鉄骨構造Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 鉄骨構造Ⅰ
科目番号 0147 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 新訂わかりやすい鉄骨構造の設計(理工図書)
担当教員 柴田 良一

到達目標

前期は(1)~(2)、後期は(3)、を基準とし、教科書や過去の試験問題や授業中の演習と同レベルの問題を出題し、6割以上の正答レベルに達していること。
なお成績評価への重みは満点の配分に対応する。

(1) 引張材の断面算定について、基本式を正確に活用できる(6割)
(2) 圧縮材の断面算定について、全体座屈の評価が出来る(6割)
(3) 曲げ材の断面算定について、横座屈の評価をした上で、許容圧縮応力度の計算が出来る(6割)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
引張材の断面算定について、基本式を正確に活用できる(6割)引張材の断面算定について、基本式を正確(8割以上)に活用できる。引張材の断面算定について、基本式をほぼ正確(6割以上)に活用できる。引張材の断面算定について、基本式を活用できない。
圧縮材の断面算定について、全体座屈の評価が出来る(6割)圧縮材の断面算定について、全体座屈の評価が正確(8割以上)にできる。圧縮材の断面算定について、全体座屈の評価がほぼ正確(6割以上)にできる。圧縮材の断面算定について、全体座屈の評価ができない。
曲げ材の断面算定について、横座屈の評価をした上で、許容圧縮応力度の計算が出来る(6割)曲げ材の断面算定について、横座屈の評価をした上で、許容圧縮応力度の計算が正確(8割以上)にできる。曲げ材の断面算定について、横座屈の評価をした上で、許容圧縮応力度の計算がほぼ正確(6割以上)にできる。曲げ材の断面算定について、横座屈の評価をした上で、許容圧縮応力度の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、構造力学と建築構法の基礎を元にして、高層建築や大空間構造によく用いられる鉄骨構造の設計手法と基礎となる部材設計を学習する。
なお、5年の鉄骨構造Ⅱとは接続した内容になっており、基本的な内容を確実に習得することが必要である。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に行うので、各自学習ノートを充実させること。
材料力学と構造力学の知識が必要なので、十分復習しておくこと
英語導入計画:Technical terms
試験のみで評価し、前期中間100点・前期期末100点・後期中間100点・後期期末200点の合計点の総得点率で評価する。
注意点:
学習・教育目標 (D-2 力学系)100% JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄骨構造1の概要,講義計画 1年間の学習計画の検討
2週 構造設計の概要(許容応力度設計法)(ALレベルB) 許容応力度設計のフローチャートを具体化する
3週 荷重及び外力の設定(計算方法)(ALレベルC) 荷重の計算課題を演習する
4週 断面の強さの指標(ALレベルC) 断面性能の諸係数の計算課題を演習する
5週 引張材の設計手法(ALレベルC) 許容引張応力度の計算課題を演習する
6週 引張材の設計演習1(ALレベルC) 偏心による断面欠損の計算課題を演習する
7週 引張材の設計演習2(ALレベルC) ボルト穴による断面欠損の計算課題を演習する
8週 中間試験
2ndQ
9週 圧縮材の設計手法(ALレベルB) オイラー座屈の理論式の応用課題を演習する
10週 許容圧縮応力度の算定方法(ALレベルB) 許容圧縮応力度の計算課題を演習する
11週 単一圧縮材の設計演習1(ALレベルC) 細長比の計算課題を演習する
12週 単一圧縮材の設計演習2(ALレベルC) 弱軸強軸の判定の計算課題を演習する
13週 有効座屈長さの算定法(ALレベルC) 有効座屈長さの計算課題を演習する
14週 単一圧縮材の設計演習3(ALレベルC) 圧縮部材の断面算定の演習課題を行う
15週 期末試験
16週 試験解答の解説と評価方法の説明(ALレベルC) 期末試験の誤解答のやり直し
後期
3rdQ
1週 曲げ材の設計手法(ALレベルB) 曲げ材のたわみ挙動の力学の復習を行う
2週 横座屈の特徴と評価(ALレベルB) 横座屈に関する定式化の復習を行う
3週 許容曲げ応力度の算定手法(ALレベルC) 許容曲げ応力度の計算課題を行う
4週 梁材の設計手法1(ALレベルC) 曲げモーメントの分布係数の計算課題を行う
5週 梁材の設計手法2(ALレベルC) 有効座屈長さの計算課題を行う
6週 許容曲げ応力度の算定法1(ALレベルC) 圧縮フランジの断面性能の計算課題を行う
7週 許容曲げ応力度の算定法2(ALレベルC) ねじり現象と横座屈の力学の復習を行う
8週 中間試験
4thQ
9週 曲げ応力度の検討(ALレベルB) 曲げ応力度の演習課題を行う
10週 せん断応力度の検討(ALレベルC) せん断応力度の演習課題を行う
11週 たわみ及び振動障害の検討(ALレベルC) たわみの計算課題を行う
12週 梁材の設計演習1(ALレベルC) 大梁に関する計算課題を行う
13週 梁材の設計演習2(ALレベルC) 小梁に関する計算課題を行う
14週 総合例題による設計演習(ALレベルC)
15週 期末試験 複数の応力が作用した部材の計算課題を行う
16週 試験解答の解説と評価方法の説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。3
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。3
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。2
構造建築構造の成り立ちを説明できる。4
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。4
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。4
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4
ラーメンやその種類について説明できる。4
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。4
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。4
S造の特徴・構造形式について説明できる。4
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。4
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。4
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。4
曲げ材の設計の計算ができる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合500500
専門的能力500500