応用物理

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 物理学基礎(原 康夫,学術図書出版社)(教科書)、センサー物理I+II(啓林館)(参考書)工学に関する基礎の頻出問題(資格試験研究会編、実務教育出版)(参考書)
担当教員 小川 信之

到達目標

以下の項目を到達目標とする。
①熱力学の考え方を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
②力学・電磁気・光に関する実験を実施し考察することができる。
③電磁気学の考え方を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
④力学を微積分やベクトルを用いて理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の知識を工学的問題に適用して説明することができる。熱力学を理解し、関連する問題を正確に(6割以上)解くことができる。熱力学に関する問題を正確に解くことができない。
評価項目2実施した実験から工学的問題に応用して考察することができる。力学・電磁気・光に関する実験を実施でき、ほぼ正確に(6割以上)考察できる。力学・電磁気・光に関する実験に関して考察できない。
評価項目3電磁気学の知識を工学的問題に適用して説明することができる。電磁気学を理解し、関連する問題をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。電磁気学に関する問題を正確に解くことができない。
評価項目4工学に現れる力学現象を微積分やベクトルを適用して正確に説明することができる。具体的な力学問題を微積分やベクトルを用いてほぼ正確に(6割以上)解くことができる。力学問題を微積分やベクトルを用いて正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基本(運動、電磁気、熱など)、応用(物理工学、応用物理、現代物理)を学ぶことで、様々な現象を理解する。基礎では、1、2年で既に学習した物理の内容を応用物理の観点より現実の現象との対応において再構築する。
授業の進め方・方法:
授業では2年次までの基礎物理,基礎数学の知識を基に講義を行う。
注意点:
講義では、受身ではなくて、講義に参加する積極性が重要である。講義の内容は、幅広い応用分野にわたるので、具体的な例などによる理解が肝心である。
学習・教育目標 (D-2)100% 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験(説明日)
(ALのレベルC)
実験についての諸内容を理解して適用・評価できる。
2週 実験(単振子、 重力加速度の測定 、ヤング率の測定 )
(ALのレベルA)
適切な実験実施を行う。
3週 実験(慣性モーメントの測定 、 力学的エネルギー保存則、運動三大法則)(ALのレベルA) 適切な実験実施を行う。
4週 実験(レーザ光回析、サーキットトレーナー、光電管)
(ALのレベルA)
適切な実験実施を行う。
5週 静電誘導、電場、電気力線
(ALのレベルC)
静電誘導、電場、電気力線を理解して適用・評価できる。
6週 電流、起電力、磁場
(ALのレベルB)
電流、起電力を理解して適用・評価できる。
7週 電場、クーロンの法則
(ALのレベルC)
電場、クーロンの法則を理解して適用・評価できる。
8週 中間試験 前期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。
2ndQ
9週 熱量保存、比熱
(ALのレベルC)
熱について理解し,熱平衡問題が扱える.
10週 理想気体の状態方程式
(ALのレベルC)
理想気体の状態方程式を習得する.
11週 熱のする仕事
(ALのレベルC)
熱力学第一法則を使って状態変化の説明ができる.
12週 カルノーサイクルとカルノーの原理
(ALのレベルC)
熱サイクルの計算について習得する.
13週 気体分子運動論
(ALのレベルB)
気体分子運動論を説明できる.
14週 熱力学第二法則
(ALのレベルC)
熱力学第二法則を使って熱現象の説明ができる.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答・解説
後期
3rdQ
1週 コンデンサー
(ALのレベルB)
コンデンサーを理解して適用・評価できる。
2週 電流、オームの法則、電気抵抗
(ALのレベルC)
オームの法則を理解して適用・評価できる。
3週 キルヒホッフの法則、ジュール熱、電力(ALのレベルB) キルヒホッフの法則を理解して適用・評価できる。
4週 磁場(ALのレベルC) 磁場を理解して適用・評価できる。
5週 電磁力、ローレンツ力
(ALのレベルA)
電磁力を理解して適用・評価できる。
6週 誘導起電力(ALのレベルB) 誘電起電力を理解して適用・評価できる。
7週 演習(ALのレベルC) これまでの内容を融合した問題を適切に扱うことができる。
8週 中間試験 後期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。
4thQ
9週 運動の記述
(ALのレベルC)
微分と積分を使って運動を表現できる.
10週 力と運動の法則
(ALのレベルC)
運動方程式を微分方程式として理解して適用・評価できる。
11週 仕事とエネルギー
(ALのレベルC)
仕事とエネルギーをベクトル演算により理解して適用・評価できる。
12週 運動量
(ALのレベルC)
運動量保存則と力学的エネルギー保存則の導出を理解して適用・評価できる。
13週 回転運動
(ALのレベルC)
回転運動を微分の考え方を通して理解して適用・評価できる。
14週 単振動
(ALのレベルB)
単振動を微分方程式を通して理解して適用・評価できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3

評価割合

前期中間試験前期期末試験前期課題プレ到達度試験後期中間試験後期期末試験後期課題学習到達度試験合計
総合評価割合10010050501001005050600
基礎的能力50500505050050300
専門的能力505000505000200
分野横断的能力0050000500100