到達目標
①微生物の代謝による炭素、窒素、リンおよび酸素の挙動を理解する。
②生物学的排水処理における各種微生物の制御を理解する。
③河川生態系の成り立ちおよびその劣化要因を理解し、再生手法を学ぶ。
④氾濫原生態系の成り立ちおよびその劣化要因を理解し、再生手法を学ぶ。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
生物学的排水処理における各種微生物による各元素の挙動とその制御方法を説明できる。 | 反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するか正確に説明できる。 | 反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するかほぼ正確に説明できる。 | 反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するか説明できない。 |
河川・氾濫原の生物多様性劣化がどのようにして起こるのか、その再生事業にはどのようなものがあるかを説明できる。
多自然川づくりの基本的な考え方と,川の物理的な特性と利用する生物との関係を説明できる。 | 河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例を正確に説明できる。
河川形態とその構造、生物との関係を踏まえて、環境に配慮した川づくりにおける目標設定や評価手法、具体的な河川工法の例について正確に説明できる。 | 河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例をほぼ正確に説明できる。
河川形態とその構造、生物との関係を踏まえて、環境に配慮した川づくりにおける目標設定や評価手法、具体的な河川工法の例についてほぼ説明できる。 | 河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例を説明できない。
河川形態とその構造、生物との関係を踏まえて、環境に配慮した川づくりにおける目標設定や評価手法、具体的な河川工法の例について説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生物学的排水処理において、処理の目的に対して、生物学的な因子を理解した上で、反応槽の仕様や運転因子の制御を理解する。
陸水生態系の中で河川・氾濫原生態系および生物多様性の成り立ちを理解するとともに、人為的改変によるそれらの劣化と再生手法に関して学ぶ。
環境に配慮した川づくりについて、その基本的な考え方や川の物理的な特性と利用する生物との関係を理解した上で、具体的な河川工法や環境の目標設定、評価方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
1〜7週の授業は、板書と配付プリントを中心に説明する。環境工学Ⅰで習得した標準活性汚泥法が基礎になるため、講義の前後に当該範囲の予習と復習すること。
8〜14週の授業は、配布プリントとパワーポイントでの講義を中心に行う。河川生態学(川那部・水野監修、中村編2013)、多自然川づくりポイントブックIII,川の環境目標を考える(中村太士・辻本哲郎・ 天野邦彦監修,2008)等を参考にすると良いが、基本的に配布プリントの内容のみで理解可能である。また、授業中に小テストを行う。
遠隔授業対応は、1〜7週である。
英語導入:Technical terms
注意点:
成績評価の方法:
期末試験と小テスト(8〜14週)を実施する。
試験には教室外学習の内容を含む。
期末試験(1〜7週分:50点、8〜14週分:36点)と小テスト(8〜14週分:14点)を合計し、得点率(%)で成績評価とする。
岐阜高専デュプロマポリシー:( D-2)材料・バイオ系100%
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
生物学的排水処理の概要、有機物の分解機構 |
生物学的排水処理の概要を説明でき、有機物分解の過程を理解している。(教室外学習)有機物分解に関与する微生物の生態的特徴と活性汚泥法における役割をまとめる。
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2週 |
窒素除去、リン除去 |
窒素除去とリン除去を理解している。リン除去後の処理水質を計算できる。(教室外学習)地球上における各元素の循環をまとめる。窒素(硝化・脱窒)除去、リン除去に関与する微生物の生態学的特徴をまとめる。
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3週 |
循環式硝化脱窒法(窒素、リン除去)(ALのレベルC) |
循環式硝化脱窒法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)窒素除去に関する設計因子を計算方法の概要をまとめる。
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4週 |
循環式硝化脱窒法(窒素、リン除去)(ALのレベルC) |
種々の反応槽のを組み合わせる窒素とリンを除去できる原理を理解している。(教室外学習)各反応槽での微生物の生態的特徴をまとめる。
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5週 |
オキシデーションディッチ法
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オキシデーションディッチ法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)オキシデーションディッチ法で利用できる微生物をまとめる。
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6週 |
酸素活性汚泥法 |
酸素活性汚泥法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)各法の原理と標準活性汚泥法との違いをまとめる。
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7週 |
嫌気性処理 |
嫌気性処理の必要性と原理を理解している。(教室外学習)嫌気性処理の適用性と、有機物の代謝機構についてまとめる。
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8週 |
陸水生態学 |
陸水生態系の種類と生物多様性の劣化要因に関して理解している。(教室外学習)陸水生態系の種類と生物多様性の劣化要因についてまとめる
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4thQ |
9週 |
河川生態系:河川連続体仮説(ALのレベルC) |
河川に棲む生物と餌資源が、上流から下流にかけてどのように変化するかを理解している(河川連続体仮説)。(教室外学習)河川連続体仮説についてまとめる。
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10週 |
河川生態系:遺伝的多様性について(ALのレベルC) |
種の存続のための生物種内の遺伝的多様性の重要性と河川棲生物種の遺伝構造の分析手法について理解している。(教室外学習)河川棲生物種の遺伝構造の分析手法についてまとめる。
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11週 |
川づくりの歴史と多自然川づくり(ALのレベルC) |
戦後から現代に至るまでの国内における川づくりの変遷と、戦後と現代の川づくりの基本的な考え方と課題について理解する。(教室外学習)川づくりの歴史と戦後と現代の川づくりの考え方の違いや今後の課題についてまとめる。
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12週 |
川の構造と河川生物の関係(ALのレベルC) |
川の基本的な構造や分類,形成メカニズムと生物の生息・生育・繁殖環境について理解する。(教室外学習)川の構造や分類・形成メカニズムと生物の利用形態についてまとめる。
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13週 |
環境に配慮した河川工法(ALのレベルC) |
川の物理的な特性を意識しつつ,環境に対して効果的な河川工法は何か選択できる。(教室外学習)河川工法によって期待される効果,適用(制約)条件等を整理する。
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14週 |
河川環境の目標と評価(ALのレベルC) |
河川環境の目標設定における基本的な考え方と既存の評価方法について理解する。(教室外学習)河川環境の目標設定における考え方と評価手法の種類についてまとめる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
フォローアップ 試験の返却と解説、成績・欠課時数の確認 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 環境 | 生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 30 | 50 |
専門的能力 | 50 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |