現代社会と法

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 現代社会と法
科目番号 0082 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 使用しない/授業毎にプリントを配布する
担当教員 菅原 崇,大矢 武史,児玉 恵理

到達目標

①市民生活に関わる法律の趣旨や内容について理解し、説明できる。
②家族生活に関わる法律の趣旨や内容について理解し、説明できる。
③憲法の役割や基本原理を理解し、憲法と私たちの生活との関わりについて説明できる。
④人権の概念、歴史、現状について理解し、人権保障の役割について説明できる。
⑤統治制度のしくみについて理解し、各機関の役割や特徴について説明できる。

岐阜高専ディプロマポリシー:(A)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
到達目標1市民生活に関わる法律の趣旨や内容に関して積極的に理解しようと努め、知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる。市民生活に関わる法律の趣旨や内容に関して理解しようと努め、知識確認問題をほぼ(6割以上)解くことができる。市民生活に関わる法律の趣旨や内容に関する知識確認問題を解くことができない。
到達目標2家族生活に関わる法律の趣旨や内容に関して積極的に理解しようと努め、知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる。家族生活に関わる法律の趣旨や内容に関して理解しようと努め、知識確認問題をほぼ(6割以上)解くことができる。家族生活に関わる法律の趣旨や内容に関する知識確認問題を解くことができない。
到達目標3憲法の役割や基本原理に関して積極的に理解しようと努め、知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる。憲法の役割や基本原理に関して理解しようと努め、知識確認問題をほぼ(6割以上)解くことができる。憲法の役割や基本原理に関する知識確認問題を解くことができない。
到達目標4人権の概念、歴史、現状に関して積極的に理解しようと努め、知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる。人権の概念、歴史、現状に関して理解しようと努め、知識確認問題をほぼ(6割以上)解くことができる。人権の概念、歴史、現状に関する知識確認問題を解くことができない。
到達目標5統治制度のしくみ、各機関の役割や特徴に関して積極的に理解しようと努め、知識確認問題を正確(8割以上)に解くことができる。 統治制度のしくみ、各機関の役割や特徴に関して理解しようと努め、知識確認問題をほぼ(6割以上)解くことができる。統治制度のしくみ、各機関の役割や特徴に関する知識確認問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は、市民生活の中で法がどのような役割を果たしているのか、日常的に私たちが行う活動は法的にどのような意味をもつのか、ということを念頭におきながら、民法や労働基準法における法原則や法制度の概要、意義、法的効果などについて学ぶ。
後期は、憲法が私たちの生活にどのように関わっているのか、他者と共生するために何が必要か、ということを念頭におきながら、憲法の概念や歴史、人権保障や政治のしくみについて学ぶ。
単に法律知識を詰め込むのではなく、なぜ契約は守らなければならないのか、なぜ一人ひとりに人権が保障されなければならないのか、なぜ日本の国会は二院制なのか、なぜ大統領制ではなく議院内閣制なのか、といった法原理や法制度の背景にある根本的な考え方を学ぶ。
それにより、法的思考力を身につけ、法治国家の一員や主権者として他者を尊重し責任ある行動をとることができる人間性を育む。
授業の進め方・方法:
授業は、講義形式で行う。ただし、積極的に学生に発問をしていくので意見を求められた場合は間違いを恐れず自らの意見を発表するよう努力して欲しい。また、講義後は配付資料や練習問題を参考にしつつ授業ノートを作成し学習内容の理解を深めること。

英語導入計画:なし
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期・イントロダクション
(ALのレベルC)
講義の進め方や評価方法、法律の役割と特徴について理解する。
2週 裁判と法
(ALのレベルC)
裁判の種類と役割、三審制のしくみ、民事裁判の意義や特徴について理解する。
3週 契約と法
(ALのレベルC)
契約の意義と契約の種類、契約の成立要件と法的効果について理解する。
4週 消費生活と法
(ALのレベルC)
契約の無効と取消し、クーリングオフ制度について理解する。
5週 労働と法
(ALのレベルC)
労働時間と休憩時間の法的ルール、残業の法的ルール、三六協定について理解する。
6週 財産と法
(ALのレベルC)
所有権の意義と特徴、物権的請求権について理解する。
7週 不法行為と損害賠償
(ALのレベルC)
不法行為の意義と成立要件、損害賠償の範囲、特殊な不法行為について理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 結婚と法
(ALのレベルC)
婚約および婚姻の法的意義、婚姻の法的効果について理解する。
10週 親子と法(1)
(ALのレベルC)
親族の範囲、親子関係の法的効果、親権について理解する。
11週 親子と法(2)
(ALのレベルC)
認知制度や養子縁組制度の意義と特徴について理解する。
12週 離婚と法
(ALのレベルC)
離婚の種類とそれぞれの特徴、離婚の法的効果について理解する。
13週 相続と法
(ALのレベルC)
相続の意義と特徴、相続の手続、法定相続分、遺留分制度について理解する。
14週 遺言と法
(ALのレベルC)
遺言の意義と特徴、遺言執行の手続、遺言の方式と遺言の法的効果について理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験の返却・理解度の確認および前期学習内容の小括
(ALのレベルC)
到達度の確認、間違えた問題について復習し、理解を深める。
後期
3rdQ
1週 後期・イントロダクション
憲法の意義
(ALのレベルC)
憲法の概念、憲法の存在意義について理解する。
2週 憲法の歴史
(ALのレベルC)
憲法や人権といった概念は、いつ、どこで、どのようにして誕生したのかについて理解する。
3週 憲法の基本原理
(ALのレベルC)
日本国憲法の前文と基本原理、国際協調主義、平和的生存権について理解する。
4週 基本的人権の保障
(ALのレベルC)
個人の尊厳の尊重、人権の概念、人権の種類、人権の制約について理解する。
5週 法の下の平等
(ALのレベルC)
平等権と平等原則、平等の意味、許される差別と許されない差別の違いについて理解する。
6週 自由権
(ALのレベルC)
自由権の意義、自由権の種類と特徴、思想良心の自由、表現の自由について理解する。
7週 社会権
(ALのレベルC)
社会権の意義や特徴、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働基本権について理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 新しい人権
(ALのレベルC)
幸福追求権、プライバシー権、自己決定権、知る権利について理解する。
10週 政治のしくみ
(ALのレベルC)
近代民主主義の条件、国民主権の原理、選挙の意義、三権分立のしくみについて理解する。
11週 国会のしくみ
(ALのレベルC)
国会の憲法上の地位と役割、二院制のメリットデメリットについて理解する。
12週 内閣のしくみ
(ALのレベルC)
政府のしくみと役割、議院内閣制と大統領制の違いについて理解する。
13週 裁判のしくみ
(ALのレベルC)
司法権の独立、法令審査権の意義について理解する。
14週 平和主義と憲法9条
(ALのレベルC)
憲法9条の内容と改正論議、安全保障政策の転換と自衛隊の活動の変化について理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験の返却・理解度の確認および後期学習内容の小括
(ALのレベルC)
到達度の確認、間違えた問題について復習し、理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3

評価割合

中間試験期末試験moodle小テスト合計
総合評価割合20020060460
前期(得点)10010030230
後期(得点)10010030230