はりのたわみ等を6割以上求めることができる.たわみの微分方程式を理解し,適切な境界条件を与えることにより,はりのたわみ等を求めることができない.
評価項目③モールの定理を用いて,はりのたわみ等を8割以上求めることができる.モールの定理を用いて,はりのたわみ等を6割以上求めることができる.モールの定理を用いて,はりのたわみ等を求めることができない.
評価項目④仮想仕事の原理を用いて,はりのたわみ等を8割以上求めることができる.仮想仕事の原理を用いて,はりのたわみ等を6割以上求めることができる.仮想仕事の原理を用いて,はりのたわみ等を求めることができない.
評価項目④ひずみエネルギーの算定と,カステリアーノの定理を利用し,はりのたわみ等を8割以上求めることができる.ひずみエネルギーの算定と,カステリアーノの定理を利用し,はりのたわみ等を6割以上求めることができる.ひずみエネルギーの算定と,カステリアーノの定理を利用し,はりのたわみ等を求めることができない.
評価項目⑥各種の境界条件における柱の座屈荷重を8割以上求めることができる.各種の境界条件における柱の座屈荷重を6割以上求めることができる.各種の境界条件における柱の座屈荷重を求めることができない.
評価項目⑦応力法を用いて不静定構造物を8割以上解くことができる.応力法を用いて不静定構造物を6割以上解くことができる.応力法を用いて不静定構造物を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は構造力学Ⅰをさらに発展させた内容であるため,前提として構造力学Ⅰを修得しているものとして授業を進める.まず前期では,断面に生じる任意方向の応力を求める方法について学習し,つぎに,はりの変形を求めることを目的として,たわみの微分方程式を用いたはり部材の力学と,仕事の概念を取り入れたはり部材の力学について学習する.これらを習得するにははり理論に対する十分な理解が必要である.そして後期には実務設計において重要な柱の座屈や応力法を用いた不静定構造物の解法について学習する.
授業の進め方・方法:
単に構造解析の手法を習得するにとどまらず,解析結果の妥当性について検証する能力を身につけることもひとつの目標とする.講義は板書を中心に実施するので,講義ノートをまとめること.その上で構造力学で用いられる基本的な仮定をよく理解しておくこと.教科書の練習問題を必ず解くこと.
事前準備の学習:構造力学Ⅱは構造力学Ⅰで学習した内容を基礎としているので昨年度に学習した内容は十分に理解しておくこと.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造力学Ⅰの復習 構造力学Ⅰの内容を理解する
2週 モールの応力円(ALのレベル:C) モールの応力円を理解する
3週 モールの応力円(ALのレベル:C) モールの応力円を理解する
4週 はり理論における変形の仮定 はり理論における変形の仮定を理解する
5週 曲げの問題と伸縮の問題 曲げの問題と伸縮の問題を理解する
6週 はりのたわみの微分方程式の誘導 はりのたわみの微分方程式の誘導を理解する
7週 中間試験
8週 幾何学的な境界条件と力学的な境界条件(ALのレベル:C) 幾何学的な境界条件と力学的な境界条件を理解する
2ndQ
9週 たわみの微分方程式の解法-4階の微分方程式(ALのレベル:C) たわみの微分方程式の解法として4階の微分方程式を理解する
10週 たわみの微分方程式の解法-2階の微分方程式 たわみの微分方程式の解法として2階の微分方程式を理解する
11週 たわみの微分方程式によるたわみの計算 たわみの微分方程式によるたわみの計算を理解する
12週 たわみの微分方程式によるたわみの計算 たわみの微分方程式によるたわみの計算を理解する
13週 モールの定理 モールの定理を理解する
14週 モールの定理を用いたたわみの解法 モールの定理を用いたたわみの解法を理解する
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など
後期
3rdQ
1週 剛体と弾性はりに対する仮想仕事の原理(ALのレベル:C) 剛体と弾性はりに対する仮想仕事の原理を理解する
2週 単位荷重法(ALのレベル:C) 単位荷重法を理解する
3週 仮想仕事の原理を用いた構造物の解法 仮想仕事の原理を用いた構造物の解法を理解する
4週 温度変化による変位 温度変化による変位を理解する
5週 相反定理 相反定理を理解する
6週 ひずみエネルギー ひずみエネルギーを理解する
7週 中間試験
8週 カステリアーノの定理 カステリアーノの定理を理解する

4thQ
9週 カステリアーノの定理を用いた構造物の解法 カステリアーノの定理を用いた構造物の解法を理解する
10週 柱の座屈荷重の算定 柱の座屈荷重の算定を理解する
11週 オイラーの座屈荷重(ALのレベル:C) オイラーの座屈荷重を理解する
12週 境界条件と有効座屈長 境界条件と有効座屈長を理解する
13週 静定構造と不静定構造 静定構造と不静定構造を理解する
14週 不静定構造物の解法 不静定構造物の解法を理解する
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験平常試験レポート合計
総合評価割合3003008070750
基礎的能力3003008070750
専門的能力00000
分野横断的能力00000