応用数学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 応用数学
科目番号 0153 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 工学系数学テキストシリーズ応用数学(上野監修,工学系数学教材研究会編,森北出版)
担当教員 渡邉 尚彦

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①ベクトル積を理解し,微分演算子を用いた数学的手法を習得する.
②ベクトルの積分を含んだ計算ができる.
③フーリエ級数の考え方を理解し,フーリエ級数を用いて関数を表現できる.
④ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を習得する.
⑤複素数の演算を複素数平面上で理解し,複素関数の微積分ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学現象例についてベクトル解析の演算子を用いて表現できる。ベクトル解析の演算子に関する問題をほぼ正確に解くことができる.ベクトルの演算子に関する問題を解くことができない.
評価項目2スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分を工学問題へ適用することができる.スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題をほぼ正確に解くことができる.スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を解くことができない.
評価項目3フーリエ級数の概念を工学問題へ適用することができる.フーリエ級数に関する問題をほぼ正確に解くことができる.フーリエ級数に関する問題を解くことができない.
評価項目4ラプラス変換を工学問題へ適用して解くことができる.ラプラス変換に関する問題をほぼ正確に解くことができる.ラプラス変換に関する問題を解くことができない.
評価項目5複素関数を工学上の問題に適用することができる.複素関数に関する問題をほぼ正確に解くことができる.複素関数に関する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基にして,広範な工学専門知識に応用される数学的手法を習得する.幾何学的直観や物理的感覚を重視する.計算技術を獲得するとともに,工学現象を数学的に表現し,その意味を解釈できる能力を養うことを目標とする.
授業の進め方・方法:
教科書の流れを中心とし板書とプリントを使用し授業を進める。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
各自ノートを充実させるとともに、演習問題を自分の手で解くこと。発展的な話題を教室外学修課題として出す場合もある。授業では3年次までの微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基に講義を行う。学生は予備知識として微分積分,線形代数の基本的な計算を復習しておくとよい。フーリエ変換、ラプラス変換においては指数・三角関数の積分、線形微分方程式についての知識を前提とする。
なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標 (D-1)100%
JABEE基準1(1):(c)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 一階線形微分方程式(変数分離)
(ALのレベルC)
変数分離によって常微分方程式を解くことができる。(教室外学修:変数分離形の演習)
2週 一階線形微分方程式(同次形,定数変化法)
(ALのレベルC)
同次形,定数変化法を使った微分方程式が解ける。(教室外学修:定数変化法に関する演習)
3週 二階線形微分方程式
(ALのレベルC)
二階線形微分方程式の計算ができる。(教室外学修:二階線形微分方程式に関する演習)
4週 内積と外積
(ALのレベルC)
ベクトルの内積と外積の計算ができる。(教室外学修:内積・外積計算に関する演習)
5週 微分演算子
(ALのレベルA)
微分演算子を用いた計算ができる。(教室外学修:ベクトル微分演算子に関する演習)
6週 勾配
(ALのレベルC)
勾配計算の意味が理解できる。(教室外学修:勾配を利用する例を調査)
7週 ベクトル場の発散と回転
(ALのレベルC)
発散と回転の計算の意味が理解できる。(教室外学修:ベクトル場の発散と回転に関する演習)
8週 中間試験
2ndQ
9週 空間曲線
(ALのレベルC)
空間曲線が表記でき、弧長を計算できる。(教室外学修:空間曲線に関するベクトル表記の演習)
10週 線積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の線積分が計算できる。(教室外学修:線積分に関する演習)
11週 線積分の演習
(ALのレベルC)
特徴的な線積分の性質を理解する。(教室外学修:線積分に関する演習)
12週 面積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の面積分が計算できる。(教室外学修:面積分に関する演習)
13週 面積分の演習
(ALのレベルB)
特徴的な面積分の性質を理解する。(教室外学修:面積分に関する演習)
14週 積分公式
(ALのレベルC)
積分公式を使った計算ができる。(教室外学修:積分公式が応用される例について調査)
15週 期末試験
(ALのレベルC)
16週 学年末試験の解答と解説
(ALのレベルC)
後期
3rdQ
1週 三角関数の積分公式,直交性
(ALのレベルC)
三角関数の直交性を説明できる。(教室外学修:フーリエ級数の応用例を調べる)
2週 フーリエ級数の性質
(ALのレベルC)
フーリエ級数展開ができる。(教室外学修:フーリエ級数に関する演習)
3週 任意周期のフーリエ級数
(ALのレベルC)
任意周期のフーリエ級数展開ができる。(教室外学修:任意周期のフーリエ級数に関する演習)
4週 常微分方程式と偏微分方程式
(ALのレベルB)
境界値問題について説明できる。(教室外学修:微分方程式の復習)
5週 偏微分方程式とフーリエ級数1
(ALのレベルB)
境界値問題に対して固有値固有関数を求めることができる。(教室外学修:境界値問題の演習)
6週 偏微分方程式とフーリエ級数2
(ALのレベルB)
変数分離により偏微分方程式を解くことができる。(教室外学修:変数分離法を用いた偏微分方程式の演習)
7週 中間試験
8週 ラプラス変換・逆変換
(ALのレベルC)
ラプラス変換・逆変換ができる。(教室外学修:ラプラス変換・逆変換の演習)
4thQ
9週 ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習
(ALのレベルC)
ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。(教室外学修:ラプラス変換を用いた微分方程式の演習)
10週 複素数の復習・複素数平面
(ALのレベルC)
複素数を極形式で表し演算することができる。(教室外学修:極形式を利用した計算演習)
11週 基本的な複素関数
(ALのレベルC)
具体的な複素関数の性質を理解する。(教室外学修:複素関数の性質を調べる)
12週 正則関数
(ALのレベルC)
正則関数の性質を理解する。(教室外学修:コーシー・リーマンの方程式の演習)
13週 複素関数の積分
(ALのレベルB)
複素関数の積分を計算できる。(教室外学修:複素積分の演習)
14週 コーシーの積分定理
(ALのレベルC)
コーシーの積分定理を使った積分が計算できる。(教室外学修:積分定理を使った演習)
15週 期末試験
16週 学年末試験の解答と解説
(ALのレベルC)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

前期中間試験前期期末試験課題後期中間試験後期期末試験課題合計
総合評価割合1001005010010050500
基礎的能力1001005010010050500
専門的能力0000000
専門的能力0000000