構造力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 構造力学Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:<建築学テキスト>建築構造力学Ⅰ 静定構造力学を学ぶ(坂田弘安他、学芸出版社、2003.11)/参考書:建築構造の力学Ⅰ 第2版(寺本隆幸他、森北出版、2021.2)
担当教員 犬飼 利嗣

到達目標

①建築構造の基本となる構造力学について、主に静定構造物を対象として、部材に生じる応力を求める方法を習得する。
②建築学科で学ぶ鉄骨構造やRC構造など、構造系科目の基本となる重要な科目であるので、構造力学の基礎について確実に説明できることを目標とする。
(1) 力のつりあい意味と計算ができる
(2) 構造物の働く荷重と反力の計算ができる。
(3) 構造物の安定と不安定の判断ができる。
(4) 単純梁の応力の計算と応力図が描ける。
(5) 片持ち梁の応力の計算と応力図が描ける。
(6) ラーメンの応力の計算と応力図が描ける。
(7) トラスの応力の計算と応力図が描ける。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力のつりあいを使った原理に関する問題を8割以上解くことができる。力のつりあいを使った原理に関する問題を6割以上解くことができる。力のつりあいを使った原理に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目2荷重と反力に関する問題をつりあい式により8割以上解くことができる。荷重と反力に関する問題をつりあい式により6割以上解くことができる。荷重と反力に関する問題をつりあい式によりほぼ正確に解くことができない。
評価項目3梁に生じる応力に関する問題を8割以上解くことができる。梁に生じる応力に関する問題を6割以上解くことができる。梁に生じる応力に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目4ラーメン構造物に生じる応力に関する問題を8割以上解くことができる。ラーメン構造物に生じる応力に関する問題を6割以上解くことができる。ラーメン構造物に生じる応力に関する問題をほぼ正確に解くことができない。
評価項目5トラス構造物に生じる応力に関する問題を8割以上解くことができる。トラス構造物に生じる応力に関する問題を6割以上解くことができる。トラス構造物に生じる応力に関する問題をほぼ正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は(1)~(3)、後期は(4)~(5)を基準とし、教科書や試験問題と同レベルの問題で出題し、6割以上の正答レベルに達していること。
(1) 力のつりあいを使った原理が理解できる。
(2) 荷重と反力をつりあい式により正確に求められる。
(3) 梁に生じる応力を正確に求められる。
(4) ラーメン構造物に生じる応力を正確に求められる。
(5) トラス構造物に生じる応力を正確に求められる。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に行うので、各自学習ノートを充実させること。また、参考となる資料を適宜配布するので、自宅学習を充実させ復習に務めること。構造力学の習得においては、問題集を活用して演習を十分に行うことが必要です。
(事前準備の学習)物理A(力のつりあい、作用と反作用)の復習をしておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を身につけるために、予習・復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造力学Ⅰの内容の確認 授業の進め方 静定構造力学の概略が理解できる。
2週 構造力学の計算に必要な数学の復習 連立方程式や三角関数の基本が理解できる。
3週 力とモーメント 力とモーメントが理解できる。
4週 力のつりあい 構造物のモデル化 力のつり合いと構造物へのモデル化の概略が理解できる。
5週 構造物の荷重と反力
(ALのレベル C)
荷重と反力の意味が理解でき、反力が算出できる。
6週 構造物の安定・不安定 静定構造物の安定と不安定が判別できる。
7週 前期前半のまとめ
(ALのレベル C)
静定構造物の力のつり合いが理解でき、反力が算出できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 部材の応力 部材に生じる応力の意味が理解できる。
10週 部材に働く応力 部材に働く応力が理解できる。
11週 梁構造物の応力:片持ち梁 片持ち梁に生じる応力が算出できる。
12週 片持ち梁の演習
(ALのレベル C)
片持ち梁生じる応力図が画ける。
13週 梁構造物の応力:単純梁 単純梁に生じる応力が算出できる。
14週 単純梁の演習
(ALのレベル C)
単純梁生じる応力図が画ける。
15週 期末試験
16週 期末試験模範解答の解説および成績評価の説明、梁構造物の応力のまとめ 梁部材に生じる応力が算出でき、応力図を描くことができる。
後期
3rdQ
1週 構造物の応力図の意味 応力図の意味が理解できる。
2週 ラーメン構造物のしくみ ラーメン架構における力の伝達が理解できる。
3週 ラーメン構造の応力:門形ラーメン構造物 門型ラーメンの柱や梁に生じる応力が算出できる。
4週 門形ラーメン構造物の演習
(ALのレベル C)
門型ラーメンに生じる応力図が画ける。
5週 ラーメン構造の応力:片持ち梁系ラーメン構造物 片持ち梁系ラーメンの柱や梁に生じる応力が算出できる。
6週 片持ち梁系ラーメン構造物の演習 片持ち梁系ラーメンに生じる応力図が画ける。
7週 ラーメン構造の応力:3ヒンジラーメン構造物
(ALのレベル B)
3ヒンジラーメンの柱や梁に生じる応力が算出でき、応力図が画ける。
8週 中間試験
4thQ
9週 後期前半のまとめ ラーメンの柱や梁部材に生じる応力が算出でき、応力図を描くことができる。
10週 トラス構造物のしくみ トラス架構における力の伝達が理解できる。
11週 トラス構造物の応力:数式解法 トラス部材に生ずる応力を節点法で算出できる。
12週 数式解法の演習
(ALのレベル C)
トラス部材に生ずる応力を切断法で算出できる。
13週 トラス構造物の応力:図式解法 クレモナの図式解法が理解できる。
14週 図式解法の演習
(ALのレベル C)
トラス部材に生ずる応力を図式解法で求めることができる。
15週 期末試験
16週 期末試験模範解答の解説および成績評価の説明、静定構造力学総論 静定構造力学の基礎を確実に理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。4
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。4
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。4
ラーメンやその種類について説明できる。2
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000