概要:
本実験では、環境都市工学科の既習事項を基として、複数の学生が協力して、自ら課題を設定し、Plan計画、Do実施、Check評価、Action対策について総合的に学習する。資料準備、討議、合意形成、方法手順の検討、装置器具の準備、装置等作成、結果の整理、考察、発表、改善の提案というPBL(Problem Based Learning)により、課題解決型エンジニアの基礎となる資質をより深く学ぶ。
授業の進め方・方法:
検討や提案に留まらず、ものづくりや外部発表等の行動にまで至るので、積極的に参加する。課題遂行にあたっては、討議、思索、試行を積み上げることも重要である。成果の報告については、レポートあるいはプレゼンテーションによって行う。なおグループ毎に課題解決験を行うため、個々の協調性およびチームワークも必要である。成果だけでなく、それに至る過程が重要であるため、できる限り記録を残し、整理発表できるようにしておく。
PBL課題は次のようである。
課題①パテントコンテスト、課題「社会基盤におけるユニバーサルデザイン」または「社会基盤における安心・安全な生活に関する知的財産権と技術提案」
課題②オープンキャンパス、課題「環境都市工学科の魅力を中学生に伝える」
(事前準備の学習)各種コンテストの応募要領を理解しておく
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(パテコン,オープンキャンパスの概略),合意形成技法①「ファシリテーション」の講義・実践 (ALのレベル A) |
ファシリテーションを理解する.
|
2週 |
課題① 知的財産権・特許法の講義,パテントコンテストの説明 (ALのレベル B) |
知財を理解する.
|
3週 |
課題① 合意形成技法②「ブレーンストーミング」によるアイデア出しと整理,先行事例調査(知財検索) (ALのレベル A) |
知財検索の方法と問題解決の技法を理解する.
|
4週 |
課題① 合意形成技法③「目的手段系統図(Purpose Measure Diagram, PMD)」による方法の具体化 (ALのレベル A) |
問題解決の技法を理解する.
|
5週 |
課題② オープンキャンパスの説明,合意形成技法を用いた催しの決定,実行計画の作成 (ALのレベル B) |
合意形成の技法を活用し実践できる.
|
6週 |
課題② オープンキャンパスの催しの準備・製作 (ALのレベル B) |
実行計画から,詳細計画と行動に展開できる.
|
7週 |
課題① 中間発表会の準備 (ALのレベル B) |
中間発表会で提案すべき内容を整理する.
|
8週 |
課題① 中間発表会 (ALのレベル B) |
質疑内容および他の班の発表内容を理解する.
|
2ndQ |
9週 |
課題① アイデアの自己評価・改善 (ALのレベル A) |
中間発表を踏まえて改善内容を提案する.
|
10週 |
課題① アイデアの整理と最終発表の準備 (ALのレベル B) |
最終発表会で提案すべき内容を精査する.
|
11週 |
課題① 最終発表 (ALのレベル B) |
質疑内容および他の班の発表内容を理解する.
|
12週 |
課題② オープンキャンパスの催しの準備・製作 (ALのレベル B) |
資料,材料,器具等を準備・製作する.
|
13週 |
課題② オープンキャンパスの催しの実演リハーサル (ALのレベル B) |
他者からの意見を理解する.他の班の発表を理解する.
|
14週 |
課題② オープンキャンパスの催しの改善 (ALのレベル B) |
装置等の製作,実演(コンテンツ進行)の課題を精査し催しを改善する.
|
15週 |
全体ふりかえり,成績評価および欠課時数の確認 |
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |