建築史Ⅲ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 建築史Ⅲ
科目番号 0103 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 保存原論(鈴木博之,市ヶ谷出版社,2013.5)
担当教員 清水 隆宏

到達目標

(1) 日本における文化財制度について理解する。
(2) 世界各地で歴史的建造物が保存されてきた背景を理解する。
(3) 歴史的建造物の保存活用の効果について理解する。
(4) 歴史的建造物の保存や伝統的建造物群保存地区の保存手法について理解する。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本における文化財制度について十分に理解できる。日本における文化財制度について概ね理解できる。日本における文化財制度について理解できない。
評価項目2世界各地で歴史的建造物が保存されてきた背景について十分に理解できる。世界各地で歴史的建造物が保存されてきた背景について概ね理解できる。世界各地で歴史的建造物が保存されてきた背景について理解できない。
評価項目3歴史的建造物の保存活用の効果について十分に理解できる。歴史的建造物の保存活用の効果について概ね理解できる。歴史的建造物の保存活用の効果について理解できない。
評価項目4歴史的建造物の保存や伝統的建造物群保存地区の保存手法について十分に理解できる。歴史的建造物の保存や伝統的建造物群保存地区の保存手法について概ね理解できる。歴史的建造物の保存や伝統的建造物群保存地区の保存手法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
時代を経て古くなった建築を後世に遺す意義や建物の価値とは何かについて、日本における文化財保護制度の背景や、それによって保護されてきた文化財遺構、世界各地の遺構の保存事例を通して学習し、歴史的建造物の保存の重要性について考える。また、歴史的建造物の保存や伝統的建造物群保存地区の修景の手法、およびそれらの活用について理解する。
授業の進め方・方法:
授業内では多数の事例を画像を示して紹介、また可能な限り歴史的建造物の保存修理工事現場や活用事例の見学を実施する予定である。歴史的建造物の保存再生については、近年世界各地において問題となっており、具体的な事例について自分自身で情報を収集し、保存する意義、建物の価値、保存活用方法について興味を持って自身の考えをまとめて授業に臨んでほしい。
(事前準備の学習)建築史IおよびIIの復習をしておくこと。
英語導入計画:Documents(10%)
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である
なお、成績評価には授業外学習の内容は含まれる

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本における文化財の種類と制度制定の歴史 日本における文化財の種類と制度制定の歴史を理解する
(教室外学修・事前)文化財に指定されている建造物を調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)文化庁HP等で文化財制度の概要を調べる(約2時間)
2週 伝統的建造物群保存地区(1) 伝統的建造物群保存地区の制度を理解する
(教室外学修・事前)伝統的建造物群保存地区の制度について調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)伝統的建造物群保存地区の事例を調べる(約2時間)
3週 伝統的建造物群保存地区(2) 伝統的建造物群保存地区の制度を理解する
(教室外学修・事前)重要伝統的建造物群保存地区の制度について調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)重要伝統的建造物群保存地区の事例をまとめる(約2時間)
4週 登録文化財制度(1) 登録文化財制度を理解する
(教室外学修・事前)登録有形文化財の制度について調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)教科書p.26-p.31を読み、その内容を理解する(約2時間)
5週 登録文化財制度(2) 登録文化財の事例を理解する
(教室外学修・事前)教科書p.40-p.43を読み、その内容を理解する(約2時間)
(教室外学修・事後)登録有形文化財の事例をまとめる(約2時間)
6週 日本の伝統建築の特性[解体・移築] 解体・移築による再利用が可能な日本の伝統建築の特性を理解する
(教室外学修・事前)移築とはどういう行為か自身で調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)教科書p.62-p.65を読み、その内容をまとめる(約2時間)
7週 移築事例の見学(1)(ALのレベルB) 移築の手法を理解する
(教室外学修・事前)事前に配付した見学の注意事項をよく読む(約1時間)
(教室外学修・事後)見学した内容を振り返り、疑問点をまとめる(約3時間)
8週 移築事例の見学(2)(ALのレベルB) 移築事例を理解する
(教室外学修・事前)事前に配付した見学先に関する資料をよく読む(約1時間)
(教室外学修・事後)見学した内容を振り返り、得た知識をまとめる(約3時間)
2ndQ
9週 歴史的建造物を保存する意義(ALのレベルA) 文化的な価値的有意義性を理解する
(教室外学修・事前)歴史的建造物の存在意義について自身の考えをまとめる(約2時間)
(教室外学修・事後)教科書p.13-p.17を読み、その内容を理解する(約2時間)
10週 オーセンティシティ(authenticity) オーセンティシティの考えを理解する
(教室外学修・事前)authenticityの意味について、一般的な意味と建築史的な意味を考える(約2時間)
(教室外学修・事後)教科書p.6-p.12を読み、その内容を理解する(約2時間)
11週 世界遺産 世界遺産の制度を理解する
(教室外学修・事前)世界文化遺産の建造物について調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)改めて教科書p.6-p.12を読み、自身の考えをまとめる(約2時間)
12週 歴史的建造物の保存修復の手法 歴史的建造物の保存修復の手法を理解する
(教室外学修・事前)建築の修復とはどういう行為か自身で調べる(約2時間)
(教室外学修・事後)教科書p.44-p.51を読み、その内容を理解する(約2時間)
13週 保存修復事例の見学(1)(ALのレベルB) 保存修復の手法を理解する
(教室外学修・事前)事前に配付した見学の注意事項をよく読む(約1時間)
(教室外学修・事後)見学した内容を振り返り、疑問点をまとめる(約3時間)
14週 保存修復事例の見学(2)(ALのレベルB) 保存修復事例を理解する
(教室外学修・事前)事前に配付した見学先に関する資料をよく読む(約1時間)
(教室外学修・事後)見学した内容を振り返り、得た知識をまとめる(約3時間)
15週 歴史的建造物保存の問題点 近代建築の保存運動の事例を理解する
(教室外学修・事前)教科書p.70-p.73を読み、その内容を理解する(約2時間)
(教室外学修・事後)近代建築の保存運動の事例を調べてまとめる(約2時間)
16週 歴史的建造物を活かしたまちづくり事例、成績評価の確認 歴史的建造物を活かしたまちづくりを理解する
(教室外学修・事前)教科書p.32-p.35を読み、その内容を理解する(約2時間)
(教室外学修・事後)歴史的建造物の保存活用につてい、自身の考えをまとめる(約2時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。2
計画・歴史近現代都市の特質と課題について説明できる。1
近世(例えば、住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート等合計
総合評価割合500000100150
基礎的能力0000000
専門的能力500000100150
分野横断的能力0000000