数値計算法

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 数値計算法
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 工学のためVBA VBAプログラミン基礎(村木正芳,東京電機大学出版局 ,2009 .10.10 )
担当教員 鈴木 正人,菊 雅美

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
①VBAエディタを使用し,マクロを組める
②VBAで基本的なプログラムを組み,実行できる
③VBAで分岐,ループ,関数を含んだプログラムを作成できる
④VBAで基礎的な数値計算を行える
⑤非線形方程式の解を数値計算処理により求めることができる
⑥連立一次方程式の解を数値計算処理により求めることができる
⑦数値計算処理により関数近似を行える
⑧数値計算処理により定積分の解を求めることができる
⑨常微分方程式の近似解を数値計算処理により求めることができる
⑩実践的な数値計算処理を行える

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1VBAエディタを使用しマクロを正確に(8割以上)編集することができるVBAエディタを使用しマクロをほぼ正確に(6割以上)編集することができるVBAエディタを使用しマクロを編集することができない
評価項目2VBA言語を用いて基本的なプログラムを正確に(8割以上)組むことができるVBA言語を用いて基本的なプログラムをほぼ正確に(6割以上)組むことができるVBA言語を用いて基本的なプログラムを組むことができない
評価項目3VBA言語で分岐とループ,および関数を含んだプログラムを正確に(8割以上)組むことができるVBA言語で分岐とループ,および関数を含んだプログラムをほぼ正確に(6割以上)組むことができるVBA言語で分岐とループ,および関数を含んだプログラムを組むことができない
評価項目4VBA言語で基礎的な数値計算を正確に(8割以上)行うことができるVBA言語で基礎的な数値計算をほぼ正確に(6割以上)行うことができるVBA言語で基礎的な数値計算を行うことができない
評価項目5非線形方程式の解を反復法,ニュートン法を用いて正確に(8割以上)解くことができる非線形方程式の解を反復法,ニュートン法を用いてほぼ正確に(6割以上)解くことができる非線形方程式の解を反復法,ニュートン法を用いて解くことができない
評価項目6非線形方程式の解を反復法,ニュートン法を用いて正確に(8割以上)解くことができる連立方程式の解を反復法,ガウスの消去法を用いてほぼ正確に(6割以上)解くことができる非線形方程式の解を反復法,ニュートン法を用いて解くことができない
評価項目7ラグランジュ補間,最小二乗法を用いて正確に(8割以上)補間できるラグランジュ補間,最小二乗法を用いてほぼ正確に(6割以上)補間できるラグランジュ補間,最小二乗法を用いて補間できない
評価項目8区分求積法,台形法,シンプソン法を用いて正確(8割以上)に積分することができる区分求積法,台形法,シンプソン法を用いてほぼ正確(6割以上)に積分することができる区分求積法,台形法,シンプソン法を用いて積分することができない
評価項目9オイラー法,ルンゲクッタ法を用いて正確に(8割以上)常微分方程式の近似解を求めることができるオイラー法,ルンゲクッタ法を用いてほぼ正確に(6割以上)常微分方程式の近似解を求めることができるオイラー法,ルンゲクッタ法を用いて常微分方程式の近似解を求めることができない
評価項目10ルンゲクッタ法によって開水路不等流の水面形を正確(8割以上)に求められるルンゲクッタ法によって開水路不等流の水面形をほぼ正確(6割以上)に求められるルンゲクッタ法によって開水路不等流の水面形を求めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
科学技術における共通の情報技術リテラシープログラミング能力を身につける.また,工学の分野で多用される数値計算法について学ぶ.身につけたプログラミング能力を活かし,数値計算法をプログラムとして実現することで,より数値計算法に対する理解を深める.
これら一連の学習を通し,プログラミング能力と数値計算法が,専門科目の主要分野で応用できる能力を涵養する.
授業の進め方・方法:
前期は,ExcelVBA言語によるプログラミングの講義および演習を主体に行う.マクロの作成から始めてVBA言語に慣れ親しんだ後は,VBA言語を用いた数値計算の初歩について学ぶ.
後期は,環境都市工学の分野で必要となる各種の数値計算処理について講義および演習を主体に行う.前期に学んだ知識を活かし,ExcelおよびVBA言語を用いて,実践的な数値計算法について学ぶ.
注意点:
成績評価に教室外学修の内容は含まれる.
学習・教育目標:(D-1数学系)50%,(E)50%
