応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 100 Instructive Calculus-Based Physics Examples: The Laws of Motion( Chris McMullen, Zishka Publishing)(教科書) 基礎物理学 (ドリルと演習シリーズ)(川村康文,電気書院)(参考書)、基礎演習物理学(加藤正昭,サイエンス社)(参考書)、センサー物理(啓林館)(参考書)
担当教員 小川 信之

到達目標

建築の構造や環境の分野と関連する、力学、剛体、弾性体、流体、波などの基礎を学ぶ。

(1) 質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(2) 剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(3) 弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(4) 実験を実施し考察ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1)    質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確に説明することができる。質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(論理的)に説明することができる。質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(2) 剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確に説明することができる。剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(論理的)に説明することができる。剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(3) 弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確に説明することができる。弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(論理的)に説明することができる。弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(4) 実験を実施し考察ができる。実験を実施し、正確で的確な考察をすることができる。実験を実施し、ほぼ正確(論理的)に考察をすることができる。実験を実施し、的確な考察をすることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書の練習問題や講義における演習問題と同レベルの問題を試験で出題し、6割以上の正答レベルまで達していること。なお成績評価への重みは、下記の項目に関して同じ重みとする。
(1) 質点の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(2) 剛体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができる。
(3) 弾性体の物理の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(4) 実験を実施し、6割以上の的確さで考察をすることができるか。
授業の進め方・方法:
講義の内容は、幅広い応用分野にわたるので、具体的な例などによる理解が肝心である。
Oral(50%) Documents(80%)
注意点:
講義では、受身ではなくて、講義に参加する積極性が重要である。
(D-1)100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力の性質、作用・反作用の法則(ALのレベルC) 力の性質、作用・反作用の法則を理解する。
2週 重力、単位(ALのレベルB) 重力、単位を理解する。
3週 物体の平衡(ALのレベルB) 物体の平衡を理解する。
4週 トルク、平衡条件、偶力(ALのレベルA) トルク、平衡条件、偶力を理解する。
5週 摩擦力、摩擦の法則(ALのレベルA) 摩擦力、摩擦の法則を理解する。
6週 摩擦角、摩擦円錐(ALのレベルB) 摩擦角、摩擦円錐を理解する。
7週 仕事、位置エネルギー(ALのレベルB) 仕事、位置エネルギーを理解する。
8週 前期中間試験 前期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。
2ndQ
9週 等加速度運動(ALのレベルC) 等加速度運動を理解する。
10週 運動方程式(ALのレベルB) 運動方程式を理解する。
11週 保存力、ポテンシャルエネルギー(ALのレベルA) 保存力、ポテンシャルエネルギーを理解する。
12週 仕事率(ALのレベルB) 仕事率を理解する。
13週 慣性系(ALのレベルA) 慣性系を理解する。
14週 非慣性系,揚力(ALのレベルC) 非慣性系,揚力を理解する。
15週 前期期末試験 前期期末試験内容に関する問題を適切に解答できる。
16週 フォローアップ(期末試験の解答の解説など) 前期期末試験の範囲の内容を理解して身につける。
後期
3rdQ
1週 慣性モーメント(ALのレベルC) 慣性モーメントを理解する。
2週 回転の運動方程式(ALのレベルB) 回転の運動方程式を理解する。
3週 剛体運動(ALのレベルA) 剛体運動を理解する。
4週 剛体の運動に関する建築分野への応用などの身近な現象(ALのレベルB) 剛体の運動に関する建築分野への応用などの身近な現象を理解する。
5週 固体の弾性的変形(ALのレベルA) 固体の弾性的変形を理解する。
6週 ひずみ、応力、たわみ、ずれ(ALのレベルB) ひずみ、応力、たわみ、ずれを理解する。
7週 地学、地球、地殻、マントル(ALのレベルB) 地学、地球、地殻、マントルを理解する。
8週 後期中間試験 後期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。
4thQ
9週 実験(説明日) 実験についての諸内容を理解する。
10週 実験(第1回)(ALのレベルA) 適切な実験実施を行う。
11週 実験(第2回)(ALのレベルA) 適切な実験実施を行う。
12週 実験(第3回)(ALのレベルA) 適切な実験実施を行う。
13週 ねじれ,トラス(ALのレベルB) ねじれ,トラスを理解する。
14週 弾性体の力学に関する建築分野への応用などの身近な現象(ALのレベルB) 弾性体の力学に関する建築分野への応用などの身近な現象
15週 後期期末試験 後期期末試験内容に関する問題を適切に解答できる。
16週 フォローアップ(期末試験解答解説など) 後期期末試験の範囲の内容を理解して身につける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4
気体の内部エネルギーについて説明できる。4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
電場・電位について説明できる。4
クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4
安全を確保して、実験を行うことができる。4
実験報告書を決められた形式で作成できる。4
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4

評価割合

前期中間試験前期期末試験前期課題後期中間試験後期期末試験後期課題CBT試験合計
総合評価割合3030103030106146
基礎的能力1515015150060
専門的能力1515015150060
分野横断的能力00100010626