河川水理学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 河川水理学
科目番号 0181 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 河川工学(川合・和田・神田・鈴木共著,コロナ社,2001)を参考書とする。
担当教員 和田 清,非常勤 未定

到達目標

以下の項目を到達目標とする。
① 開水路非定常流の基礎方程式の理解
② 河川構造物に作用する流体力評価の理解
③ 土砂の輸送形態(浮遊砂・掃流砂)の理解
④ 実務における治水計画の基本的理解
⑤ 実務における総合土砂管理の基本的理解
⑥ 実務における生態系保全の基本的理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1開水路非定常流の連続の式および(エネルギー保存則あるいは運動量保存則から)基礎方程式をほぼ正確に導くことができる。開水路非定常流の連続の式および(エネルギー保存則あるいは運動量保存則から)基礎方程式を導くことができる。開水路非定常流の連続の式および(エネルギー保存則あるいは運動量保存則から)基礎方程式を導くことができない。
評価項目2流水中の物体が流水から受ける抗力・揚力を具体的に計算できる。流水中の物体が流水から受ける抗力・揚力を計算できる。流水中の物体が流水から受ける抗力・揚力を計算できない。
評価項目3掃流砂算定理論を数式を用いないで具体的に説明できる。掃流砂算定理論を数式を用いないで説明できる。掃流砂算定理論を数式を用いないで説明できない。
評価項目4実務における治水計画の基本的な考え方を具体的にわかりやすく説明できる。実務における治水計画の基本的な考え方を説明できる。実務における治水計画の基本的な考え方を説明できない。
評価項目5実務における総合土砂管理の基本的な考え方を具体的にわかりやすく説明できる。実務における総合土砂管理の基本的な考え方を説明できる。実務における総合土砂管理の基本的な考え方を説明できない。
評価項目6実務における生態系保全対策の基本的な考え方を具体的にわかりやすく説明できる。実務における生態系保全対策の基本的な考え方を説明できる。実務における生態系保全対策の基本的な考え方を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理学の知識(流体力学的な手法等)を発展させて、河川工学における実在の流れに生じる現象の取扱い手法(理論および数値解析)を理解する。さらに、実務における治水・生態系保全対策の基本的な考え方を理解する。
授業の進め方・方法:
授業は板書、プレゼン資料等を用いて毎回演習を行い、理解度を高める。
実務における治水・生態系保全対策の基本的な考え方を理解するため、河川技術者(非常勤講師)の講義および現地実習等を行う。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
各自、配付資料、演習などの理解と整理を行い、河川技術者(非常勤講師)の講義および現地実習等を通じて、実務を意識した河川工学の理解が望ましい。
なお、成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標:(D-2 力学系) 100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 開水路の非定常流(基礎方程式、擬似定常流) 開水路非定常流の基礎方程式、擬似定常流を説明できる
(教室外学修)エネルギー保存則あるいは運動量保存則から、基礎方程式を正確に導く
2週 洪水流のモデル化(段波) 段波(洪水流のモデル化)を説明できる
(教室外学修)クライツ・セドンの法則を理解して、種々の水路断面での洪水波の伝播速度を計算する
3週 河川構造物に作用する流体力の評価(1) 流体力(抗力と揚力)を説明できる
(教室外学修)流水中の物体が流水から受ける抗力・揚力を計算する
4週 河川構造物に作用する流体力の評価(2) 境界層の概念を理解し、基礎方程式を説明できる
(教室外学修)次元解析の考え方を利用して近似方程式を求める
5週 土砂移動における限界層流力 土砂移動の形態、限界掃流力を説明できる
(教室外学修)開水路の掃流力を計算する
6週 掃流砂の平衡理論 掃流砂の平衡理論の考え方を説明できる
(教室外学修)開水路の掃流力を計算する
7週 河道の樹林化と土砂の輸送過程
(ALのレベルC)
河道の樹林化のモデル化を理解する
(教室外学修)レイノルズ応力に関連した植生帯の影響を考慮して、土砂の輸送過程を説明する
8週 中間試験
4thQ
9週 河川法と流域計画策定のプロセス 近年の豪雨災害の特性を把握し、治水計画策定手順を理解する
(教室外学修)
河川整備基本方針、河川整備計画の概要を整理する
10週 超過洪水対策と総合治水
(ALのレベルC)
ハード対策とソフト対策の両面から、総合治水を理解する
(教室外学修)木曽三川流域のハザードマップと氾濫解析手法について整理する
11週 河川構造物の類型と機能
(ALのレベルC)
河川構造物(堤防・水制・輪中堤など)の機能、貯水ダム、河口堰の環境影響と軽減策を理解する
(教室外学修)
木曽三川流域の河川構造物の類型と機能について、特徴を整理する
12週 総合土砂管理
(ALのレベルC)
土砂災害対策、環境資源としての土砂動態などを理解する
(教室外学修)
水系一貫の土砂管理の観点から、木曽三川における特徴を整理する
13週 河川における自然再生事業
(ALのレベルC)
河川整備計画における環境計画、アセスメント(計画、事業)の基本を理解する
(教室外学修)
木曽三川流域における多自然川づくり、正常流量の設定手順について整理する
14週 治水や空間利活用を評価軸とした意識調査と経済評価法 治水、利水、環境保全、空間利活用を評価軸とした意識調査と経済評価法を理解する
(教室外学修)
経済評価法(コンジョイント分析、CVMなど)の基本的考え方を整理する
15週 期末試験
16週 試験の解説など  

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。3

評価割合

試験課題レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10010000020220
基礎的能力20200001050
専門的能力807000010160
分野横断的能力010000010