応用数学A

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学A
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 An Introduction to Laplace Transforms and Fourier Series (Springer Undergraduate Mathematics Series)(教科書),Schaum's Outline of Probability and Statistics, Fourth Edition (Schaum's Outlines),(McGraw-Hill Professional, John J. Schiller Jr.,‎ R. Alu Srinivasan,‎ Murray R Spiegel) (教科書),「新訂 確率統計」(高遠ほか・大日本図書)(参考書),基礎解析学(改訂版)(矢野、石原・裳華房)(参考書)
担当教員 小川 信之

到達目標

以下の項目を目標とする.
①フーリエ級数の考え方を理解し、フーリエ級数を用いて関数を表現できる。
②ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を習得する。
③確率の定義や基本的性質の理解と計算ができる。
④統計の定義や基本的性質の理解と計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1工学現象例についてフーリエ級数の概念を用いて表現できる。フーリエ級数に関する問題をほぼ正確に解くことができる。フーリエ級数に関する問題を解くことができない。
評価項目2工学現象例についてラプラス変換の概念を用いて説明できる。ラプラス変換に関する問題をほぼ正確に解くことができる。ラプラス変換に関する問題を解くことができない。
評価項目3 確率の基本的性質に関する問題を正確に説明することができる。確率の基本的性質に関する問題をほぼ正確(論理的)に説明することができる。 確率の基本的性質に関する問題をほぼ正確(6割以上)の正答率で説明することができる。 確率の基本的性質に関する問題を解くことができない。
評価項目4 統計の基本的性質に関する問題を正確に説明することができる。統計の基本的性質に関する問題をほぼ正確(論理的)に説明することができる。 確率の基本的性質に関する問題をほぼ正確(6割以上)の正答率で説明することができる。 統計の基本的性質に関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書の練習問題と同レベルの問題を試験で出題し,6 割以上の正答レベルまで達していること。
①フーリエ級数に関する問題の計算ができること。(60%以上)
②ラプラス変換に関する問題の計算ができること。(60%以上)
③確率に関する問題の計算ができること。(60%以上)
④統計に関する問題の統計量の計算ができること。(60%以上)
授業の進め方・方法:
授業は教科書に従い講義と演習形式で進める.教科書の問及び練習問題について、問題解法の理解を確実にすること.
Oral(50%) Documents(80%)
注意点:
教科書の問及び練習問題について、各自が十分な学習と問題演習を行い、問題解法の理解を徹底させること.成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
(D-1) 100%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 三角関数の積分公式,直交性
(ALのレベルC)
三角関数の直交性を説明できる。(教室外学修:フーリエ級数の応用例を調べる)
2週 フーリエ級数の概念
(ALのレベルB)
フーリエ級数展開ができる。(教室外学修:フーリエ級数に関する演習)
3週 任意周期のフーリエ級数
(ALのレベルC)
任意周期のフーリエ級数展開ができる。(教室外学修:任意周期のフーリエ級数に関する演習)
4週 フーリエ級数の収束定理とパーセバルの等式
(ALのレベルB)
関数の不連続点での値の扱いを理解する.
5週 常微分方程式と偏微分方程式
(ALのレベルC)
境界値問題について説明できる。(教室外学修:微分方程式の復習)
6週 偏微分方程式とフーリエ級数1
(ALのレベルA)
境界値問題に対して固有値固有関数を求めることができる。(教室外学修:境界値問題の演習)
7週 偏微分方程式とフーリエ級数2
(ALのレベルB)
変数分離により偏微分方程式を解くことができる。(教室外学修:変数分離法を用いた偏微分方程式の演習)
8週 中間試験
2ndQ
9週 様々な関数のラプラス変換
(ALのレベルC)
ラプラス変換の定義について理解できる.(教室外学修:定義に従ってラプラス変換を求める)
10週 ラプラス変換の性質
(ALのレベルB)
変換表を利用してラプラス変換の計算ができる.
11週 ラプラス逆変換
(ALのレベルC)
逆ラプラス変換の計算ができる.(教室外学修:ラプラス逆変換に関する演習)
12週 ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習
(ALのレベルB)
ラプラス変換を用いて微分方程式が解ける.(教室外学修:ラプラス変換を用いた微分方程式の演習)
13週 単位関数・デルタ関数
(ALのレベルA)
単位ステップ関数とデルタ関数のラプラス変換が理解できる.(教室外学修:単位関数・デルタ関数の演習)
14週 合成積・応答
(ALのレベルC)
合成積・伝達関数が説明できる.(教室外学修:応答についての演習)
15週 期末試験
16週 学年末試験の解答と解説
後期
3rdQ
1週 確率の定義と基本的性質  (ALのレベルC) 確率の定義と基本的性質(教室外学修)確率の定義と性質に関する演習問題
2週 いろいろな確率 (ALのレベルB) 条件付き確率と乗法定理(教室外学修)条件付き確率と乗法定理に関する演習問題
3週 いろいろな確率 (ALのレベルA) 事象の独立と反復試行の確率(教室外学修)事象の独立と反復試行の確率に関する演習問題
4週 1次元データの整理 (ALのレベルB) 代表値、散布度(教室外学修)代表値、散布度に関する演習問題
5週 2次元データの整理 (ALのレベルA) 相関と回帰直線の計算(教室外学修)相関と回帰直線の計算に関する演習問題
6週 確率変数と確率分布 (ALのレベルB) 二項分布とポアソン分布(教室外学修)二項分布とポアソン分布に関する演習問題
7週 確率変数と確率分布 (ALのレベルB) 連続型確率分布(教室外学修)連続型確率分布に関する演習問題
8週 前期中間試験  (ALのレベルC)       前期中間試験内容に関する問題を適切に解答できる。(教室外学修)授業前半の総合演習問題
4thQ
9週 確率変数と確率分布 (ALのレベルB) 正規分布(教室外学修)正規分布に関する演習問題
10週 多次元確率変数と標本分布 (ALのレベルB) 多次元確率変数と標本分布(教室外学修)多次元確率変数と標本分布に関する演習問題
11週 多次元確率変数と標本分布 (ALのレベルA) 中心極限定理といろいろな確率分布 (教室外学修)中心極限定理といろいろな確率分布に関する演習問題
12週 母数の推定 (ALのレベルC) 点推定と母平均の区間推定 (教室外学修)点推定と母平均の区間推定に関する演習問題
13週 母数の推定 (ALのレベルB) 母分散、母比率の区間推定 (教室外学修)母分散、母比率の区間推定に関する演習問題
14週 仮説の検定 (ALのレベルB) 母平均、母比率の検定(教室外学修)母平均、母比率の検定に関する演習問題
15週 前期期末試験 (ALのレベルC)       前期期末試験内容に関する問題を適切に解答できる。(教室外学修)授業後半の総合演習問題
16週 フォローアップ(期末試験の解答の解説など)(ALのレベルB)  前期期末の範囲の内容を理解して身につける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4
分数式の加減乗除の計算ができる。4
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4
簡単な連立方程式を解くことができる。4
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4
恒等式と方程式の違いを区別できる。4
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
角を弧度法で表現することができる。4
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4
一般角の三角関数の値を求めることができる。4
2点間の距離を求めることができる。4
内分点の座標を求めることができる。4
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。4
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。4
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。4
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。4
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。4
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。4
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4
合成関数の導関数を求めることができる。4
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。4
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。4
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。4

評価割合

前期中間レポート前期期末試験課題後期中間試験後期期末試験課題合計
総合評価割合303010303010140
基礎的能力151501515060
専門的能力151501515060
分野横断的能力0010001020