応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材  100 Instructive Calculus-Based Physics Examples: Waves, Fluids, (Zishka Publishing, Sound, Heat, and LightChris McMullen)(教科書)、An Introduction to Laplace Transforms and Fourier Series (Springer Undergraduate Mathematics Series)(教科書),基礎解析学(改訂版)(矢野、石原・裳華房)(参考書)、建築と工学、(神田順,彰国社)(参考書)、基礎演習物理学 (加藤正昭,サイエンス社)(参考書)、物理学要点シリーズ熱振動・波動・音 (槙書店)(参考書)、波・光・熱 (小出昭一郎,裳華房)(参考書)
担当教員 小川 信之

到達目標

建築の環境の分野と関連する、熱、波、音響、フーリエ級数などの基礎を学ぶ。

(1) 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(2) 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(3) 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(4) 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(C),(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1) 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を8割以上正確に説明することができる。 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上正確(論理的)に説明することができる。 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(2) 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を8割以上正確に説明することができる。 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上正確(論理的)に説明することができる。 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(3) 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を8割以上正確に説明することができる。 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上正確(論理的)に説明することができる。 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(4) 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を8割以上正確に説明することができる。 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上正確(論理的)に説明することができる。 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書の練習問題や講義における演習問題と同レベルの問題を試験で出題し、6割以上の正答レベルまで達していること。なお成績評価への重みは、下記の項目に関して同じ重みとする。
(1) 熱の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(2) 波、フーリエ級数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(3) 音響の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(4) 建築分野との関連の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
授業の進め方・方法:
講義の内容は、幅広い応用分野にわたるので、具体的な例などによる理解が肝心である。
(事前準備の学習)本科目に関連する基礎知識は習得しておく。
Oral(50%) Documents(80%)
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
講義では、受身ではなくて、講義に参加する積極性が重要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱平衡と温度、熱容量と比熱、熱の仕事当量 (ALのレベルB) 熱平衡と温度、熱容量と比熱、熱の仕事当量(教室外学修)熱・温度・熱容量・比熱のまとめ
2週 熱と分子運動、内部エネルギー、エネルギーと環境(ALのレベルB) 熱と分子運動、内部エネルギー、エネルギーと環境 (教室外学修)内部エネルギーのまとめ
3週 エネルギー変換効率(ALのレベルA) エネルギー変換効率(教室外学修)エネルギー変換のまとめ
4週 熱機関、エントロピー (ALのレベルC) 熱機関、エントロピー(教室外学修)熱機関のまとめ
5週 エクセルギー、熱伝導、対流、熱放射 熱放射のまとめ(ALのレベルB) エクセルギー、熱伝導、対流、熱放射(教室外学修)熱伝導、対流
6週 波と媒質、縦波と横波、波の速さとエネルギー(ALのレベルB) 波と媒質、縦波と横波、波の速さとエネルギー(教室外学修)波と媒質、縦波と横波のまとめ
7週 音波、音の高さ・強さ・音色 (教室外学修)音波、音の高さ・強さ・音色のまとめ (ALのレベルB) 音波、音の高さ・強さ・音色
8週 前期中間試験 前期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。
2ndQ
9週 三角関数の積分公式,直交性
(ALのレベルC)
三角関数の直交性を説明できる。(教室外学修:フーリエ級数の応用例を調べる)
10週 フーリエ級数の概念
(ALのレベルB)
フーリエ級数展開ができる。(教室外学修:フーリエ級数に関する演習)
11週 任意周期のフーリエ級数
(ALのレベルC)
任意周期のフーリエ級数展開ができる。(教室外学修:任意周期のフーリエ級数に関する演習)
12週 フーリエ級数の収束定理とパーセバルの等式
(ALのレベルB)
関数の不連続点での値の扱いを理解する.
13週 常微分方程式と偏微分方程式
(ALのレベルC)
境界値問題について説明できる。(教室外学修:微分方程式の復習)
14週 偏微分方程式とフーリエ級数
(ALのレベルA)
境界値問題に対して固有値固有関数を求めることができる。(教室外学修:境界値問題の演習)
15週 前期期末試験 前期期末試験内容に関する問題を適切に解答できる。
16週 フォローアップ(期末試験の解答の解説など) 前期期末試験の内容を理解して身につける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4
気体の内部エネルギーについて説明できる。4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
電場・電位について説明できる。4
クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4

評価割合

前期中間試験前期期末試験前期課題合計
総合評価割合30303090
基礎的能力15151040
専門的能力15151040
分野横断的能力001010