建築生産

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築生産
科目番号 0187 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 建築生産-ものづくりから見た建築の仕組み- (ものづくり研究会編著、彰国社、2012.11)
担当教員 犬飼 利嗣

到達目標

建築生産に関わる実務的な内容を理解し、実用的な技術者としての基礎的知識を習得する。
具体的には以下の項目を目標とする。
① 建築生産の関係者とその生産方法を習得する。
② 鉄筋コンクリート工事に関する基礎的知識を習得する。
③ 仕上工事の基礎知識を習得する。
④ 建築生産におけるネットワークの基礎知識・品質管理の概要を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
① 建築生産の関係者とその生産方法を習得する。建築生産の関係者とその生産方法を、正確に習得している。建築生産の関係者とその生産方法を、ほぼ正確に習得している。建築生産の関係者とその生産方法を、習得していない。
② 鉄筋コンクリート工事に関する基礎的知識を習得する。鉄筋コンクリート工事に関する基礎的知識を、正確に習得している。建築生産の関係者とその生産方法を、ほぼ正確に習得している。鉄筋コンクリート工事に関する基礎的知識を、習得していない。
③ 仕上工事の基礎知識を習得する。仕上げ工事の基礎知識を、正確に習得している。仕上げ工事の基礎知識を、ほぼ正確に習得している。仕上げ工事の基礎知識を、習得していない。
④ 建築生産におけるネットワークの基礎知識・品質管理の概要を理解する。建築生産におけるネットワークの基礎知識・品質管理の概要を、正確に理解している。建築生産におけるネットワークの基礎知識・品質管理の概要を、ほぼ正確に理解している。建築生産におけるネットワークの基礎知識・品質管理の概要を、理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築生産に関わる実務的な内容を理解し、実用的な技術者としての基礎的知識を習得する。
授業の進め方・方法:
幅広い内容を扱うので、講義内容に集中して授業を受けるようにする。
建築材料や各種構造の知識が前提となるので、復習しておくことが必要である。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
(D-2 統計・システム系)100%
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建設業の現状と建築生産に関わる関係者(建築主、設計者、工事監理者、工事施工者)
(ALのレベル C)
建設業の現状と建築生産に関わる関係者が理解できる。
2週 請負契約と施工者の決定(設計図書、請負契約、工事施工方法、請負契約の種類、工事施工者の選定)
(ALのレベル C)
請負契約と施工者の決定過程が理解できる。
3週 施工計画(準備作業、現場運営計画、工法・手順計画、施工設備計画、横線工程表、工程表)
(ALのレベル C)
施工計画の概要が理解できる。
4週 ネットワークについて
(ALのレベル C)
ネットワークが理解できる。
5週 安全衛生管理計画、施工管理(品質管理、施工管理の急所)
(ALのレベル C)
安全衛生管理計画と施工管理の概要が理解できる。
6週 仮設設備(仮囲い、門扉、仮設事務所、宿舎、下小屋、詰め所、倉庫、便所、動力、証明、給排水、安全設備、足場) 仮設設備の種類と意味が理解できる。
7週 建設機械(基礎・杭用機械、土木工事機械、削岩、破壊用機械、鉄筋・コンクリート用機械、楊重機械、建設ロボット他) 建設機械の種類と特徴が理解できる。
8週 中間のまとめ 建築生産計画の概要および仮設と機械が理解できる。
2ndQ
9週 地下工事(地盤調査、山留め工法(前半)) 地盤調査と山留め工法の概要が理解できる。
10週 山留め架構の設計 山留め架構設計の概要が理解できる。
11週 土工事・排水工事、その他 土工事と排水工事の概要が理解できる。
12週 杭工事(杭の支持力、既製コンクリート杭、杭、杭工法) 杭の支持力と工法の種類が理解できる。 
13週 杭工事(現場打ち杭、その他の杭) 場所打ち杭の概要が理解できる。
14週 地盤改良、砂砂利地業(改良工法、サンドドレーン、バイブロフローテーション、サンドコンパクション他) 地盤改良と砂砂利地業の概要が理解できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の確認と前期の総まとめ 地下工事の概要が理解できる。
後期
3rdQ
1週 鉄筋工事(材料、加工、組立、定着・継手、かぶり厚さ、鉄筋先組み工法、施工管理、試験) 鉄筋工事の概要が理解できる。
2週 型枠工事(コンクリート寸法図、型枠工法、型枠工法の手順、型枠・支保工の存置期間) 型枠工法の種類と概要が理解できる。
3週 型枠工事(工法)、コンクリート工事(材料と調合) コンクリートの使用材料の種類と特徴が理解できる。
4週 コンクリート工事(打設、品質管理、特殊コンクリート)
(ALのレベル C)
コンクリートの計画調合が理解できる。
5週 鉄骨工事(工場加工、ボルト接合、高力ボルト接合) 鉄骨の加工とボルト接合が理解できる。
6週 鉄骨工事(溶接接合、開先加工、建方工法、耐火被覆)
(ALのレベル C)
鉄骨の溶接接合と建方および耐火被覆の概要が理解できる。
7週 PC工事、コンクリートブロック工事(壁式PC工法、補強コンクリートブロック造) PC工事の概要が理解できる。
8週 仕上工事の概要①(ALC、防水工事、シーリング工事) ALCと防水工事の概要が理解できる。
4thQ
9週 仕上工事の概要②(石工事。タイル工事、木工事) 石とタイルおよび木工事の概要が理解できる。
10週 仕上工事の概要③(左官工事、金属建具工事、ガラス工事) 左官と金属およびガラス工事の概要が理解できる。
11週 仕上工事の概要④(塗装工事、内装工事) 内外装塗装工事の概要が理解できる。
12週 建築数量積算基準の概要(仮設、土工、地業、矩体、仕上、設備) 建築数量積算基準の概要が理解できる。
13週 建築数量積算基準の概要(工事別方式と部分別方式)
(ALのレベル C)
工事別および部分別方式の建築数量積算基準の概要が理解できる。
14週 品質管理の七つ道具(散布図、パレート図、ヒストグラム、特性要因図、チェックシート)
(ALのレベル C)
品質管理の七つ道具の概要が理解できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の確認と後期の総まとめ 建築生産に関わる実務的な内容が、実用的な技術者の立場に立って理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。2
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。2
木材の種類について説明できる。3
傷(節など)について説明できる。3
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。2
耐火性について説明できる。2
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。2
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。2
セメントの種類・特徴について説明できる。3
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。2
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。3
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。3
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。3
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。2
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。2
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。3
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。3
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。2
石材の種類・性質について説明できる。2
石材の使用方法について説明できる。3
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。2
タイルの種類、特徴をあげることができる。2
ガラスの製法、種類をあげることができる。2
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。2
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。2
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。2
構造建築構造の成り立ちを説明できる。3
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。3
力の定義、単位、成分について説明できる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。4
瑕疵・保証について説明ができる。4
現場組織の編成について説明できる。4
設計図書と施工図の関係について説明できる。4
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4
ネットワーク工程表の計算ができる。4
バーチャート工程表について説明できる。4
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。4
鉄筋の加工について説明できる。4
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。4
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。4
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4
型枠の材料、種類をあげることができる。4
型枠の組立て手順について説明できる。4
せき板の存置期間について説明できる。4
支保工の存置期間について説明できる。4
使用材料の試験・管理値について説明できる。4
生コンの発注について説明できる。4
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4
養生の必要性について説明できる。4
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。4
工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる。4
建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000