JABEE 基準1(1):(c)(c)(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 VBAプログラムの実行と終了 マクロの記録と実行ができる.
2週 VBAプログラムの編集(VBAエディタの使用方法) VBAプログラムが編集できる
3週 VBA記述の基本 簡単なVBAプログラムを入力し,実行できる
4週 セルの操作と変数 セルの値を入出力できる
5週 簡単な計算とプログラムの流れ フローチャートを自分で描くことができる
6週 分岐を使ったプログラムその1 分岐の文法を理解する
7週 分岐を使ったプログラムその2 分岐を使ったプログアムを組むことができる
8週 中間試験
2ndQ
9週 繰り返し処理を使ったプログラムその1 繰り返しの文法を理解する
10週 繰り返し処理を使ったプログラムその2 二分法を理解し計算することができる.(教室外学修)二分法プログラミング
11週 配列変数を用いたプログラム 逐次近似法を理解し計算することができる.(教室外学修)逐次近似法プログラミング
12週 ファンクションとプロシージャ ニュートン法を理解し計算することができる.(教室外学修)ニュートン法プログラミング
13週 VBAを用いた基礎的な数値計算の方法その1 黄金分割法を理解し計算することができる.(教室外学修)黄金分割法プログラミング
14週 VBAを用いた基礎的な数値計算の方法その2 これまで学んだ計算手法の特徴を理解する
15週 期末試験の解答の解説および総括 期末試験で間違えた箇所を確認する
16週
後期
3rdQ
1週 繰り返し計算による波長の算出1(ALのレベルC) アルゴリズムとフローチャートについて説明できる.
"波長を求める VBA プログラムを作成する."
2週 繰り返し計算による波長の算出2(ALのレベルC) VBAによって繰り返し計算が行える.波長の基本的な性質について説明できる.
"波長を求める VBA プログラムを作成する."
3週 連立1次方程式の解法1(反復法)(ALのレベルC) 連立1次方程式を反復法によって解ける.
"反復法や消去法により,連立 1 次方程式の解を求める."
4週 連立1次方程式の解法2(反復法・消去法)(ALのレベルC) 連立1次方程式を反復法や消去法によって解ける.
"反復法や消去法により,連立 1 次方程式の解を求める."
5週 連立1次方程式の解法3(消去法)(ALのレベルC) 連立1次方程式を消去法によって解ける.
"反復法や消去法により,連立 1 次方程式の解を求める."
6週 関数近似1(ラグランジュ補間)(ALのレベルC) ラグランジュ補間による関数近似を行える.
"ラグランジュ補間や最小二乗法により,離散値の補間を行う."
7週 関数近似2(最小二乗法)(ALのレベルC) 最小二乗法による関数近似を行える.
"ラグランジュ補間や最小二乗法により,離散値の補間を行う."
8週 中間試験 "中間試験で間違えた箇所の復習を行う. "
4thQ
9週 数値積分の解法1(区分求積法)(ALのレベルC) 区分求積法によって数値積分を行える.
"区分求積法,台形法,シンプソン法により数値積分を行う."
10週 数値積分の解法2(シンプソン法)(ALのレベルC) シンプソン法によって数値積分を行える.
"オイラー法,ルンゲクッタ法により,常微分方程式の近似解を求める."
11週 常微分方程式の解法1(オイラー法)(ALのレベルC) オイラー法によって数値積分を行える.
"オイラー法,ルンゲクッタ法により,常微分方程式の近似解を求める."
12週 常微分方程式の解法2(ルンゲクッタ法)(ALのレベルC) 常微分方程式を数値的に解くことができる.数値計算の実現象への適用例について説明できる.
"開水路不等流の水面形をルンゲクッタ法により求める."
13週 開水路不等流の水面形1(ALのレベルC) 常微分方程式を数値的に解くことができる.数値計算の実現象への適用例について説明できる.
"開水路不等流の水面形をルンゲクッタ法により求める."
14週 開水路不等流の水面形2(ALのレベルC) 常微分方程式を数値的に解くことができる.数値計算の実現象への適用例について説明できる.
"開水路不等流の水面形をルンゲクッタ法により求める."
15週 期末試験の解答の解説および総括 "期末試験で間違えた箇所の復習を行う. "
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理開水路流れの基礎方程式について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。3
情報処理アルゴリズムとフローチャートについて説明できる。2後1
コンピュータを用いたデータ処理方法について説明でき、簡単なデータ処理ができる。3

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合20020090490
前期10010040240
後期10010050250