環境生物・生態学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 環境生物・生態学
科目番号 0111 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 角野 晴彦,末吉 正尚,東川 航

到達目標

①微生物の代謝による炭素、窒素、リンおよび酸素の挙動を理解する。
②生物学的排水処理における各種微生物の制御を理解する。
③河川生態系の成り立ちおよびその劣化要因を理解し、再生手法を学ぶ。
④氾濫原生態系の成り立ちおよびその劣化要因を理解し、再生手法を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
生物学的排水処理における各種微生物による各元素の挙動とその制御方法を説明できる。反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するか正確に説明できる。反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するかほぼ正確に説明できる。反応槽の構成や運転因子の制御等によって、どの微生物を利用して何を目的に処理するか説明できない。
河川・氾濫原の生物多様性劣化がどのようにして起こるのか、その再生事業にはどのようなものがあるかを説明できる。河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例を正確に説明できる。河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例をほぼ正確に説明できる。河川・氾濫原生態系の基本構造を理解したうえで、それらの劣化状況と再生手法の事例を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物学的排水処理において、処理の目的に対して、生物学的な因子を理解した上で、反応槽の仕様や運転因子の制御を理解する。
陸水生態系の中で河川・氾濫原生態系および生物多様性の成り立ちを理解するとともに、人為的改変によるそれらの劣化と再生手法に関して学ぶ。
授業の進め方・方法:
1〜7週の授業は、板書と配付プリントを中心に説明する。環境工学Ⅰで習得した標準活性汚泥法が基礎になるため、講義の前後に当該範囲の予習と復習すること。
8〜14週の授業は、配布プリントとパワーポイントでの講義を中心に行う。河川生態学(川那部・水野監修、中村編2013)等を参考にすると良いが、基本的に配布プリントの内容のみで理解可能である。また、授業中に小テストを行う。
英語導入:Technical terms
注意点:
成績評価の方法:
期末試験と小テスト(8〜14週)を実施する。
試験には教室外学習の内容を含む。
期末試験(1〜7週分:50点、8〜14週分:36点)と小テスト(8〜14週分:14点)を合計し、得点率(%)で成績評価とする。
岐阜高専デュプロマポリシー:( D-2)材料・バイオ系100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生物学的排水処理の概要、有機物の分解機構 生物学的排水処理の概要を説明でき、有機物分解の過程を理解している。(教室外学習)有機物分解に関与する微生物の生態的特徴と活性汚泥法における役割をまとめる。
2週 窒素除去、リン除去 窒素除去とリン除去を理解している。リン除去後の処理水質を計算できる。(教室外学習)地球上における各元素の循環をまとめる。窒素(硝化・脱窒)除去、リン除去に関与する微生物の生態学的特徴をまとめる。
3週 循環式硝化脱窒法(窒素、リン除去)(ALのレベルC) 循環式硝化脱窒法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)窒素除去に関する設計因子を計算方法の概要をまとめる。
4週 循環式硝化脱窒法(窒素、リン除去)(ALのレベルC) 種々の反応槽のを組み合わせる窒素とリンを除去できる原理を理解している。(教室外学習)各反応槽での微生物の生態的特徴をまとめる。
5週 オキシデーションディッチ法
オキシデーションディッチ法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)オキシデーションディッチ法で利用できる微生物をまとめる。
6週 酸素活性汚泥法 酸素活性汚泥法の必要性と原理を理解している。(教室外学習)各法の原理と標準活性汚泥法との違いをまとめる。
7週 嫌気性処理 嫌気性処理の必要性と原理を理解している。(教室外学習)嫌気性処理の適用性と、有機物の代謝機構についてまとめる。
8週 陸水生態学 陸水生態系の種類と生物多様性の劣化要因に関して理解している。(教室外学習)陸水生態系の種類と生物多様性の劣化要因についてまとめる
4thQ
9週 河川生態系:河川連続体仮説(ALのレベルC) 河川に棲む生物と餌資源が、上流から下流にかけてどのように変化するかを理解している(河川連続体仮説)。(教室外学習)河川連続体仮説についてまとめる。
10週 河川生態系:ダムによる影響(ALのレベルC) ダム建設が河川生態系の基盤(水、土砂、餌資源)に与える変化に関して理解してる。(教室外学習)ダムによる河川生態系基盤の変化についてまとめる。
11週 河川生態系:再生事業(ALのレベルC) ダムによる基盤変化が生物に与える影響と、劣化した生態系の再生手法に関して理解している。(教室外学習)ダムによる生態への影響と劣化した生態系の再生手法についてまとめる。
12週 氾濫原生態系:氾濫原の環境と生態系 生物多様性とその保全について理解する。(教室外学習)氾濫原の特異な物理環境特性と生態系についてまとめる。
13週 氾濫原生態系:氾濫原性水生生物による水田利用(ALのレベルC) 水田が氾濫原の代替的な生息地として機能してきたことを理解する。(教室外学習)水稲栽培手法の近代化による生息環境の劣化についてまとめる。
14週 氾濫原生態系:氾濫原の生息地ネットワークの再生(ALのレベルC) 劣化した氾濫原生息地ネットワークをどのように再生するのかを理解する。(教室外学習)自然再生事業の例をまとめる。
15週 期末試験
16週 フォローアップ
試験の返却と解説、成績・欠課時数の確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。5

評価割合

定期試験小テスト合計
総合評価割合8614100
基礎的能力20020
専門的能力661480
分野横断的能力000