応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0152 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 基礎解析学(改訂版)(矢野、石原・裳華房)
担当教員 小川 信之

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①ベクトル積を理解し、微分演算子を用いた数学的手法を習得する。
②ベクトルの積分を含んだ計算ができる。
③フーリエ級数の考え方を理解し、フーリエ級数を用いて関数を表現できる。
④ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学現象例についてベクトル解析の演算子を用いて表現できる。ベクトル解析の演算子に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。ベクトルの演算子に関する問題を解くことができない。
評価項目2工学現象例についてスカラー場・ベクトル場の線積分・面積分を用いて表現できる。スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を解くことができない。
評価項目3工学現象例についてフーリエ級数の概念を用いて表現できる。フーリエ級数に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。フーリエ級数に関する問題を解くことができない。
評価項目4工学現象例についてラプラス変換の概念を用いて説明できる。ラプラス変換に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。ラプラス変換に関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基にして、広範な工学専門知識に応用される数学的手法を習得する。幾何学的直観や物理的感覚を重視する。計算技術を獲得するとともに、工学現象を数学的に表現し、その意味を解釈できる能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書の流れを中心とし板書とプリントを使用し授業を進める。
注意点:
各自ノートを充実させるとともに、演習問題を自分の手で解くこと。発展的な話題を教室外学修課題として出す場合もある。授業では3年次までの微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基に講義を行う。学生は予備知識として微分積分,線形代数の基本的な計算を復習しておくとよい。フーリエ変換、ラプラス変換においては指数・三角関数の積分、線形微分方程式についての知識を前提とする。
なお,成績評価に教室外学修の内容は含まれる。
学習・教育目標 (D-1)100%
JABEE基準1(1):(c)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル基本演算の復習
(ALのレベルC)
ベクトルの表記と基本演算を理解する。
2週 内積と外積
(ALのレベルC)
ベクトルの内積と外積の計算ができる。
3週 ベクトルの微分積分、スカラー場・ベクトル場
(ALのレベルB)
スカラー場・ベクトル場の表記法と図との対応を理解できる。
4週 微分演算子
(ALのレベルA)
微分演算子を用いた計算ができる。
5週 勾配
(ALのレベルC)
勾配を適切に適用した計算ができる。
6週 ベクトル場の発散と回転
(ALのレベルC)
発散と回転を適切に適用した計算ができる。
7週 位置ベクトルの発散と回転
(ALのレベルC)
勾配・回転・発散を組合せた計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 空間曲線
(ALのレベルC)
空間曲線が表記でき、弧長を計算できる。
10週 線積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の線積分が計算できる。
11週 線積分の演習
(ALのレベルC)
特徴的な線積分の性質を理解する。
12週 面積分
(ALのレベルC)
スカラー場・ベクトル場の面積分が計算できる。
13週 面積分の演習
(ALのレベルB)
特徴的な面積分の性質を理解する。
14週 積分公式
(ALのレベルC)
積分公式を使った計算ができる。
15週 期末試験
(ALのレベルC)
16週 学年末試験の解答と解説
(ALのレベルC)
後期
3rdQ
1週 三角関数の積分公式,直交性
(ALのレベルC)
三角関数の積分公式,直交性
の問題を解くことができる。
2週 フーリエ級数の概念
(ALのレベルB)
フーリエ級数の概念を理解して関連の問題を解くことができる。
3週 任意周期のフーリエ級数
(ALのレベルC)
任意周期のフーリエ級数
の問題を解くことができる。
4週 フーリエ級数の収束定理とパーセバルの等式
(ALのレベルB)
フーリエ級数の収束定理とパーセバルの等式の問題を解くことができる。
5週 常微分方程式と偏微分方程式
(ALのレベルC)
常微分方程式と偏微分方程式
の問題を解くことができる。
6週 偏微分方程式とフーリエ級数1
(ALのレベルA)
偏微分方程式とフーリエ級数1
の問題を解くことができる。
7週 偏微分方程式とフーリエ級数2
(ALのレベルB)
偏微分方程式とフーリエ級数2
の問題を解くことができる。
8週 中間試験 フーリエ級数に関する複合的な問題を解くことができる。
4thQ
9週 様々な関数のラプラス変換
(ALのレベルC)
様々な関数のラプラス変換
の問題を解くことができる。
10週 ラプラス変換の性質
(ALのレベルB)
ラプラス変換の性質
の問題を解くことができる。
11週 ラプラス逆変換
(ALのレベルC)
ラプラス逆変換
の問題を解くことができる。
12週 ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習
(ALのレベルB)
ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習の問題を解くことができる。
13週 単位関数・デルタ関数
(ALのレベルA)
単位関数・デルタ関数の問題を解くことができる。
14週 合成積・応答
(ALのレベルC)
合成積・応答の問題を解くことができる。
15週 期末試験 ラプラス変換の複合問題を解くことができる。
16週 学年末試験の解答と解説 ラプラス変換の複合問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3

評価割合

前期中間試験前期期末試験課題後期中間試験後期期末試験課題合計
総合評価割合1001005010010050500
基礎的能力1001005010010050500
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000