基礎力学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎力学
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 土木基礎力学1(実教出版)を用いる.その他,適宜,プリントを配る
担当教員 水野 和憲

到達目標

物理学で学んだ力学と環境都市工学で必要とされる力学の関係を理解しながら,社会基盤整備の中で,設計,施工に必要となる力学の基礎的な知識を修得する.
特に,対象とする物体や材料(構造物・水・土・コンクリート)が変わっても共通する力学的性質を学習する.本授業では「力のつりあい」を徹底的に理解し,これより未知の“力”を求める考え方を理解する.具体的には, 以下の項目を目標とする.
 ①力の性質を理解する
 ②力のつり合い式をたてる
 ③力のつり合い式を解く
 ④物体におよぼす「外力」を理解する
 ⑤物体内部に発生する「内力」を理解する
 ⑥断面の性質を理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力の性質を正確(8割以上)に理解できる。力の性質をほぼ正確(6割以上)に理解できる。力の性質を理解できない。
評価項目2力のつり合い式をたてて,正確(8割以上)に解くことができる。力のつり合い式をたてて,ほぼ正確(6割以上)に解くことができる。力のつり合い式をたてることができない。また、力のつり合い式を解くことができない。
評価項目3物体内部の断面の性質について正確(8割以上)に理解できる。物体内部の断面の性質についてほぼ正確(6割以上)に理解できる。物体内部の断面の性質について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学で学んだ力学と環境都市工学で必要とされる力学の関係を理解しながら,社会基盤整備の中で,設計,施工に必要となる力学の基礎的な知識を修得する.特に,対象とする物体や材料(構造物・水・土・コンクリート)が変わっても共通する力学的性質を学習する.本授業では「力のつりあい」を徹底的に理解し,これより未知の“力”を求める考え方を理解する.
授業の進め方・方法:
授業は,板書やPowerPointを中心に説明を行うので,各自講義ノートを充実させること.
同時に,適宜行う演習問題に積極的に取り組み,理解を深めること.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要,物理学の力学と環境都市工学の力学の関係について 物理学の力学と環境都市工学の力学の関係について理解する
2週 力学を学ぶ前に(単位と次元 他) 単位と次元について理解する
3週 力の性質1(力の種類・単位・法則) 力の種類・単位・法則について理解する
4週 力の性質2(力の表し方:合成・分解) 力の表し方:合成・分解を理解し、計算できる
5週 力の性質3(力のモーメント) 力のモーメントを理解する
6週 力の性質4(力のつりあい1)・・・物体が質点の場合 力のつりあい式をたて、未知の外力を計算できる
7週 力の性質5(力のつりあい2)・・・物体が剛体の場合 力のつりあい式をたて、未知の外力を計算できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 物体(剛体)に作用する外力と力のつりあい1(荷重の形状と地盤が支える力=反力) 反力について理解する
10週 物体(剛体)に作用する外力と力のつりあい2(集中荷重が作用した場合の反力の計算) 反力を計算できる
11週 物体(剛体)に作用する外力と力のつりあい3(分布荷重が作用した場合の反力の計算) 反力を計算できる
12週 物体(剛体)の内部に発生する内力と力のつりあい1(断面にはたらく力(=内力)の概念) 断面力を計算できる
13週 物体(剛体)の内部に発生する内力と力のつりあい2(断面に垂直な方向の内力) 断面力を計算できる
14週 物体(剛体)の内部に発生する内力と力のつりあい3(断面に平行な方向の内力+曲げモーメント) 断面力を計算できる
15週 基礎力学前半のまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 物体の断面の性質1(断面一次モーメント) 断面一次モーメントについて理解する
2週 物体の断面の性質2(図心およびその実験) 図心について理解し、模型と計算で求めることができる
3週 物体の断面の性質3(断面二次モーメント) 断面二次モーメントについて理解する
4週 物体(弾性体)の変形1(応力とひずみ) 応力とひずみについて理解する
5週 物体(弾性体)の変形2(応力とひずみの関係)・・・弾性体 弾性体について理解する
6週 物体(弾性体)の変形3(変形している物体内に生じる応力1)・・・引張/圧縮 物体の変形について理解する
7週 物体(弾性体)の変形4(変形している物体内に生じる応力2)・・・鋼材の引張試験 物体の変形について理解する
8週 中間試験
4thQ
9週 物体(流体)の内部に発生する内力と力のつりあい4(水の重量) 水の性質について理解する
10週 物体(流体)の内部に発生する内力と力のつりあい5(静水圧) 静水圧について理解する
11週 物体(剛体)に作用する外力と力のつりあい5 (水が構造物におよぼす力) 水が構造物におよぼす力について理解する
12週 流体内におかれた物体の力のつりあい(浮力) 浮力を計算できる
13週 物体(地盤)の内部に発生する内力と力のつりあい6(土の重量) 土の重量について計算できる
14週 物体(地盤)の内部に発生する内力と力のつりあい7(静止土圧) 地盤内応力について理解する
15週 フォローアップ(期末試験解答の解説など)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造力の定義、単位、要素について説明できる。3
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。2
力の合成と分解について理解し、計算できる。3
力のつり合いについて理解している。3
構造物の種類やその安定について理解している。2
構造物に作用する荷重の種類について理解している。2
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。3
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。3
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。2
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。2
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。1
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。3
鋼材の力学的性質について理解している。2
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。1
垂直応力とせん断応力について説明できる。1
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
水理水理学で用いる単位系を説明できる。2
水の基本的な性質について説明できる。2
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2
浮力と浮体の安定を計算できる。2

評価割合

前期中間試験前期期末試験後期中間試験後期期末試験課題・平常試験その他合計
総合評価割合1001001001001000500
得点1001001001001000500